【映画】遠い空の向こうに

映画「遠い空の向こうに」を拝見した。とても面白かった。炭鉱の町の少年たちがロケットを打ち上げることを目指す物語。炭鉱で働くのが当然であると思いこんでいる父親世代と、そんな町から抜け出してロケットを飛ばしたいと願う主人公たちの双方の対立と和解の流れが好きだった。以下、ネタバレとともに雑多な感想。

・主人公がロケットを飛ばしたいと思うきっかけになったのは、ソ連が飛ばした人工衛星を見たことにある。冷戦下において敵対する両国であったが、敵のものでも良いものは良いというフェアな感情から、主人公がロケットに熱中していったという流れは良いなと思った。

・主人公は炭鉱の町で暮らしているが、ネットのない当時において、主人公の生活・世界は町の中で完結してしまう。そんななか、外国が飛ばした人工衛星が町の空に現れるというのは今と比べても衝撃が大きかったのだと思う。みんなが同じ月を見ているように、ロケットを打ち上げればみなが同じくそのロケットを見ることとなる。閉ざされた世界にて暮らしていたからこそ、世界を超越するスケールの大きな存在としてのロケットが主人公にとって興味深く見えたのだと思った。

・一方で、炭鉱の町で暮らす父親にとっては息子が炭鉱で働くのが当然であり、ロケットづくりにいそしむ主人公を素直に応援することができない。先祖代々続いてきた旅館の息子が急にロケットを作りたいと言い出したとしてその挑戦を素直に応援できるかというと難しい所で、いっそ息子に才能がなかったらお互いに諦めがつくのにとひどい願いをしてしまうかもしれない。それでも最終的には和解し応援する関係性になってよかったと思う。

・最終的に主人公がロケットを飛ばすシーンにおいては、それぞれの場所にいる主人公の関係者が同じロケットの軌道を見つめているというシーンがあり、そのシーンに心動いた。

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本を読んだり映画を見たり美術館に行ったりしています。
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