メカチェで1折全ボツ。周囲に迷惑かけて大失敗した話:その1
もう時効だろうということで。「スーパーロボット大戦α パーフェクトガイド」製作時のやらかし。
「何かオリジナルの企画やりましょう!」
これは、ソフトバンクパブリッシング刊(現SBクリエイティブ)「スーパーロボット大戦α パーフェクトガイド」の制作過程でのできごとである。
今では考えられないかもしれないが、当時のスパロボ攻略本は出版社の縛りがなく、解禁日になると数社から一斉に出て本屋の棚を賑やかしていた(今で言うぶつ森みたいな感じ)。今回紹介する、スパロボαにおいてもそのご多分に漏れずで、出版各社はしのぎを削りあっていたものである。
ユーザーに手にとってもらえる本にするためには独自要素が必要となる。各社は工夫をこらして差別化を図り、その結果それぞれの色が出るようになった。ウィットに富んだケイブンシャ、攻略だけにとどまらない情報が充実していた双葉社、本誌の攻略には敵わないが時々ぶっ飛んだ企画を行う電撃……私が制作に加わっていた当時のソフトバンクは、その中においては中庸なイメージであったと思う。極めて普通然とした攻略本を出し、特徴がないのが特徴。そんな評判も聞くことも珍しくなかった。
「何かオリジナルの企画やりましょう!」とソフトバンクの編集者が息巻いていたのはそんな事情もあったのだろう。
そのときの私は20代前半と若く怖いもの知らず(無知)だったので、それに図々しくのっかってしまう。そして、ちょっとやってみたいなーくらいに思っていた「毒のある用語辞典」を提案したらすんなり企画が通ってしまい、気づいたら私がライターを務めて16ページ書くことになっていた。終わりの始まりとはまさにこのことである。誰か止めてやれ……!
若さと馬鹿さを履き違えた若者の末路
「毒のある用語辞典」とは何かといえば、ゲーム内に出てくる用語を面白おかしく紹介していく企画だった。テイスト的には第4次スーパーロボット大戦のゲーム内図鑑・辞典のそれに近い。実用的なものではなく、読んで笑えるものを目指したものの、知識やスキル、語彙力がなかったことから痛いオタクの主観に成り下がり、さらには若さと馬鹿さを履き違えて勢いだけで書いた挙げ句それはもう筆が滑りに滑りまくってしまった。
その結果どうなったか。
初稿後のメーカーチェックでサンライズの担当から「商業誌でこれはちょっと……」とオブラートに包まれた大人の表現ながらも大いに怒られ、「毒のある用語辞典」は協議の結果1折まるまる全ボツ。
リカバリーとして半折はなんとか別企画で埋めたものの、残りの半折はどうにもしがたく、総ページ数が土壇場で8ページ少なくなるという事態を引き起こしてしまうことに。今思えば、とんでもないことをやったもんだが、当時は「これくらいしないと差別化にならないのに」などと悪態をついていたのだから恐ろしいものだ。ホントあのときはすみませんでした。
今回の反省点は……
若さと馬鹿さを履き違えるな(勢いでいくな)
この一点に尽きるだろうか。皆様におかれましても、「勢い」はだいたいろくな結果をうまないので、くれぐれもお気をつけいただきたい。
今回の大失敗話はこれで終了だが、件の用語辞典のオリジンがこの都度発掘されたので、次回はその2としていくつか抜粋して紹介したいかと思う。改めて読んでみたら相当ひどく、ボツになって当然の内容だったわ……。
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