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慟哭響き渡る手作りゼリー

プルンと弾力があって、口に入れると甘さが広がって、するするっと食べられてしまう、魅惑の存在であるゼリー。ニッコリの三歳児と一歳児のスタッフたちも大好物です。

じとじととした梅雨の、湿っぽい天気が続くある日、もらってきたフリーペーパーの特集ページを眺めていた三歳児スタッフが言いました。

「ゼリー作りたい!」

三歳児が見ていたのは、栃木で配布されている、子育てに役立つ記事が多いフリーペーパークルールの8月号。

その中のゼリー特集でした。

「わたし、これがいい」

そう言って指差していたのは、マリン&ビーチゼリーという、ブルーハワイの青とカルピスの白で作る二層ゼリー。

うーん、こうしてカラフルなゼリーがたくさん並んでいるのを見ると、このじめじめ感を吹き飛ばしてくれる爽やかさがある……。おしゃれだしステキじゃん……。

なにを隠そうこの仲之、ふだんからめんどくさがりでテキトウ人間なため、材料をきっちり計らねばならないゼリーはふだん手作りを避けていたのですが(前にレシピを適当にしか見ず「なんとかなるべ」で作った結果、まったく固まらず、残念な結果に終わった)、ここは一つ重い腰を上げることにしました。


と言うわけで週末、ゼリー作りをしました。

ツイッターだとスマートに報告していますが、阿鼻叫喚タイムのスタートです。

(おいしいレシピは、ぜひクルールの特集ページでご確認ください。綺麗なゼリーがたくさん載っていて、見ているだけで癒しです)

レシピは記事にちゃんと書いてあったのですが、ざっくりしか確認していなかった仲之。まず、ゼラチンを2つのお皿に一袋ずつ開けました。最近、三歳児スタッフがお菓子作りをしていると、一歳児スタッフも「やりたいーっ!」とばかりに騒ぎ出すので、二人同時並行的に作業を進めるためです。 

三歳児のゼラチンにはカルピスの原液、一歳児の方には「ブルーハワイのシロップ買っても今後ほとんど使わないし……別ので良いか」と代わりに購入した、ぶどう味のジュースを投入します。

冷えた液体を混ぜたため、当然ぐちゃりと固まるゼラチン。いかにも「あれ?」っという表情をするちびっこスタッフたち。大丈夫、まだ焦る時間じゃない。そっとケトルでお湯を沸かし、少しずつ両方の皿に加えると、無事ゆるまりました。

カルピスはお湯が少なかったらしく、すぐ冷めたのか、混ぜているうちに液状からなんだかでろんとしたゲル状になってきました。「ぐちゃぐちゃしてるー!」と嬉しそうな三歳児。

対して、完全にただの液体と化したものをひたすら混ぜ続ける一歳児。かと思いきや、スプーンですくって飲もうとする一歳児。

慌てて、「器に入れかえようかー」と声をかけ、戸棚をがさごそ。どうせなら、特集ページの見本みたいにおしゃれにしたい! と、良い感じの器を探します。探します……が。悲しいことに、「良い感じの器」というものがそもそも我が家にはなかったことに気づきました。

無い袖は振れないので、子ども用のコップを出して「ここに入れてー」と話します。

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スプーンでカルピス(ゲル状)を移しはじめる三歳児。それを真似して、小さいスプーンで自分のコップに液体を移そうとする一歳児。全然すくえない一歳児。結局、また自分で飲もうとする一歳児。止められて怒る一歳児。マイペースにカルピスをすくい終える三歳児。

結局、もう一つのコップにもカルピスを入れてもらい、ぶどうの方は別の平たい器で冷やすことに。

そして、別の器に入れたぶどうゼリー(液状)を冷蔵庫に入れようとした途端。

「うわぁぁぁああっ!!!!!」

叫びまくり、手を伸ばしてくる一歳児。

「ごめんね。まだ混ぜたいよね。でも、冷やさないとできあがらないから……」

「ぁああああああぁぁぁあッ!!!!」

「だから、冷えるまでここに入れとくんだよ。大丈夫、あとで食べられるから……」

「びぁあああああああああぁぁぁあっ!!!!」

「……」(無言で冷蔵庫を閉める)

「うわぁぁぁああんんんんんんんっ!!!!」

そうして泣き叫んだ挙げ句、もうゼリーを混ぜ続けることができないと悟ると、何故か炊飯器の横まで駆けていき、隙間に顔を埋めながらますます大きな声で泣き叫び続けます。阿鼻叫喚。

カルピスのゼリーに対して、ぶどうゼリーの方が完全な液体だったため、レシピをろくに守っていないこともあり、本当に固まるのか不安しかありませんでしたが、信じて待ち続けるしかありません。

三歳児は「もう冷えたー? かたまったー?」と何度も訊いてきます。もちろん、数十秒単位で固まるわけもなく、「もうちょっと待っててね」と何度も言い聞かせます。

泣き叫んでいた一歳児はバナナで買収し、なんとか無事泣き止んでもらいました。

そして一時間後。

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無事固まり、完成したゼリー。

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カルピスゼリーに、ちゃんと固まってくれていたぶどうゼリーを砕きつつかけ、二色ゼリーの完成です。色がブルーハワイと違いすぎて、「マリン」感は皆無ですが。

三歳児と一歳児に「できたよー」と報告すると、二人そろって喜びながらどたどたやってきました。(ちなみに、仕上げの「ぶどうゼリーをかける」作業は、三歳児を誘ってみましたが「ママ、やっておいてー」と別の遊びに熱中していて断られていました。)

「いただきまーす!」

元気よく手を合わせ、食べ始めます。

一歳児は、ぶどうゼリーもカルピスゼリーもぺろり。もっと食べたい!とばかりに「んーっ! んーっ!」と、おかわりを要求してきます。「もうないから、あとでまた作ろうね」となんとかなだめていると、横で食べていた三歳児も「ごちそうさまー」……って、あなたはぶどう部分だけ完食して、自分が作ったカルピス部分は残すのね。

食べることより作ることが大好きな三歳児スタッフが、「つぎは、ぱぴおかゼリーをつくりたいなぁ」とにこにこ言いました。

ぱぴおか……あぁ、タピオカゼリーも、確かに特集ページに載っていたね。生クリームがのっていて、美味しそうだったね。

そんな受け答えをしつつ、きっとまた、めちゃくちゃ激しく泣くんだろうなぁ……と、三歳児が残したカルピスゼリーをここぞとばかりにバクバク食べている一歳児を見ながら思います。

まぁ、でも楽しかったみたいだし、ゼリーを作ること自体は思ったより簡単だったし。気が向いたらまた作ろうかね、と考えつつ。そっと一口分けてもらったカルピスゼリーを食べながら、そのかなり濃いぃ味に、「次はちゃんとレシピを守ろう」としみじみ心に誓ったのでした。

今回の反省点

・良い感じの器を一組くらい持っておくと、ちょっとテンション上がる。
・一歳児が泣き叫ぶことは事前に覚悟しておく。(別に気をそらせるものを用意しておくと良い)
・レシピちゃんと見る。

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