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清く貧しく美しくを読んで

あらすじ

この冷たい世界に怯みそうになっても、二人でいれば大丈夫。だけど、荒れ狂う嵐の夜は、ある日突然にやってくる。30歳・ネット通販大手の倉庫で働く非正規のぼくと、スーパーでパートをする28歳の彼女。自分がいかにダメな人間か、いつも思い知らされている。それでもぼくたち二人は、お互いをちゃんとほめあい、守り合って生きていこうと決めた。そんな日々がずっと続くと信じていた――。恋愛小説の名手が描く、現代の切実な恋の行方。

30歳・ネット通販大手の倉庫で働く非正規の堅志と、スーパーでパートをする28歳の日菜子。二人はおたがいを守りあって生きていこうと決めた。だが、堅志に正社員登用の話がきたことをきっかけに、日々に少しずつ変化が訪れる―。(「BOOK」データベースより)

感想

小説を読むのは約1年ほどぶりでした。
最近はやることに追われて忙しない日々が続いていて、小説など知識として何にも役に立たないものを読んでも仕方がないとさえ思ってしまうほどに忙しい日々に毒されてました。
しかし最近少し時間ができ、生活に少しの余裕ができたため、ふと小説を読みたくなりkindleですぐ買いました。本屋に行かずともすぐに購入できるのがkindleの強み。一旦読みはじめてしまえばすぐに夢中になり、毎晩の寝る前の読書は習慣になり1日の楽しみにもなりました。
1週間ほどで読み終わり、約1年ぶりの小説、清く貧しく美しくの感想を以下に記します。

 1番初めに思ったのが、この小説の舞台は現代の東京で、比較的初版が新しい小説(2019年12月発行)なので今この世界で起こっていることのような臨場感があること。
 この本からは人の幸せに必要なものはなんなんだろうかと考えさせられる。この本はお金だけが絶対的な幸せじゃなくて、お金がなくても2人だけの世界で幸せにいられたらいいんだって教えてくれる。
 主人公カップルはお金もなく、2人とも非正規雇用で社会では劣等感を感じているけれどお互いだけはお互いの良いところを見つけて褒め、幸せな自分たちだけの世界を作っている。
こういう場所って現代人の誰しもが持っているわけじゃない。特にSNSによって、個人が多くの人に簡単にアクセスできるようになった現代は、個人によりフォーカスすることが少なくなっているような気がする。情報量が多すぎて、個人の長所を見つけてもらえるほど長い間見てもらえないような気がする。
 この本の主人公カップル2人は、そうしたお互いを褒めあい、幸せを共有できる相手がいるというだけで恵まれているのかもしれないとも思った。
 自分もそろそろ褒めてくれる人が欲しいかなあ。

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