「人事制度に興味がなかった」というお話

ど田舎から、こんにちは。メーカー人参🥕です。

2つ目の記事にして、現役の人事が書くには「なんだこれ?」というテーマですが、今回はこちらについて書いてみたいと思います。なお、今は人事ですので人事制度に興味津々、やる気満々です。(何に対してのやる気?)
*本記事内の「人事制度」は等級・評価・賃金制度を主に想定しています。
*個別の賃金等、処遇に関しては事情が異なるかと思います。


自己紹介に記載のように、これまで人事以外のバラバラな職種を経験してきました。

そんな中、1社目:サービス員、2社目:営業の時には、人事制度についてこんな風に思っていました。

■人事制度に関する当時の考え

【1社目】サービス員 時代
「人事制度?何ですか、それ?新入社員研修の時にも聞いた記憶ないんですけど。(もし説明されていたとしたら当時の教育担当の方、すいません)就業規則なんて見たこともないですし、ウチにあるんですか?(1,000名規模なので無い訳がない)それよりお客様がお越しになられましたので。『いらっしゃいませー』」

【2社目】営業 時代
「人事制度?あー、なんか来年から変わるらしいですね。よく分かりませんが、とりあえず年収上がるみたいなんで良いんじゃないんですか。あと、仕組みは知りませんが目標を達成すれば、給料とかボーナスが増えるとか。まぁ、これまでと変わらず、目標達成のために今日もお客様に提案に行ってきます!」

というような感じで、人事制度に全くといっていいほど興味がありませんでした。「だって、ちゃんと仕事して、成果を出していれば会社も悪くはしないでしょ?」と純真無垢な子供の様に考えていました。(単なるおめでたい人だったのかも知れませんが)

■人事制度に興味を持っている人、持っていない人

上記はあくまで私自身の経験ですが、程度の差こそあれ、人事や一部の管理職・経営以外は、おおよそこのような感じで人事制度に興味を持っていないことのほうが多いのではないかと思います。

そりゃそうですよ。
だいたいにおいて人事制度は複雑で、人事制度全体における現在の自分に関係することはごく一部だし、説明を受けるのは入社したての際など会社のことがまだよく分からない時だけだったりするわけで。第一、自分の業務には直接には関係がない(ように思える)んだから。

また、経営者や役員、一部の管理職は人事制度への関心が比較的高いように思えますが、その理解の程度については十分でないと感じることもまま(多々?)あります。
つまり、興味の程度に差こそあれ、人事制度の理解については、人事部以外は基本的に十分ではないことのほうが多い。

人事制度に関わる者として、書いていてなんだか虚しくなってしまいますが...

「じゃあ、社員が人事制度を理解するにはどうすればいいの?お前はどうしたいの?」という声が聞こえてきそうですが、それは質問される方が既にお考えの様に
・(制度策定時点において)分かりやすいシンプルな制度にする
・経営理念/経営目標/人事理念等との関係性を示しながら都度説明する
・特に、評価を実践する管理職への説明を重点的に行う  等
手を替え品を替え、何度も説明するということしかないのかなと思います。
それでも、皆が理解しているという状態に至ることは稀かと思います。
一方、人事としては、人事制度の理解を広めることは自社が求める人材の創出のため、ひいては経営理念実現のためにも重要なことであるため、諦めるわけにはいきません。

■人事制度に興味がある、というマイノリティー

出来ることは、我々人事にとっては日々接する身近なものですが、多くの社員にとっては「人事制度は興味を持ちにくく、なんだかよくわからないものであり」かつ「そのように思うことのほうが普通」ということを忘れずに、理解を広めるために愚直に取り組むこと。それが大切なんだと思っています。
そもそも人事である我々も、初めて自社の人事制度を見た時に「なんだこれ?分かりにくい。」と思ったことでしょうから。(シンプルで分かりやすい制度にできれば、それが一番なんですけどね...)

人事制度の狙いやその仕組みを知っている人は社内ではマイナーであり、知らないほうがメジャーである。であるからこそ、人事はその狙いも含めて人事制度を正しく理解し、運用し、広めなければならない。そうすることで、制度に少しでも興味を持ってくれる人が増えれば、それが経営理念実現に近づくことにもつながるのかなー、と思っています。


今にして思えば、後学のためにも1社目、2社目の人事制度について「もっと知っておけばよかったなー」とも思いますが、まぁ、当時は「人事制度に興味がない」”メジャー”な社員であったのですから、仕方ないですね。

(もし「ウチの会社は人事制度を社員みんながしっかり理解している。ここに書いていることはおかしい!」と思われた方は、社員みなさんの姿勢や経営、人事の方々の努力と工夫の賜物かと思いますので、どのようにやっていらっしゃるのか、ぜひ共有いただければと思います。)



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