見出し画像

職場人間観察日記②中途で年上の部下

【職場観察日記】
毎日多くの時間を仕事に費やす中で、悩みが多いのも人間関係だ。
必然的に、職場の人間関係について考えることも多い。
この記事は、自分が日々考える職場の人間関係についてて1名ずつ取り上げて記事にしていきたいと思う。
※今回の記事はいささか長くなりそうだ

彼女は中途入社で3年目。
同じチームのメンバーだ。
年上だが、自分にとっては部下にあたる。
彼女は現在5社目で、色々な企業を渡り歩いてきている。
彼女は、私が今最も苦労している部下と言ってよい。
正直、入社直後から色々あった。

入社直後からうまくいかなかった

入社2・3日目に、チームメンバーが彼女に悪気もなく言った発言に、
彼女は自身が否定されたような気持ちになった出来事があった。
・・・そこから悲劇が始まった。(具体的に何と言ったのかは覚えていないが)

彼女はそこから、その言葉を言った人に対して過剰な苦手意識を示し、
当部署やサービスに対して否定的な言動をするようになった。
例えば、その人がいるMTGでは何も言葉を発さなかったり、
サービスについて「こんなのはマーケティングではない」とか
「自分の過去の会社はこうだった」とか・・という発言を多くした。

そんな風だったので、他のメンバーも彼女に対して違和感を覚えていったし、心の距離は縮まらないまま、もう3年がたつ。

私は、そんな彼女を率いるチームのリーダーとして苦労している。

彼女の性格の特徴

自身の整理のために、彼女の性格について整理したい。
大きく2つの特徴があると思っている。
1、思い込みが強い 2、自己正当化したい気持ちが強い

<1、思い込みが強い>
彼女は思い込みが強い。特に下記の事に対して。
①自分に対する思い込み
何か指摘をうけると、「あの人は自分のことを嫌いだからそういうことを言うのだ」と被害妄想的な思い込みが強い。
仕事上の指摘は、感情とは切り離して対して行うものだと思うが、
彼女はそこが混同する。
「あの人は私のことが嫌いなんですよ」「自分より●●さんの方がいいんですよ」とよく言う。私も彼女に物申すときは、一言一句非常に気を遣う。

②物事に対しての思い込み
物事を多面的にみるのではなく、これはこうだと決めるつける節が強い。
この人はこういう人、この商品はこういう風に評価されている、とか。
そしてそこには主観が強い。
私たちはマーケティングの仕事をしているので、正直決めつけ、というのは禁物だ。
例えば、商品のコンセプトの仮説を立てる時。
この商品はこういうものだと決めつけてしまうと、仮設の幅が狭くなってしまう。
データを見る際もそれは同じで、先入観を持ってデータをみてしまうと、新たな発見を見逃してしまう。
マーケティングの仕事をする上では致命的だ。

③自分は正しい
そして基本的に自分は正しいと思っている。
指摘をあまり受け入れようとしない。
主観でロジックを組み立ててしまうので、作成する資料などにおいても、
観点がどこかずれてしまう。そしてそれを修正するのに私はとても苦労する。

<2、自己正当化したい気持ちが強い>
先ほどの「自分は正しい」思い込みにも通じる話だが、
彼女は自分を正当化したい気持ちが強い。そしてプライドが高い。

皆とうまくいっていないから余計正当化したくなるのかもしれないが、
「自分は能力が高いのに「皆の能力が低いから」それが正当に認められていない」と思っている。
こんな感じで周りの事を悪く言ったり、周りのせいにすることが多い。
そういった態度は自己防衛に見える。認めれたい気持ちの裏返しだ。

そしてそんな気持ちが大きすぎて、他人の気持を思いやったり、
慮ることが苦手だ。

過去のトラウマ?

思い込みが強い、とか、自己正当化したい、とかなんだか悪く書いてしまっているようだが、私には、それらはすべて繋がっていて、
原因は過去のトラウマにあるのではないのか?と思えてくる。

彼女が今どうしてこうなってしまったのかー。
恐らく彼女は、小さい頃もしくは社会人になってからなど、
誰かに強く否定されたり、何か抑圧された経験があるのではないか。
それがトラウマで、他人の言葉に極端に反応してしまったり、
自分を正当化するために、必要以上に強がったり、まわりを否定したり、
してしまうのではないか。
なんだか、その傷のようなものを引きづっているように思えてならない。
そういった経験が、彼女をゆがめてしまっている気がする。

これまで彼女が、こんなことを話していたことがあった。
「過去に仕事をしすぎて入院した」とか、「幼少期、姉二人とお母さんが家庭の中ですごく強くて、自分は殆ど話さなかった」とか、
「家庭がすごく厳しくて、学校が終わったらすぐ家に帰らなければいけなかった」とか・・
そういう経験の何かが、影響しているのかもしれない。

彼女の仕事の仕方

これまで彼女の性格的な部分を書いてきたが、仕事ぶりはどうなのか。
それについては、3つの特徴を整理した。
①周り(全体)が見えない ②新しいことが苦手 ③主体性がない

①周り(全体)が見えない
これは「思い込みが激しい」という部分にも書いたが、
殆ど周りの事が見えていないと思う。
例えばチームの状況、売上の状況がこうだから、
自分は今こういうことをしなければいけないのではないか、とか
今誰かがひっ迫しているからフォローしよう、とかそういったことが殆どない。

②新しいことが苦手
彼女は、新しいことをしたり、考えたりすることが苦手だ。
過去何か経験のある業務であれば、それに紐づけて物事を考えることができるが、新しい発想をしたりすることは難しい。
これについては、彼女がこれまで比較的に大きな企業、しっかり縦割りされていて、マニュアル化されているような仕事の経験が多くをしめてきたことが多少影響しているように思う。

しかし今私たちの部署は、「新しいことを創る仕事」が多い。
決まったことやルーチンでする仕事は殆どないのだ。

③主体性がない。
自分から何かをしよう、覚えよう、というのが殆どない。いつも「待ち」なのである。恐らく、仕事は「与えられるもの」と思っている。

入社した当初から、会社やサービスのことを学ぼう、とか自分でやってみようという姿勢が殆ど見られておらず、苦労している。

認めてほしい、味方が欲しい

上記の理由から、
彼女には、基本的には決まった仕事、ルーチンでできるような仕事を極力やってもらうようにしている。ただその仕事が殆どないのが難しいところだ。
必然的に単純な仕事などが多くなってしまうので、
「なぜ自分がそんなことを」と不本意に思うことも多いようだ。
「もっと実力が認められるべきだ」と思っていると思う
しかし言葉をはばからず言うと、「それくらいしかお願いできることがない」というのが本音なのだ。

そして「味方がほしい」と思っていると思う。
自分を認め肯定しれる味方が。
彼女は自分よりもおとなしいメンバーや話しやすいメンバーに対して、
チャットツールで会話したり、知らないうちに人間関係を作っている。
そこで会社や組織の悪口を言ったりしているみたいだ。
彼女がそこで発散してくれる分にはいいのだが、
悪口でつながった人の数名が昨年会社を辞めていった。。

マネジメントとしてのジレンマ

彼女について何だかネガティブなことばかりを多く書いてしまったが、
私は上司としてとても苦労している。
彼女が「年上」という点がさらにそれを助長させている。

私もジレンマがあるのだ
・自分はすごく忙しいのに、彼女にやってもらえる仕事は少ない
・やってもらうはいいが、軌道修正するのに非常に時間がかかる
・「教育」という観点でも、この先どこまで伸びしろがあるのか
・年上なので接し方に苦労する。非常に気を遣う。
・自分が年下なので、彼女に見下された態度をとられることがあり、そんな彼女にイライラする。なぜ自分が年上の人にそこまでしなければいけないのか、と疲弊を感じる

昨年から相当苦労してきた。
被害妄想的なところもあるから、言い方ひとつとっても、相当気をつけつつ、少しでも信頼関係を作ろうと、自分なりに歩み寄ってきたつもりだ。

でもカチンとくることを言われることも度々あり、
そうなると心が折れそうになる。なぜ自分がこんなに年上の人に対して苦労するのかと。彼女は、自分の苦労なんてわからないのだ、と苛立ち萎えることも多い。

彼女との向き合い方

今回彼女のことを色々と整理して、湧き上がった感情があった。
それは、「自分が一番、彼女を認めてあげないといけないのかもしれない」ということ。
自分が大人にならなければならない、と。

彼女の、一見ひねくれた性格は、過去のトラウマの遺産であると思う。
それを彼女自身も昇華しきれずにいることが、色々な問題を生じさせている気がする。
そのことに少しあわれな思いを抱く。
そんな彼女を引き上げていくべきなのは、自分なのだろうな、と。
彼女に一番近い存在の自分が、彼女を認めてあげることが必要なのではないか。
彼女が苦手な部分には、手を差し伸べて。

もう1つ。表向きだけでも前向きな言葉をかけてあげなければいけない。
すごいですね!とか、彼女を肯定する前向きな言葉を。
少なくとも自分は、彼女のネガティブな捉え方に同調したりする言葉や態度は控えなければいけない。

彼女のキャリアを思う

彼女が今後、自身の不本意な状況から抜け出すには、
彼女自身が変わらなければいけない、と思う。
正直どこの企業に転職したとしても本人が変わらなければ何も変わらない。

でも今まで3年付き合ってきて、
年齢的にも順応性はなくなってきているのがわかるし、
自分で気づいて奮起し、かなりの努力しない限り、変わるのは難しいかもしれない。

変わるきっかけや、気づきを自分が導ければ一番よいのだが、なかなか難しいと思う。
自分はそこまでマネジメントの経験もないし。年下の自分がそこまで影響を与えられるとは思えない。

そういう意味で自分が彼女のキャリアに対してできることは、
少ないかもしれない。
でも彼女がよい方向に転じることを祈りながら、
「北風と太陽」の太陽のように少し大きな心でいることが必要のように思う。

よければこちらも読んでみてください!↓



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?