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君は素敵だ、みすゞ飴

みすゞ飴というお菓子を知っているだろうか。 

上田城で有名な長野県上田市にある老舗、飯島商店が作っている銘菓だ。 

形は直方体でゼリー状。味ごとに異なる鮮やかながら自然な色合い。もにゅっ、ねとっ、とした食感。優しい甘みと果物本来の香り。素朴ながら丁寧に作られたお菓子だ。値段も高すぎず安すぎずちょうどいい。上田土産にするには最適である。 

だが、職場に土産として持って行った時の反応は今ひとつだった。みすゞ飴を過去に何度も食べたことがある先輩からも「そりゃ受けないだろうな」という趣旨のことをいわれた。 

見た目の美しさと自然本来の味と香りが魅力的で、適度な高級感もあるみすゞ飴。それなのになぜみすゞ飴は受けないのか。 

少し調べてみると、みすゞ飴のだめなところをこれでもかと並べ立てて語っているサイトを発見してしまった。 

https://misuzuame.com/sp/ame/ame2.php

誰であろう、みすゞ飴を作っている飯島商店自身の公式サイトである。自社の看板商品みすゞ飴の嫌われがちな部分を事細かに書いているので少し引用したい。

みすゞ飴は今も昔も、たくさんのファンの方に支え続けていただいております。
一方、残念なことですが、『みすゞ飴』とインターネット検索すると「美味しくない」などのネガティブなキーワードもサジェストで出て来ます。

老舗ながら、エゴサーチしてネガティブなキーワードが出てくることを気にするという今時な一面もあるようだ。


みすゞ飴の美味しさは、香料、着色料などの添加物を使用していないところにあります。

そう、添加物や人工的な香料、着色料を使わない自然な仕上がりがみすゞ飴の魅力だ。

みすゞ飴のポリシーにはご賛同いただけても、みすゞ飴がお口に合わない方という方もいらっしゃるかと思います。
弊社ではみすゞ飴以外にも、果物のお菓子を各種作っていますので、そちらもぜひお試しください。

力強く魅力を語った直後に「口に合わない方は……」と別の商品を提案。大丈夫。大丈夫だからもっと自信を持ってほしい。 

そういった方は、板オブラートを使っていない「みすゞあられ」という製品がございますので、そちらをぜひお試しください。

そう、みすゞあられはオブラートを使っていない。半生なのでみすゞ飴より賞味期限は心許ないが、やわらかい食感と、みすゞ飴よりも小さくころころした外見がかわいらしい一品だ。

みすゞ飴は日持ちをさせるために乾燥しています。これにより果物の味がドライフルーツのように濃縮されて、独特の濃厚な味と食感になるのです。
ですが、この濃縮された風味や食感が苦手な方もいらっしゃるかもしれません。

みすゞ飴最大の魅力でありアイデンティティである果物本来の味と香りと食感を「苦手な方もいらっしゃるかも」と語る公式。 

オブラートはデンプンからできた薄い膜で、100年以上の歴史ある日本独自の食品です。みすゞ飴の表面を覆って、ベタつきを防ぐ役割をしています。
ただ、その独特のパリっとした食感か、もしくは薄いビニール膜のような見た目が苦手、という方もいらっしゃるかもしれません。
みすゞ飴に使用している水飴は、品質の安定に役立つとともに独特な濃厚感を演出しています。
しかし、このねっとり感が苦手、もっとフレッシュジュースに近い果汁感のあるゼリーがお好みの方もいらっしゃるかも知れません。

嫌われる理由を列挙しすぎて、あこがれの人がふり向いてくれない理由をあれこれ探して思い悩む自意識過剰な乙女みたいになっている。

そもそもゼリーが嫌い、という方にはジャムもございます。
そういった方には、ペクチン添加なしで昔ながらの製法をしている「四季のジャム」はいかがでしょうか?

ゼリーが嫌いなやつなんてもう放っておけばいいだろ!お前のいいところに気づかないやつをいつまでも追いかけて悩むなんてお前――もったいない――お前は、お前はこんなに素敵なのに。お前のいいところは俺が一番よく知ってる、……だから、もうみすゞ飴をまずいとかいうやつのことは捨てて、……俺の、俺のところにこいよ! 

というような台詞を吐きつつみすゞ飴に壁ドンしたくなってしまう。

最後はよく分からないテンションになってしまったが、少なくとも私はみすゞ飴はきれいだしおいしいと思っているので、上田を訪れた方はぜひ買ってみてほしい。

#旅行  #上田 #ラブレター

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