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正規の学校に行かない子供ためのオルタナティブスクールをセルフビルドする

たまたまnoteのキャンペーンページを見ていたらポプラ社と共同で「#こんな学校あったらいいな」というテーマで投稿を募集していた。求めるものは想像やフィクションで、面白ければ小説として書籍化されるという。小説を書きたいわけではないが、「こんな学校あったらいいな」というのはいつも考えているので、今日はそのことについて書きたい。

まず、ここでも何度か書いたことがあるが、ぼくには1歳の娘がおり、彼女は学校に行かせないつもりである。小中高に行かせない。大学は、彼女が行きたいと言えば行かせる。

こういう人は、実は少なくない。ネットで検索すると、子供を学校に行かせない親というのがぽろぽろと出てくる。今は、行政や学校もそういう親に慣れてきたので、あまりしつこく学校に来いと言わなくなったようだ。

また、オルタナティブスクール(フリースクール)への社会の許容度も、年々大きくなっている。行政や学校が、正規の学校の代わりにフリースクールに通うことを認可し始めているのだ。

それは、「今の学校が破綻している」ということを行政や学校も認識しているということだ。彼らは彼らで学校を再建しようとしているものの、それはなかなか上手くいかない。だから、オルタナティブスクールの存在を認めざるを得なくなっているのだ。

実際、学校再建はちっとも上手くいっていない。それは校内暴力がはびこるようになった1970年代から始まったが、もう半世紀も失敗続きなのだ。そして、この先も上手くいく見通しは立っていない。こうなると、もう学校そのものの存在が時代遅れということになるので、おそらく今後20年のうちに、学校は(少なくとも今の形では)存続しなくなるだろう。

ただ、それでも20年かかる。なぜなら、「教育にまつわる大人たちの職」というものを、社会はある程度保証しなければならないからだ。

教育にまつわる大人たちの職は、まず直接的にそれに携わる教師や行政などがある。次に、それに紐付いたたくさんの産業——例えばランドセルメーカーとか制服メーカーとか教科書の出版社などがある。そこに勤める大人たちは、学校があるからこそ生活を営めるわけで、学校がなくなれば彼らの人生も大変な困難に直面する。だから、いきなりなくすわけにはいかないのだ。

また、今の子供の親は「共働き」が多く、学校を託児所代わりに考えている人も多い。彼らも、学校がなくなると困る。

そんなふうに、学校は主に「大人たちの都合」によって存続し、結果として子供たちが犠牲になっている。学校は、子供の将来のためではなく、大人の生活のためだけに、今後も20年は存続するだろう。

ただ、終息はもう始まっている。例えば文科省は、ようやく教科書の電子化に踏み切った。これで、教科書を販売していた書店や問屋は仕事がなくなる。また、それに伴ってタブレットが支給されるようになると、文具店も仕事がなくなる。やがては、ランドセルや制服も廃止になるだろう。そういうふうに、学校に紐付いた企業はどんどん仕事がなくなっていく。

それでも、最低でも20年はかかるので、学校が完全になくなる頃には、ぼくの娘はもう大人になっている。それでは遅いから、ぼくは「学校には通わせない」という決断になった。

ぼくが娘を学校に通わせない理由は、大きく二つある。一つ目は、上記のように、もう学校というものが機能していないということ。そこに行かせないのでは、十分な学びが得られないからだ。

二つ目は、娘を学校に通わせることは、ぼく自身の児童虐待につながってしまうからだ。

どういうことかというと、そもそもぼくは、今の学校を「ひどいところ」だと思っている。そこに娘を通わせることは、もう虐待そのものだ。

また、ぼくはもちろん、ぼくの妻もきわめて個性的な価値観を有している。それを継承した娘が学校に行ったら、必ず周囲と摩擦を起こし、深刻なトラブルを免れないだろう。

ぼくも妻も今の学校を「ひどいところ」だと思っているのだから、当然娘もそう思うはずだ。しかし、今の学校に通っている大半の子供は、もちろんそう思っていない。そういう場所に娘が行ったら、良くて仲間外れ、イジメだって免れないだろう。

その意味でも、ぼくの娘に「学校に行く」という選択肢はない。こうなると、学校に「通わない」というより、もう「通えない」という方が近くなる。

ところで、では学校に行かないことの「デメリット」は、何かあるのか?
一つ考えられるのは、似たような年頃の子供たちと交流するチャンスが減るということだ。

そこでぼくは、それを解消するために一つのアイデアを実行している。それは、自分でオルタナティブスクールを作るということである。そして、そこを「#こんな学校あったらいいな」という場所にすることだ。

では、それはどんな場所か?

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