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2019年J1第30節 川崎フロンターレ対サンフレッチェ広島 レビュー「テンポとスペース。ゾーンとマンツーマン」

2019年J1第30節 川崎フロンターレ対サンフレッチェ広島は、2-1で川崎フロンターレが勝ちました。

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※一部箇所の誤字を修正いたしました。ご指摘頂きありがとうございました。

年々少なくなるJリーグの 「攻撃回数」

ラグビー、サッカー、バスケットボール、ホッケーといった球技で、これだけに注目したほうがよいというポイントがあるとしたら、それは「ペース」と「スペース」の2つに集約されると思います。

「ペース」とは主に攻撃回数のことを指します。ボールを持っているということは、得点を奪う権利を有しているということでもあります。相手陣内にボールを運ぶということを「攻撃」と定義するなら、ボールを相手陣内に運んで奪われてから、シュートを打つまでのプレーを1回の攻撃と定義すると、攻撃回数が多い試合は、ボールを奪ったり奪われたりと「テンポが早い」試合になりますが、攻撃回数が少ない試合は「テンポが遅い」試合になります。

Jリーグの攻撃回数は「Football-Lab」のデータから調べることができるのですが、攻撃回数のデータを調べていて、あることに気がつきました。それは、攻撃回数が年々減少しているのです。

参考までに2012年の攻撃回数のデータを調べると、攻撃回数1位の横浜F・マリノスは140.7回、18位の浦和レッズは117.8回でした。しかし、2019年のデータを調べると、攻撃回数1位の横浜F・マリノスは120.4回と、2012年の最も攻撃回数が少なかったチームとほぼ同じ攻撃回数まで下がっています。18位の大分トリニータに至っては、驚異の99.9回(!)と、攻撃回数を計測してから最小の数字を記録しています。大分トリニータは攻撃を受ける回数も101.2回を記録しており、大分トリニータの試合は攻撃を仕掛ける回数が少なくなると考えられます。つまり、Jリーグは年々テンポが遅くなっているのです。

テンポが遅くなっている理由

テンポが遅くなっている理由は2つあります。

1つ目は、Jリーグの各チームがボールを奪われずに、相手陣内にボールを運ぶ戦術を磨き、精度を高めているからです。大分トリニータが良い例ですが、GKもパス交換に参加しながら、相手陣内にボールを運ぶチームが増えました。また、相手の選手同士の間隔を広げ、ボールを受けるスペースを作り、個人の技術だけではなく味方との連携でボールを奪わせないようにするチームが増えたため、相手が積極的にボールを奪いにきても、なかなか奪えず、ボールを保持する時間が増え、1回あたりの攻撃の時間が長くなっているのではないかと思います。

2つ目は、可変式のチームオーガニゼーションの導入によって、ボールを奪う位置を下げるチームが増えているからです。特にDF3人のチームに多いのですが、ボールを保持しているときは両サイドのDFをFWの位置まで移動させるのですが、ボールを持っていないときはDFの位置まで戻したいので、ボールを相手陣内で奪い返すより、相手を待ち構えて対応するチームが増えています。

ペースに関連するのが、スペースの活用です。味方にスペースを与え、敵にはスペースを与えない。そのためにボールを持っているときと、持っていないときのチームオーガニゼーションを変える。サイドに「ボールを預けられる」選手を配置し、相手選手が食いついたら、食いついた背後を狙ってボールを運ぼうとします。

ボールを持っているときと持っていないときでチームオーガニゼーションが違ったり、相手を待ち構えてボールを奪いにいくのは、バスケットボールやハンドボールのように、手でボールを扱うボールゲームにみられる傾向です。ただ、バスケットボールも再び相手陣内からボールを奪いにいき始めているので、どこかのタイミングで、ボールを奪いにいくチームが優勢になるとは思います。

川崎フロンターレの戦略はDF3人のチームと噛み合わせが悪い

前置きが長くなりましたが、川崎フロンターレにとって、サンフレッチェ広島は戦いやすい相手ではありません。

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2019年J1第30節 川崎フロンターレ対サンフレッチェ広島 レビュー「テンポとスペース。ゾーンとマンツーマン」

西原雄一

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スポーツコミュニケーター| JSAA & HiVE実行委員 | noteでスポーツコラム連載 | noteサークル会員限定トークイベント運営 | note公式「スポーツ記事まとめ」管理人 | スポーツを軸にした、個人、組織、コミュニティの支援が得意 |

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