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香港デモ、日本の地方議員50名が賛同するネット署名が意味するもの

私は日本のことが好きです。

そりゃあ政治や社会に対して「もっとこうなればいいのに」という不満や不安はあります。未来のことを思うと危機感もあります。

でもそれは、長く寄り添った夫婦が相手の細かなことが気になって小言を言ってしまったり、ことあるごとに浪費したり変な行動をする相手をみてコイツ大丈夫か、と思うようなもので、30年以上一緒にいれば様々なことが見えてくるので当然そうなるわけです。でも、好きか嫌いかと言えばもちろん好きで、一生を添い遂げる気持ちは変わっていないのです(独身シングルの私が言っても全く説得力はありませんが)。

なので、私は、たとえ日本が衰退期に入り、貧しい国になり、隣国の影響力が増大し、国際的な地位が著しく低下したとしても、日本に住み続けたいと思いますし、無論、そのようなことにならないために自分が役立つことで全力を尽くしたいと思っています。

しかし、そんな私も、6月9日に香港で起きたデモに関する山本一郎さんの記事を読んで、自由や民主主義や人権が制限される国になったら住みたくないし、そんなところで子どもも育てたくはないと思いました。(よく目を凝らせば、国力の低下と共に少しずつこれらの範囲が狭まっていっている気もしなくはないですが、香港の人たちが戦っている相手と比べれば相当ましでしょう。)

ですが同時に、そのような状況が迫ってきたら命がけで戦うだろうとも思いました。なぜなら、日本にも自由や民主主義を求めて命がけで戦った人たちがいたことを知っているからです。

また私は、香港には過去2回、昨年と一昨年に訪れたのですが、ヴィクトリア・ハーバーの夜景を眺めながら散歩をしていた時に、港の周辺で歌ったり踊ったりしている無邪気な若者がたくさんいたことが記憶に残っています。また、ある大学を訪問し学生との交流をさせていただいた際は、活気ある学生たちに圧倒されつつ、学内の書店に大陸では扱われないであろう書物が数多くあったことが印象的でした。

中国大陸には昨年9月に深センに一度行っただけですが、その後も中国の専門家を招いた勉強会を開催するなどして私なりに学んだところ、はっきり言って「凄い」の一言しかありませんでした。自由や民主主義や人権を犠牲にすることで効率的に経済的繁栄を達成する国家資本主義の脅威を感じました。凄いけど絶対に住みたくはない。そう思いました。

そんなことを思い返しながら、今、自分に何ができるかを考えて始めたのが次のような「インターネット署名キャンペーン」です。

【2019/6/15 17:30更新】インターネット署名は「改正案の無期限延期」を受けて「一時終了」となりました。事態急変に備え、議員賛同者の受付は継続しています。(Change.org)

日本政府が民主主義国の一員として毅然とした態度でせめてお得意の「遺憾の意」なり何なり意思表示をしていれば、何もする必要はなかったでしょう。

しかし、外務大臣ですらTwitterでお気持ちを述べるだけに留まり、日本政府としての公式な意思表示はありませんでした(6/15現在もなし)。

今月末に日本で開催されるG20の前に事を荒立てたくないのかもしれませんが、即座に公式に反応した米国やEUやカナダや英国とは対照的です。むしろ政府として何も意思表示しないという事が「容認する」あるいは「価値観よりも実益を優先する国である」というメッセージになってしまう危険性があります。

したがって、署名キャンペーンのゴールを「外務大臣による香港の行政長官への申し入れ」としました。

宛先を外務大臣としたのは、外務大臣は「平和で安全な国際社会の維持に寄与するとともに主体的かつ積極的な取組を通じて良好な国際環境の整備を図ること並びに調和ある対外関係を維持し発展させつつ、国際社会における日本国及び日本国民の利益の増進を図ること(外務省設置法第3条)」を任務とする外務省の長であるためです。「逃亡犯条例の可決」が日本国民の不利益に繋がる恐れがある理由はキャンペーンページに記載した通りです。

ちなみに、この署名の賛同を呼びかけた際に、何人かの地方議員の方から「内政干渉ではないか?」という懸念をいただきました。これを読まれている方の中にもそのように思う方もいるかもしれません。私は、干渉とは「他国の国内管轄事項に関して武力又はその他の強制的手段を使って命令的介入を行うこと(Wikipedia)」と理解しており、「申し入れ(=意見・希望・要求などを相手方に伝えること)」は通常の外交上の行為だと考えているのでゴール設定は変えずに進めることにしました。

他にも様々な理由を述べて賛同していただけない方はいましたが、彼ら彼女らを批判することはできません。なぜなら、それぞれのお考えにも「正しさ」があり、さらには現時点において国内世論が盛り上がっていない以上、議員がリスクを犯して実名を晒すことに一ミリの実益もないからです(ここでのリスクとは中国との交流を想定している場合に何らかの支障が出る可能性があること、所属する政党等あるいは支援者との意見の相違による不利益などが考えられます)。

むしろ、6月15日午前5時の時点で賛同者として名前を連ねていただいている6名の元職、53名の現職地方議員の方々を讃えるべきでしょう(さらに増えると嬉しいです)。

ほとんどの方が選挙を終えたばかりで、現職の方は議会の真っ只中であるにも関わらず、元職の方は何の公的地位がある訳でもないにも関わらず、一ミリの実益もない事に賛同を表明してくれたのです。

それぞれに理由は異なるでしょうが、民主的選挙を自ら経験し、なぜ民主主義が必要なのか、なぜ自由が重要なのかを理解し、考えられる様々なリスクよりも自身の意思表示を優先し、価値観を重んじた人たちです。

現在の日本では日常的に自由や民主主義や人権について考えている人はいません。平和な証拠です。しかし、自由や民主主義や人権は全ての経済的活動や社会的活動や創造的活動の基盤となるものです。ゆえに人々の代理人たる政治家は、忙しい人々に代わって、これらについて日頃からしっかりと考え、尊重し、維持拡大することが望まれます。

あなたの住んでいる地域に今回の署名に賛同している政治家がいる場合は、もしもこの先、日本が自由や民主主義や人権が脅かされるような状況に陥った時、きっとその人は何らかの方法で抵抗をすると思います。その事を覚えておいてください。

そして、これを読んでくれているあなたにお願いがあります。私の知っている政治家はごくわずかです。日本には3万人以上の政治家がいます。もし、あなたの住んでいる地域に、賛同している政治家がいない場合は、誰かあなたが話しやすい政治家を見つけて、インターネット署名の存在を教えてあげてください。もちろんその前にあなたが署名することも忘れずにお願いします(ちなみに署名同様、賛同者の記載についても電話やFAXでは受け付けていません。あくまでオンライン上で存在が確認できる方のみを対象としています)。

とても地味な活動ですが、このインターネット署名キャンペーンは香港のためであると同時に、私たち自身が自由や民主主義や人権について考えることで、将来にわたってそれを守ることにも繋がるのです。

(ちなみに、国会議員は来月の参議院選挙で頭がいっぱいなので、そっとしておいてあげてください。署名がもっと集まれば自ずと行動してくれるはずです。)

最後に、現段階でのキャンペーンの効果と言えそうな事を述べておきます。賛同者が11名で署名数も数百だったごく初期の段階で香港現地メディアが記事にしたことによって多くの香港人の知るところとなったようです。

それからしばらくして「 直接暴力だけでなく見えない政府権力の横行も心配されている中で、その心配を吹き飛ばす大きな希望になった」と感謝のメッセージが香港人の方より届くなど、精神的な支援になっているようです。

とはいえ、まだまだ影響は限定的なので、皆さまの力が必要です。数秒で完了するので、こちらからクリック署名をお願いいたします!!

【2019/6/15 17:30更新】インターネット署名は「改正案の無期限延期」を受けて「一時終了」となりました。事態急変に備え、議員賛同者の受付は継続しています。(Change.org)

最後までお読みいただきありがとうございました。

このような文章を自由に書くことができ、それを読んでくれる人がいて、何かを感じた人が、感じたことを自由に話すことができる。

そんな日本が、私は大好きです。

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ありがとうございます!デジタル時代の自由民権運動が一歩前進しました!
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「未来世代」と「現在世代」の架け橋になりたい。未来志向の人たちのインターフェースになる政治を創りたい。やっている事はユースデモクラシー推進機構代表理事・デジタルハリウッド大学院メディアサイエンス研究所研究員・早稲田大学公共政策研究所招聘研究員・NPO法人全世代理事など。