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サンシタGO―ニンジャスレイヤーに全員殺されるTRPG―


ニンジャになってみたいと思ったことはないだろうか?

そして散々調子に乗ったあと、無残にもニンジャスレイヤーに殺されてみたいと思ったことはないだろうか?無様な命乞いをしてみたいと思わないだろうか?顧みられることのないサンシタ、その人生を味わってみたいと思わないだろうか?その花火めいた一瞬の詩情を、感じ取りたくはないだろうか?一度くらいはあるだろう!そんな方、おめでとう!このTRPGはその夢を叶える!

さあ、はやくニンジャしよう!


○用意するもの

・6面ダイス(複数あると便利)

・キャラクターシート

・紙とペン(とにかくメモできるもの)

・ニンジャヘッズ(みんな仲良くネ!)

・お酒やつまみ(お酒は二十歳から)

コロナビールとドリトスを傍らにニンジャするのはとても良い

これであなたは楽しい気分になる

※TRPGって何?

お遊戯会とか学芸会みたいなものだと思ってください。

すくなくともこのゲームはそんな感じです。

ロールプレイという名のごっこ遊びをします。

これをニンジャセッションと称し、みんなで楽しむのがこのゲームです。

それと、申し訳ございませんが、TRPGがどういうものかわかっている人向けに、このテキストは書かれています。少しよくわからないところがあるかもしれません。お手数ですが、そういう方は別途投稿するリプレイを眺めてみたり、インターネットを検索したりしてみてください。


○ゲーム概要

このゲームはとてもシンプルだ。

プレイヤーはサンシタとなり、悪逆非道の限りをつくす。そしてニンジャスレイヤーに殺される。以上だ。そのごっこ遊びだけでこのゲームは成立する。

もう少し詳しく説明しよう。

ニンジャスレイヤーはニンジャが出てきてニンジャを殺す作品だ。必ずといえるわけではないが、多くの作品はニンジャが出てきてニンジャを殺す。ことに、ニンジャスレイヤーのニンジャ殺害数は膨大だ。そして、その中には膨大でアイサツすらマトモにできず爆発四散していったものも少なくない。彼らの活躍ぶりと言えば、せいぜいワンツイートかそこらだ。そうしたニンジャたちはサンシタと呼ばれる。アノマロカリス=サンとかだ。こういうサンシタとなり、最後にニンジャスレイヤーに殺されるのがこのゲームの最終到達地点だ。


○ゲームの進行

このゲームは起承忍殺に沿って運営されるのが望ましい。

起…ことのはじまり。ニンジャが暴虐を始める。

承…ことのしだい。ニンジャが人生の絶頂を迎える。

忍…殺戮者のエントリーだ!

殺…アバーッ!サヨナラ!

以上のようなサイクルだ。

特にシステムとしてパート分けをする必要はないのだが、念頭に置いておくと良い。

GMはこれを踏まえてシナリオを書き、PLに提示していくと良い。シンプルなものでかまわない。地の文をきっちりと書き込んでおいて、アトモスフィアを作り出せれば突っ込みどころの多くても問題ない。むしろ理想的だ。とにかく、PLたちが悪事に走りやすいようなお膳立てをしてやると良いだろう。誘拐、金、セックス、暴力、ドラッグは極めて重要な小道具となる。あとはそれなりに短いことが大事だ。刹那を楽しもう。

あとは時代と場所をなんとなく決めておくと良い。一部か、二部か、とかネオサイタマなのか、はたまたガイオンなのかというのはけっこう大事なことだ。

デイオブザロブスターはこのゲームのシナリオとしては模範的だと言える。


○奥ゆかしさ

このゲームはニンジャスレイヤーに殺されるまでの刹那的サンシタ人生を楽しむゲームである。しかし、同時にこのゲームは一つの競技的性格も持っている。

このゲームでは、プレイヤーの適切な行動に対してGMから“アワレ”というポイントの付与がある。そして、自分のPCが死ぬまでに獲得したアワレと他のPCが獲得したアワレを比べ、順位をつけるのである。アワレの獲得、これがこのゲームのもう一つの目的だ。ではどうすればアワレを獲得できるのか?

ニンジャスレイヤーの世界観に即した行動、サンシタじみた行動、小物らしさの露呈、いかにも死にそうな言動をするのだ。モータルを散々いたぶっておいて、命乞いをしたり、挙句に自分はニンジャの中でも比較的邪悪でない、とか言ってみたりするのだ。大変にアワレだろう。あるいは、死に瀕した際にZBRを注入するのもアワレだ。ニンジャスレイヤーの世界に即している。電気ビリビリや火炎放射も素晴らしくアワレだ。

あとは、単純に面白いと思った行動にアワレを付与してもよい。

GMからアワレの付与を宣言されたら、Nd6のアワレを加算できる。(Nの値はGMがその行動に応じて臨機応変かつ決断的に判断する)

と、上記のような行動によってアワレを獲得していくのだが、なにもアワレを付与するのはGMだけではない。PLがPLにアワレを付与することもできる。あるPCの行動にアワレを感じたのであれば、宣言することでアワレを付与できる。もちろん自身のポイントが減ることはない。GMがするのと同じように付与できる。ただし条件がある。PLがPLにアワレを付与する際、1d6アワレの付与が限度となっている。

*(議論の別れるところではあるが、ニンジャだけにとらわれずにアクション映画、カンフー、スプラッタ、ホラー、カートゥーンなど様々なエッセンスを取り入れてみるのもまた面白い。ニンジャスレイヤーにも多くのオマージュ元がある。ただまあ、そのあたりは場のノリとGMの好みだ。察していこう。)


○キャラの作成

ゲームを始めるにあたって、PLは自身の分身となるキャラを作る必要がある。これをプレイヤーキャラクター(以下PC)と呼ぶ。PC作成は以下の数値を決定することで行う。

【カラテ】 【ジツ】 【 運】 【ハッキング】

この四項目が、サイコロを振ることで決定される。数字が大きければ大きいほどその能力が強いということになる。それぞれ5d6ずつ振ろう。でも振り直しはしなくていい。この能力値は、特に使わない。

キャラシートに書くことはだいたいこの4つとニンジャネームていどだ。

ただ、PLにはして欲しいことがある。4つの項目から、自分のニンジャがどういうニンジャであるか想像して欲しい。どんなカラテを振るうのか?ジツを使うか?どんなジツを使うのか?どんな武器を使うのか?どんな性格か?どんな見た目か?いったいどんなオリジンを持っているのか?

できることなら、自分の作ったサンシタニンジャに愛着を持ってほしい。

そしてキャラシートには無駄に凝った絵を描いたり、無駄に凝った設定を書き付けたりしてみて欲しい。すると一時間か二時間か、とにかくそれなりの時間と苦労をかけたプレイヤーのニンジャは、セッションを始めてものの20分もしないうちに爆発四散する。そうして盛大に笑ってやるのだ。オタッシャデ!

モノノアワレとジョーシャヒッスイを感じよう。


○行為判定

キャラシートにいろいろ能力が書いてあるかと思うが、それを使う必要も難しい計算をする必要もないから安心して欲しい。ニンジャは半神的存在である。よって、モータルに対する判定は自動成功とする。また、ニンジャスレイヤーが行うすべての判定は全て自動成功である。サンシタがニンジャスレイヤーのワザマエに足元ほどでも及ぶはずはないのだ。当然、PCのニンジャスレイヤーに対する行動はすべて自動失敗だ。

もし何かそれ以外で判定をする必要があるのならダイスを振って3以下なら失敗、4以上なら成功ということにする。


○音楽

ニューウェーブ、ダンスミュージック、オルタナティブ・ロックやアニメイシヨンのコンピなどかければ、アトモスフィアが満ちて大変にタノシイだろう。推奨したい。

殺戮者のエントリーとともにナラクウィズインをかけるのも大変にタノシイだ。


○最後に

このゲームの最大の目的は競技に勝つことではない。ニンジャとパルプじみた空気を味わい楽しみ、ネオサイタマの重金属酸性雨をその身に受け、ZBR煙草をふかし、瞼にチラつくネオサイタマのネオンをその目に見ることがこのゲームの目的である。そういったニンジャなアトモスフィアが一番の大切だ。

しかし、なによりも大事なことがある。ゲームの参加者全員がタノシイを共有することである。これができればこのゲームは他に何も要求しない。このゲームを遊んで楽しいと思えるならば製作者もこの上ない幸せである。どうかコトダマと、そしてタノシイに包まれてあれ……。

注意

このTRPGはアメリカ合衆国の小説家、ブラッドレー・ボンド=サンとフィリップ・モーゼス=サンの作品、ニンジャスレイヤーをどうしようもないほどに愛し、またその作品世界に引きこまれてやまない人間、いわゆるニンジャヘッズに向けたものであり、またそのいちヘッズが愛のあまり作成したものである。ニンジャスレイヤーというコンテンツの著作権や商業的利益を損ねたり、風評を害したりする意図はない。

また、本TRPGのルールテキストの著作権はニンジャ研究所に属するが、商用利用しない限り自由に使って良い。

あと、ちょっと改変したりするとアーノルド・シュワルツェネッガーに全員殺されるTRPGとか、ジェイソン・ステイサムの殺戮TRPGとかにできるので、そういう遊び方をしても良い。ミームを広めていこう。

作成者:ニンジャ研究所(@ninstitute_)

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