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「競争」と「独占」 古くて新しい問題

日経電子版で1月1日にスタートした大型連載「逆境の資本主義」。
第5回のテーマは「独占」です。

<読みどころは?>

資本主義の循環の起点となる「競争」を促す資本主義の仕組みが、デジタル化で生じた「独占」により揺らいでいるのではないか――という問題提起です。近年台頭が著しい、GAFA(ガーファ)とよばれる巨大IT企業4社にどう向き合うべきかが大きな焦点の一つとなっています。

自由競争の勝者が富を生み、それが社会全体に広がる――経済成長の起点となる競争を促すためのルールが、「消費者の利益」を基準としており、現状に対応できなくなりつつあるのが問題だ、と記事は指摘しています。

独占禁止法(独禁法)とは
一握りの大手企業が市場を独占することを防ぎ、企業が公正に競争できる環境を整えるための法律。競合の排除や価格カルテルなどを規制する。
(2019年7月17日付日本経済新聞「きょうのことば」より)

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(表は2019年2月11日付日本経済新聞「きょうのことば」より)

これまでの「独占」は、大企業の市場への支配力が強すぎ、値上げなどによって消費者が不利益を被ることが問題視されていました。

一方、GAFAは検索やSNSなどサービスの多くを無料で提供しており、消費者にはメリットが大きいようにさえ見えます。これが「新たな独占」といわれる理由です。

GAFAに限らず、ものづくりでもデータや知的財産(知財)が集まる一握りの企業による「新たな独占」化が進んでいます。成長の原動力となる競争が多くの産業で緩んでいる現状をどのように考えればよいのでしょうか。

<識者はどう見ている?>

一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏は「独禁法の想定と全く違うタイプの問題が生じている」と指摘する一方、「自由競争の結果」によるGAFAと非GAFAの利益格差そのものは重要な問題ではないと論じています。

東京大学教授の大橋弘氏は「営利企業であるGAFAが公共性のあるプラットフォームの『ルール』を決めることができる」現状を憂慮。「経済の面だけではなく、公益性の観点での議論が必要」と訴えています。

独禁法に詳しい弁護士の池田毅氏は「GAFAがイノベーションを促進する面は確実にある」と認めつつも、独占の弊害に対しては「将来のルール作りにつなげるために正しさの線引きを愚直にすべきだ」と話しています。

いかがでしょうか。今回の連載は、関連インタビューの充実も特色です。クリックすると、インタビュー記事の全文を読むことができます。みなさんが資本主義の課題や将来像を探るヒントがきっとあると思います。

ビジュアルデータをふんだんに使った本文記事と合わせてお読みください。

資本主義がイチからわかるアニメも必見です!

(日本経済新聞社デジタル編成ユニット 澤田敏昌)