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今オフを振り返りながら、巨人が今年の日本シリーズで勝つ為にやってほしい事を書いていく話

 菅野智之投手の残留が1月8日の昨日、正式に発表されました。

 正直メジャーに行くものと思ってたので非常に驚きましたし、アメリカの記者のツイートでは巨人が4年4000万ドル、3年間海外移籍権ありという破格の条件で引き留めたというのも驚きでしたね。

 何せ最初メジャー6球団が獲得に乗り出していて、報道では最後トロント・ブルージェイズとサンディエゴ・パドレスが残っていたのかな?つまりマイナー契約しか提示されなかったとか、高すぎて全球団撤退したわけではなく、最後まで菅野投手を獲ろうとしていたチームが確かにあった。そういうチームがあったら普通日本の球団なんか太刀打ちできませんが、巨人はメジャー球団より良い提示をして、見事獲得競争を制したわけです。

 歴史的快挙ですよ(笑)

 菅野投手の残留以外でも、巨人はオフに積極的な補強をしてくれました。まずFA補強で横浜DeNAベイスターズから梶谷隆幸選手、井納翔一投手を獲得。梶谷選手に4年総額8億、井納投手には2年2億で東京ヤクルトスワローズとの競争に勝ち見事獲得と相成りました。

井納翔一(左)
梶谷隆幸(右)

 更には年末にエリック・テームズ選手を120万ドル、年明けにジャスティン・スモーク選手を2年600万ドルで獲得。テームズ選手はKBO時代に40本40盗塁という快挙を成し遂げメジャー復帰を果たし17~19年の3年間活躍した選手。スモーク選手も19年までの間毎年メジャーで活躍し続けていた選手ですね。

 年齢が二人とも34歳なので衰えなどを指摘される声もありますが、個人的にはその面での心配はないかなと思ってます。巨人が近年獲得したギャレット・ジョーンズ選手やケーシー・マギー選手も来日時は共に34歳でしたが、それでもギャレット選手は1年目に24本塁打を記録、マギー選手も在籍した2年間ともにOPS.8以上を記録するなど活躍してくれました。

 テームズ、スモーク両選手にそれが丸々当てはまるかといえばわかりませんが、失敗するとしたら去年在籍していたジェラルド・パーラ選手のように故障でフェードアウトしてしまうとか、そっちの方面なんじゃないかと。対応力とかで失敗するという可能性は低いかなと思ってますね。

エリック・テームズ

ジャスティン・スモーク

 山本泰寛選手が金銭トレードで阪神タイガースに、田中俊太選手が人的補償で横浜DeNAベイスターズに移籍するなど放出もありましたが、個人的に今年の補強はかなり評価できますし、非常に嬉しかったですね。

 まず放出に関しては完全な断捨離なんですよ。山本選手、田中選手も良い選手ではありますが、去年規定打席に到達した吉川尚輝選手と歳が1つしか違わず、田中選手に至っては同じ左打者ですから出番も限られる上に下の世代の蓋をしてしまう事になる。解雇された吉川大機選手にしてもそうです。残すと一定のレベルは保てますが、組織として考えると同じ年代で選手を固めてしまうと支障も出てくるわけです。

 で補強面ですが、その前に去年の今頃を振り返りましょう。パーラ選手、チアゴ・ビエイラ投手をメジャーから獲得した巨人でしたが、一方で山口俊投手がポスティングにより移籍。FAで狙っていた鈴木大地選手、美馬学投手の獲得に失敗。更には一塁手の外国人選手を狙っていたにも関わらず何らかの理由で獲得できず、結局は38歳の中島宏之選手をファーストレギュラーとして起用する事態になってしまいましたよね。

 2019年、巨人は日本シリーズで4連敗しました。それを受けてのオフだったにも関わらず補強に失敗し、後にシーズン途中でゼラス・ウィーラー選手や高梨雄平投手など効果的な補強をしましたが、オフの時点では完全な失敗に終わったわけですよ。

 それで2020年に優勝し、日本シリーズに行って、また4連敗。敗退直後にもnoteに書きましたが、本当に虚しさしか残らなかった。それというのもやはりオフから失敗してたんですよね。

 そして、2年連続日本シリーズ4連敗を受けての今オフなんですよ。菅野投手がポスティングでメジャー挑戦。狙っていたKBOのメル・ロハスJr.選手を阪神に獲得されたのがちょうど1ヶ月前くらいかと思うのですが、正直その時はかなり病んでましたね(笑)今年もかいと。しかもテレビでは2年連続4連敗が笑い者にされ、他球団の選手からは「うちが出ていた方が勝てた」と言われる始末…。

 ファンとしてこれ以上の屈辱はなかったわけです。

 しかし結果として現在、菅野投手を残留させる事に成功しました。外国人選手も期待できそうなのを2名獲得。FAの梶谷選手も加えて去年より強力な打線を構築できるのではないかと期待を持てます。こういうのが見たかったんですよ。

 若手だってキャッチャーの岸田行倫選手を大城卓三選手と、内野手の北村拓己選手を吉川選手と競争させる事で使う事ができますし、去年頭角を現した松原聖弥選手を4番手外野手として、若林晃弘を内外野できる便利屋として、ベテランの亀井善行選手や中島宏之選手を代打の切り札として、ゼラス・ウィーラー選手を予備外人としてそれぞれ起用する事ができるようになった。

 これこそが理想的なオフの形であって、もちろんシーズン中何が起こるかわかりませんが不測の事態が起こった時でも対応できる戦力を揃える事に成功したわけですね。

 これでやっと今季のペナントレースで勝ち抜ける可能性ができましたし、日本シリーズへ行く為の土俵に立てたと、そう思っております。

 てなわけで、これらを踏まえて今日の本題!

・巨人が日本シリーズで勝つ為にやってほしい事

 もちろん、まずペナントレースに勝たなければ日本シリーズへは行けません。今年はさすがにCSがあるでしょうが、下克上というのもなかなか難しい。

 巨人が大型補強に成功しましたが、阪神タイガースも千葉ロッテマリーンズからチェン・ウェイン投手を、KBOからロハスJr.選手やラウル・アルカンタラ選手の引き抜きに成功し大型補強を成功させた。

 東京ヤクルトスワローズもホセ・オスナ選手やドミンゴ・サンタナ選手というネームバリューのある外人選手を補強したり、何よりFA権を取得していた山田哲人選手ら3人全員の引き留めに成功。更には福岡ソフトバンクホークスで長年主力として活躍した内川聖一選手を獲得するなど、本気度合いのわかるオフにしてました。

 まず優勝できるかという点に於いて現時点ではわかりませんし、レベルの高い競争になるのではないかと予想されます。巨人が優勝する保証はどこにもないわけです。

 しかしそれを全部承知の上で、巨人は打倒日本シリーズで戦ってもらいたい。それはこの2年間、まったく同じようなシーズンを過ごしているからに他なりません。

 僕は巨人に日本一になってほしい!心から、魂の叫びとして想いが溢れ出てきます。子供の頃からの巨人ファンとして、オフにバカにされるチームであってほしくない。もちろん相手がいて初めて成り立つのが野球であって、現在パリーグ、中でもホークスにすべてにおいて負けているのは明白です。覆しようのない事実であります。

 それでも巨人はここまで本気の補強をしてきた。再び日本一への挑戦権を得る為に戦力を揃えてきたわけです。

 正面からぶつかってもホークスに勝てない事はこの2年間で嫌というほど理解できました。だからこそ、今から勝つ為にどうするべきかを考える必要があります。

 僕は一介のファンでございますから、どうこう言ったところでどうしようもないのはわかってます。しかし1人1人、巨人首脳陣、選手からファンに至るまで真剣に考えていく事は意義があると思いますし、ファンという力を持てない存在だからこそ出せる意見もあるんじゃないかと、そう思ってるんです。

 僕から提案させていただくのは2点です。まず1点目がこちら。

・主力の格を下げておく

 いきなり何を言ってるんだと思われた方もおられましょうが(笑)僕は本気です。

 過去2年の日本シリーズを思い出してください。菅野投手は2年連続でホークス打線に攻略されました。坂本勇人選手、丸佳浩選手、岡本和真選手は2年連続で沈黙。この4選手は巨人の誇るコア4だと思ってるんですが、これがまったく通用しなかったわけです。

 去年の日本シリーズ前であれば、まだ主力に期待が持てたんですよ。丸選手に関しては日本シリーズ前のnoteでも書いたとおり活躍しないだろうと思ってましたが、それでも1回負けた後のリベンジとして期待できる部分あったんですね。

 しかし2年連続で完敗したとなると、どうしたって改革が必要になってくる。例えば菅野投手ですが、一昨年は腰の不調もあり4戦目での登板となりましたが去年はエースとして初戦に登板し、そして千賀滉大投手に投げ負けた。申し訳ないですが、今年やっても同じ結果になるでしょう。

 菅野投手は非常に優秀なピッチャーですが、何かがずば抜けて良いというわけではない総合力型の投手です。言ってしまえば同じようなタイプはパリーグにもいるんですよ。ホークスなら東浜巨投手とかもそうですよね。

 一方で千賀投手みたいな投手は、国内では千賀投手しかいません。常時150中盤くらいのストレートを投げられる先発投手ですよ(笑)中継ぎなら巨人にもビエイラ投手とか、阪神のロベルト・スアレス投手がいますが、先発で毎回スアレス投手レベルのピッチングをしてくるようなピッチャーなどセリーグどころかパリーグにもいない。

 リーグ戦だと何回も対戦できるので慣れる事もできますし、調子の悪い時なんかは当社比で遅く見えて打たれるなんて事も起こったのではないかと思いますが、年一か多くても交流戦でしか対戦できない環境では、千賀投手のまっすぐを捉えるのは難しいでしょう。

 つまり千賀投手をセリーグの選手が打つのは難しい一方で、菅野投手をパリーグの選手が打つのはある程度できるわけです。菅野投手は日本シリーズの場で何回投げたとしても何点かは取られるでしょう。巨人がいくら打線を構築しても、千賀投手相手では勝てる見込みが低いという事なんですよ。

 彼をエースとして扱っても良いですが、少なくとも千賀投手と投げ合わせるべきではない。自殺行為にも等しい。ならエンジェル・サンチェス投手や戸郷翔征投手などの完成度としては菅野投手に劣るものの150を超えるストレートを投げられる剛球ピッチャーを初戦に据えるか、そもそも最初から捨てるかして2戦目に菅野投手を投げさせる方が勝てる見込みがあります。

 あるでしょうではなく、「あります」とはっきり言っておきます。

 2013年の東北楽天ゴールデンイーグルスが良い例でしょうね。田中将大投手を2戦目に持ってきたのは日本シリーズ屈指の采配だったと思ってます。1戦目の巨人の先発が楽天キラーの内海哲也投手でありまして、いくら田中投手が抑えても内海投手に抑えられたらまあ意味がないじゃないですか。でも2戦目はルーキーの菅野投手で、圧倒的に田中投手に分があったわけです。

 日本シリーズは4回勝てばいいわけであって、エースを必ず初戦に登板させなければいけない決まりなんかないんですよ。

 野手に関しても同様ですよね。まず丸選手を3番に置くのはやめた方がいい(笑)そりゃリーグ戦では打てますが、彼のタイミングの取り方ではホークス投手陣の150を超えるストレートと鋭い変化球は攻略できません。過去の日本シリーズが証明してますよね。

 ヒッチしてタイミングを取る今の打法でやっている以上、何回やろうと結果は変わりません。これもはっきり書いときますが、変わらないでしょうではなく「変わりません」。

 坂本選手、岡本選手はまだホームランなり引っ張っての長打が見られたので打てるかもしれませんが、丸選手に関しては諦めた方がいいです。と言ってペナントレースに必要不可欠である事も事実なので、ここは思いきって1番打者にしてみるのがいいと思うんですよね。

 丸選手は来年32歳ですがまだまだ脚力がありますし、選球眼はリーグ屈指です。彼はストライクゾーン空振り率が高いなどのデータにもあるように、長いシーズンの中で一定の結果を出す事に特化したスタイルを確立しているのですが、これが日本シリーズだと裏目に出るわけですね。

 ならば1番打者にして日本シリーズでは出塁に特化してもらう。癖のない打法の梶谷選手を3番にする事で分断を防ぎ、得点確率を少しでも上げる。そういう戦略があってもいいと思うんです。上位がどれだけ打てるかというのは大事ですし、厳しい言い方になりますがやっぱ打てない奴を中軸には置けませんよ。

 丸1番なりを日本シリーズでいきなりやるのは難しいですが、シーズン序盤~中盤あたりからやっていけば日本シリーズでもやれる。去年5番に置いたように。菅野投手2戦目先発もそうですが、そういった事をシーズン中からやっておいた方が良いですし、やるべきです。

 続いて2点目。

・外人選手を一年間使い続ける

 外人選手というのはもちろんスモーク、テームズ両選手の事ですね。

 最悪ウィーラー選手に頼っても良いですが、基本的にスタメンには常時外人選手を2人は置いてほしい。

 これは結構前に見たデータなのですが、日本人選手は149km以上のストレートを投げられると捉える確率が格段に悪くなるみたいなんですよ。

 データで見なくとも、さっきも書いたとおり初見で千賀投手を打つのは難しいのは明白であって、2戦目に投げた石川柊太投手に関しても彼なんかは戸郷投手の上位互換みたいなピッチャーなので、やはり初見で打ち崩すのが難しかった。

 それでも中盤には攻略しかけましたが、追撃の口火を切るホームランを放ったのがウィーラー選手でした。

 NPBって、ご存じのとおり外国人枠というのがあるわけです。今はパンデミックの影響で5人まで同時に一軍登録が可能ですが、本来は4人。一軍枠は通常29人で支配下が70人まで。つまりどうしても日本人の占める割合が非常に高くなる特性があるわけじゃないですか。

 同じ民族で、しかも日本人というのは必要以上に責任を背負い込むきらいがある。和製打線の弱点ってそこだと思うんですよね。150以上のストレートと一定レベルの変化球、またはWBCみたく味わった事のない球筋を投げられると途端に沈黙してしまうし、そうなる事で自分で自分を追い込み調子を崩してしまう悪循環に陥る。

 ピッチャーに関しても同じで、例えば13連敗の時菅野投手が打ち込まれたじゃないですか。あれって菅野投手のタイプがパリーグにもいる事での慣れもあったんでしょうが、それに加えて重圧で自滅してしまった面も限りなくあった。

 連敗を止めたピッチャーが誰か覚えてますか?マイルズ・マイコラス投手ですよ。

マイルズ・マイコラス(巨人時代)

 外国人選手って、やっぱ日本人とは違ったメンタリティーを持ってると思うんですよね。みんなが沈黙している中でポカンとホームランを打ったり、連敗を止める好投をしたり。

 無論無責任という事ではないと思うのですが、契約形態もドラフトで若い頃から日本でプレーしている日本人とは根本から違うわけですから、ある程度空気読まずにやれるんじゃないかなと、そう思うわけです。

 それを踏まえてのスモーク、テームズ両選手への期待なんですよ。いろいろ書きましたが現実的には菅野投手が日本シリーズ初戦で投げるでしょうし、丸選手は3番に座るでしょう。そうなった時、ある程度得点力が必要になってくるわけですがそれも下位打線で補わなければいけないわけです。

 原辰徳監督の構想ではスモーク選手を5番、テームズ選手を6番に入れたいようです。これ自体はいいと思います。2人とも脚が遅いようですし、そうなると上位では使いにくい。それに2人とも活躍する可能性はあれど突き抜けた成績にはならないでしょうから、中軸以降でランナーを返す役割に徹してもらった方が良い。

 それにスモーク選手は両打ちなので、去年みたく坂本、岡本選手が塁上を賑わせた後に丸選手に対して嘉弥真新也投手が出てきて打ち取られる…などというしょうもない(笑)場面もなくなります。

 そういう意味での外人選手への期待ですね。もしどちらかがいなくなったとしても、ウィーラー選手を上げればクオリティは多少落ちるでしょうが外人分は補えます。良い意味で空気読めない要員の選手を2人置き、打線の沈黙を防ぐ。そして勝つ確率を少しでも上げる。

 さすがに今の時点では日本シリーズに勝つなどという想像はできませんが、秋頃には少しでも期待を持てるようなチームになっていてほしいですね。

 以上が僕の提案になります。もちろんいろんな考えがあって良いですし、俺はこうだ、私は違う考えだというのがあっても全然構いません。むしろ議論が活発化するのは良い事ですし、人の数だけ主張がある。

 僕も、これを読んでいる巨人ファンのあなたも、もしかしたら巨人ファン以外の方も読んでくれているかもしれませんが、やはり皆様想いは1つ。贔屓チームの優勝と、その先にある日本一という栄冠でしょう。

 それを勝ち取ってもらう為に応援し、議論し、時にはどんな形であれ直接ぶつける。時には暴走したり悪い方向に転がる事もありますが、しかしそれがファンとしての健全な形であり、応援する上での醍醐味なのかなあと、そう思っております。

 という事で今回はここで終わりにさせていただきたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。今年も引き続きプロ野球がどうなっていくのかわかりませんが、熱い戦いとその先にある勝利を期待しております。

 それでは皆様、風邪などには十分注意してお過ごしください。

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