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しゃべりすぎた夜に。

誰かと話をして、あんまり盛り上がったんで、お酒が入ったわけでもないのに、ついつい話しすぎてしまったと反省することがある。

そういうとき、ハッと正気にかえって「なんであんなことを話してしまったんだろう」と思ったり、偉そうなことを言ってしまったなあと自分を責めたりするのだけれど、でも、そのときはきっと、楽しかったのだ。

人がなにをしゃべるかというのは、実は誰にもコントロールできない。
相手とのキャッチボールをしているうちに、いつのまにやら話題と渾然一体となって、あれよあれよとどこかに連れていかれる。

時間はまたたく間に過ぎて、いろんな空間を旅して、席を立つのも惜しくて。そういう熱に浮かれたような時間を過ごすとき、人はここではないどこかに行っているような気がする。

今日はそんな日だった。すごく盛り上がって、ここまで話せてよかったと思って。でも帰ってきて「失敗したかな」と思ったりするような、そんな夜だ。

でも、だいたい「失敗したかな」と思う時って失敗していないもんだ。
きっと「あのときの自分」と「いまの自分」のあまりの温度差に戸惑っているだけなのだろう。

そう思うことにした。うん、そういうことにしておこう。

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