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#SAJ2020 でアウトドアスポーツのセッションを企画した理由

僕はスポーツアナリティクスジャパン(SAJ)の実行委員をしているのですが、SAJ2020で企画したセッションでも、特に異色のセッションが発表になりました。

このnoteでは、このセッションを企画した趣旨を書いておきたいと思います。

なぜYAMAPなのか

YAMAPに興味をもったのは、GUILDの安藤さんがCXOになったことがきっかけでした。

データを視覚的に見せるのがとても上手い安藤さんがジョインしたYAMAPはどんな会社なのだろうか。そんな事を考えていたある日のこと、こんなnoteを読みました。

僕はこのnoteを読んだとき、衝撃を受けました。こんなことまで、アプリでできるようになっているのか!と。

この「みまもり機能」が凄いのは、以下の点です(上記紹介note参照)

「みまもり機能」は山ですれ違った人の位置情報をYAMAPのサーバーに送ることで、電波が届かない場所の位置情報もスマホだけで共有ができるという点で画期的なのです。
要するに、圏外のエリアだとしても、自分とすれ違った相手がオンラインに入れば、すれ違った地点の位置情報を家族や友人が確認できる。万が一、圏外でのトラブルで身動きが取れなくなった場合にも、「この時点ではここにいた」という情報が残るため、山岳救助にも役に立つ情報となります。

安全に登山を楽しむための機能であり、YAMAPのアプリを利用しやすくする優れた機能だったので、僕は驚きました。ここまでアウトドアスポーツのアプリは進化しているのか、と。

僕がYAMAPに興味を持ったのは「安全を確保するためにデータを活用している」ということです。SAJで取り上げていた競技とは全く異なる使い方をしていたからこそ、僕は「SAJで取り上げたい」と考えるようになりました。

なぜSTRAVAだったのか

YAMAPのセッションが面白いかどうかを相談するにあたって、相談相手として頭に浮かんだのは、弊社の同僚の女性です。彼女は平日は近隣を走り、土日は山を歩くというアウトドアが大好きな女性で、僕よりもはるかにアウトドアのギアやアプリに詳しい。彼女に相談したところ、「ぜひやるべきだ」と賛同してくれました。

そして、彼女に他におすすめのアプリはあるかと聞くと、彼女がおすすめしてくれたのが、サイクリングやランニングで使われている「STRAVA」でした。

SAJの企画を考えながら、僕は毎回心残りになっていることがありました。それは、「スポーツアナリティクス」という名前が入っているのに、「ユーザーのログを記録するアプリに関するセッションをやっていない」ということです。

僕はサッカー選手が着用するようなGPS機器が入ったブラジャーはつけませんが、スマホを使ってランニングしています。スマホでランニングのアプリを使えば、走行距離と1kmごとのラップタイムは記録できます。僕にとって最も身近な「スポーツアナリティクス」です。

僕にとって身近なスポーツアナリティクスは、趣味となりつつある「ランニング」であり、計測機器は「スマホ」です。ランニングとアプリを使ったセッションをずっとやりたかったのです。

あと、横田真人さんにお会いしたとき、SAJの存在をご存知で、阿見ACの中谷さんに参加してもらっていた(自分で参加しないところが横田さんらしい)というお話を聞いて、「ランニングを取り上げたい」という思いは、ずっと頭の中にありました。

なぜユーフォリアなのか

この企画をやるならば、絶対に相談したかった人がいます。ユーフォリアの宮田さんです。宮田さんはユーフォリアという会社で、ラグビー日本代表が使っているコンディショニングアプリの開発をしながら、白馬トレイルマラソンの発起人としても活躍し、数多くのアウトドアイベントを手掛けています。

宮田さんが「これはやろう!」とおっしゃってくださり、YAMAPのCEOの春山さん、Strava Inc. Japan Country Managerの三島さん、そして「絶対登壇してもらったほうがよい」とRuntripの大森さんにもお声がけくださいました。

なぜRuntripなのか

Runtripは、各地のランニングコースやランニングイベントをシェアするアプリ。STRAVAで記録したランニングのデータをRuntripに取り込む、ということも出来る。最近ではランニングのログ共有によって、ユーザーからリアクションが届くようになっていて、SNSの「いいね」のように、ランニングするためのモチベーションを上げるような工夫をしている。アプリ上の工夫だけではなく、最近は様々なランニングイベントを企画。ユーザー同士の交流を促しています。

(大森さん、アドバイスありがとうございます!もっとRuntrip使います!)

Runtripという会社のことは知っていました。僕自身も遠出したときに、Runtripを使ってランニングルートを探したことがあります。でも、Runtripの事に興味を持ったのは、インターンの木幡さんとお会いしたのがきっかけでした。

一回り以上歳上の僕と遊んでくれる数少ない若者が働いている会社としてだけでなく、木幡さんが大森さんのラジオ番組に出演していたことからも、良い雰囲気の会社なのだということが伝わってきました。普通インターンが、社長のラジオ番組に出るってないと思うんです。

あと、宮田さんと三島さんもラジオに出演されています。どちらも面白かった...。

「競争に勝つ」目的ではなく「共創」

YAMAP、STRAVA、Runtripの3社に共通しているのは、「安全」と「コミュニティ」です。安全にスポーツを楽しむことを目的に開発され、ユーザー同士で情報を共有するコミュニティを育む設計がされていること。これはスポーツに関するテクノロジーの「相手に勝つ」思想とは全く異なります。つまり「共創」です。

SAJは必ずしも競技スポーツのことだけを考えているイベントではありません。だからこそ、このセッションは聞く価値がある。僕はそう考えています。

SAJは2月1日に開催します。チケット代は安くはありませんが、面白いセッションが揃いつつあります(なんとまだ半分です)。ぜひ会場までお越しください。


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