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#にく﨑プロジェクトの始動。焼肉を成功させる秘訣とは?

2022年3月18日、銀座 千利の跡地に〈銀座焼肉 にく﨑〉がオープンする。牛牛、焼肉 BULLSなどの立ち上げに携わった、岩﨑けんしろう氏を全面監修に迎え、「大人の通う焼肉」を目指してプロジェクトが始まった。多角的に事業を展開する親会社である株式会社ベルーナの新たな挑戦を担う、事業責任者の原田研一は今何を思うのか。にく﨑誕生を振り返る。

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原田研一 / Kenichi Harada
にく﨑プロジェクト事業責任者
にく﨑の他にも銀座のステーキなど、数店舗を展開

「模倣するだけでは」

― まず、にく﨑プロジェクトを立ち上げた経緯を教えて頂けますか?

原田:はい。2019年に銀座千利として当社で初めて、焼肉事業を立ち上げました。もちろん、一生懸命取り組んでいたつもりなのですが、コロナが直撃したこともあり、思うようにお客様に来て頂けない日々が続きました。

― コロナ前までは順調だった?

原田:いえ、実を言うと、コロナ前から伸び悩んでいました。銀座の地ということもあり、インバウンドの獲得でなんとか繋いでいた部分もあったのですが、今思うと、コロナ以外にも改善しなければならない点があったのだと思います。

― 例えば、どんな部分ですか?

原田:叙々苑さん(株式会社 叙々苑)のような、誰もが知っている高級焼肉店を目指していました。模倣しようとしたのですが、やり方を間違えました。銀座の地で、内装をお洒落に作り、良質なお肉を提供すれば勝手にお客様は来るだろうと思っていたんです。

― それが甘かった?

原田:はい。高価格な和牛を買い、捌いてお客様に提供するだけでは、良質なお肉を提供しているとは言えませんでした。その後、メニューをフルリニューアルし、A5の和牛を一頭買いし、リーズナブルな価格で提供する路線に変更したのですが、それもうまくいかなかった。今思うと、本気で焼肉に向き合い、こだわることができていなかったのだと思います。

― それがリニューアルに繋がる?

原田:はい。思い悩んでいるなか、知り合いの紹介で岩﨑さんと出会いました。岩﨑さんの料理へのこだわりや、仕事の考え方にすぐに惚れ込み、彼と新しい店をつくりたいと思いました。

― 具体的にどんなこだわりや考え方でしたか?

原田:一番に感じたのは、いかに仕入れ、カットし、どう提供すれば美味しくなるのかという追求が素晴らしい。焼肉ってこんなにも奥が深いのかと驚嘆させられました。単純な料理ではなく、繊細かつ深い。それにもちろん、実績も凄い。考え方は、一緒に働く従業員のこと。休みをしっかり回して負荷を減らし、その分クオリティの高い仕事を行う。飲食事業の従業員を預かる事業責任者の私としてはとても共感しました。

― 岩﨑氏とリニューアルに取り組み、千利の時は何が不足していたと感じましたか?

原田:料理の品質やクオリティが完全に負けていました。一頭買いをうまく活用できていなかった。焼肉屋で牛一頭を使い切るにはとても技術や経験が必要なんです。それも今回学んだことですが。肉質の状態、カット、調理など、最高の状態でお客様にご提供できていなかったのだと思いました。

― リニューアルするに当たって、どんな気持ちが湧きましたか?

原田:まず最初に思ったのは、日々頑張ってくれている店舗のメンバーに今回のリニューアルの趣旨を説明し、理解を得ることが重要だと。店名やメニューが変わり、ゼロから店舗を作るということは、ある種今までのやり方を否定することになります。ただ、決してそうではなく、岩﨑さんのお力を借りて、メンバーみんなでチームにく﨑として作り上げていくんだ、と私が全員の士気を上げる必要があると。

― 反応はどうでしたか?

原田:最初は戸惑いがありました。いきなり、外部から人が入り全てを変えるって、許容すること自体が難しいですよね。だから、私が一人一人に丁寧に説明しなければならない。それが役目ですから。幸いにも、みんな前向きに受け止めてくれました。最高のメンバーに恵まれてます。今回、コンセプトに沿って内装を変更し、料理も変えました。店舗が出来上がってくるにつれて、メンバーも顔付きが変わっていくのを見ると、やってよかったな。と今は今後の展開にワクワクしています。

「そうだ にく﨑、行こう」

― 今後、にく﨑をどのようなお店にしたいですか?

原田:「そうだ にく﨑、行こう」というメッセージを掲げました。にく﨑「が」いい、のでは無く、にく﨑「で」よかった。このワードはクリエイティブディレクターとして参加して頂いた藤田さんが発案した物ですが、このコンセプトを守り、料理が美味しく、居心地のよい店舗を目指します。そして、お客様はもちろん、店舗のメンバーも満足できるお店作り。これが私の仕事です。

― にく﨑をどんなブランドに育てたいですか?

原田:難しい質問ですね。まだ始まったばかりですので。例えば、銀座のステーキであれば、鉄板があり、シェフズテーブルスタイルで、お客様の目の前で調理する。パフォーマンスの得意な料理人たちが躍動する活気のあるお店が自慢です。にく﨑がどんな色に染まっていくのか、どう成長していくのか、また答えが出た時にお話しさせて頂きたいです。

― 今後の目標と展開のヴィジョンを教えてください。

原田:はい。目標ですが、岩﨑さんのお力添えを頂いてリニューアルした、にく﨑をたくさんの人に知ってもらいたいですね。体感して欲しいです。また、親会社がベルーナ(株式会社 ベルーナ)という多角的に事業を展開している会社ですので、他の事業部に負けないような数字的インパクトを残したいですね。そのためには、いいお店を作って、沢山のお客様にご来店して頂かなければなりません。
ヴィジョンですが、焼肉はみんなが好きなので、複数の店舗を展開していけると考えています。大人が通う焼肉でありたいので、東京でいうと恵比寿や代官山、表参道など。海外からも人が集まる場所がいいですね。また、銀座のステーキは「銀座から世界へ」というメッセージを持ち発信しました。その「世界へ」というアイデンティティはにく﨑にも引き継ぎたい。和牛の美味しさは世界に誇れる日本の財産なので、「YAKINIKU」で世界を幸せにしたいですね。

― とても良いお話を聞けました。ありがとうございました。

〈編集〉:藤田大介
〈撮影〉:中川真也

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