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【社長ラジオ】わかりにくい!?ミッション・ビジョン・バリュー(M・V・V)について考える

みなさん、こんにちは。社長の仁瀬(にせ)です。今回もはりきって社長ラジオ、がんばっておしゃべりしていきたいと思います。
今週お話したいと思うのは、最近企業経営で注目されている「ミッション・ビジョン・バリュー(M・V・V)」や「パーパス」についてです。

みなさんも会社のオフィスの壁にミッション・ビジョン・バリューのポスターが貼ってあったり、会社のホームページの企業紹介のところに説明があるのを見たことがあるのではないでしょうか。
横文字ばかりで英語だし特に意味もわからずスルーしている方もいるかもしれませんが、「ミッション・ビジョン・バリュー」にせよ「パーパス」にせよ、ここで表しているのは、私たちは何のために存在しているのか、どうして事業をやっているのかの目的や、達成したいことです。

MVVはカッコつけ?…ではなく「方向性」

私たちの存在目的とか、ちょっと歯の浮くワードかもしれませんね。
中二病っていうんでしょうか。思春期の浮つきのような感じで、クールな方はこういうちょっとアツイ概念は苦手に思われるかもしれません。
かくいう私も若い頃は、こういうカッコつけた概念を持ち出してグループの結束を深めよう!みたいなのはかなり苦手でした。ですが、ビジネスの経験を積むにつれて、やっぱり縁あって同じ会社に集まっている皆がある程度方向性をあわせて、同じベクトルでやっていこうよって決めておくのは重要だなと思うようになりました。
逆に言えば、そのベクトルはもうちょっと違うなとか、自分はほかにもっと熱くなれるベクトルを見つけたぞ!という方が、新たなキャリアに旅立つきっかけにさえなるのかもしれません。
いや、みなさんに会社辞めてほしいなんて思ってないですよ!!

ちょっと話が逸れました。
改めて。私は先ほど申した「方向性」というのがキーワードかなと思っています。私たちの会社はお陰さまで大企業と呼んでいただいており、複数の異なる事業を営んでいます。言うなれば、ちょっと方向性の違う事業をやっていると言えるのかもしれません。でも私なりにはその方向性は揃っているし、それぞれの事業が得意な技術や、顧客基盤を共有できているのかなと思っています。

八百屋さんはなぜ八百屋をはじめたのか?

例えば、長年八百屋さんを営んでいる大将が突然パイロットになることは難しいですよね。でも八百屋さんは、野菜や果物の目利きができるし、それを適正価格でタイムリーにお客さんに売るために、接客の際に調理の仕方やレシピを教えてあげたりします。お客さんがリピーターになるための気前の良さ、人懐っこさや情も大事なことです。

八百屋の大将はどうして八百屋を始めたのでしょうか。親から継いだのかもしれませんが…その場合や親御さんの創業精神を受け継いでいることにしましょう。
もちろん創業のきっかけは、そこにビジネスチャンスがあったからに違いありません。街に八百屋がなくて空白地帯だった。卸売で働いた経験があるからノウハウがあった。ビジネスをただ始めるだけならそれで十分かもしれません。しかし長く続けていくならば、ピンチやチャンスや荒波があってもそれを乗り越えていくだけの熱意があったのではないでしょうか。
街のみんなに栄養満点の新鮮な野菜を届けたい。それによって家庭でのご飯の機会を下支えし、お客さんの生活に彩りを与えたい。街の笑顔に貢献したい。そんな思いがあるのではないでしょうか。
そんな思いがあるからこそ、価格はぼったくらず適正にするし、お客さんの料理のレパートリーに彩りを与えるために、自分自身も野菜を使ったレシピを学んだり、研究したりするのです。もしかしたら、八百屋の川上工程にいる卸売業者さんや農家さんにも思いがあるかもしれません。日本の農業を元気にしたい。それならば、多少値が張ってもめちゃくちゃ美味しい野菜をプチ贅沢としてお客さんに提案し、得た利益をしっかり農家に分配しよう、そのためにプチ贅沢を”アリ”にするための食べ方をお伝えしたり、あるいは街の名家とつながって値段を気にせず買ってくれる販路を開拓したりするかもしれません。


八百屋の「ミッション・ビジョン・バリュー」

どうでしょうか。八百屋さんの「ミッション・ビジョン・バリュー」や「パーパス」は見えてきましたか?例えばこんなのはどうでしょうか。

  • ミッション:街のみんなに栄養満点の新鮮な野菜を届け、家庭でのご飯の機会を下支えします

  • ビジョン:お客さまの食生活に彩りを与えます

  • バリュー:ただ安いだけではなく、多少のお代を頂くとしても、とても美味しい野菜をプチ贅沢としてお客さまに提案します

それを考えると、八百屋さんの強みを活かして、小料理屋さんやテイクアウトの惣菜屋さんを始めることや、料理教室を展開することは、事業拡大のアイデアとしてアリかもしれません。
やりたいことの「方向性」が言語化されていると、事業の拡大のアイデアに補助線を引くことができます。逆に言えば、事業が立ち行かなくなったとき、どの事業を畳むべきかの判断材料にもなり得ます。

良い「M・V・V」や「パーパス」

さあ、「ミッション・ビジョン・バリュー」がただの中二病ポエムではないということをご理解いただけたでしょうか。
改めて、会社の「ミッション・ビジョン・バリュー」や「パーパス」をご覧になってみてください。方向性は伝わってきますか。

実は我が社もかつては、なにかイイこと言っているようで何も言っていないような、それっぽいスローガンが掲げられていました。しかし、それでは、先ほど申し上げた「やっぱり縁あって同じ会社に集まっている皆がある程度方向性をあわせて、同じベクトルでやっていこうよって決めておく」という機能に欠けています。
それを反省し、社内の様々な世代、様々な職種から数十名の方に集まっていただき、我が社の「ミッション・ビジョン・バリュー」を叩きなおす活動をしていただきました。いま社内のポスターやホームページに上がっているのは、社員のみなさんに直していただいたものです。
こちらはお取引先さまや、株主、投資家の方にも「わかりやすい」「会社が将来目指す事業方向性が理解できた」とご評価を頂いています。関わってくださったみなさんに改めてお礼を申し上げます。

ぜひ社員のみなさんひとりひとりが、「ミッション・ビジョン・バリュー」に共感していただけると嬉しいのですが、そういう熱血なのはいいよ!というクールな方におかれては、是非せめて方向性が合っていそうかだけでも確認いただけると幸いです。引き続き長きにわたって働いていただきたいなと思っているので、方向性は合わせておいて損はありませんよね!

今日も長い時間にわたって私の話を聞いていただきありがとうございました。また次回をお楽しみに。

「社長ラジオ」とは?
このnoteでは、とくに社長でもなんでもない一般のサラリーマンの私が、そこそこの大企業の社長になりきって、社員に語りかける放送、その名も「社長ラジオ」の文字起こしを載せていきたいと思います。
ラジオをやったつもりになって文字起こしだけを載せています。

社長ラジオへのリクエストは「にせ社長」のXまでどうぞ。
https://x.com/nise_ceo

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