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香港デモから思い出すべき日本の民主化の歴史について

この国では、選挙が始まれば勝手に投票券がポストに入っているし、ネットで自由に情報が得られるし、政府を批判しても逮捕されることはないし、制度を変えたければ徒党を組んで政治家や行政府に物申したり、自身が立候補して政治家になることもできる。それを活用している人が多いかどうかはさておき、制度上は日本は民主主義国である。そのことが当たり前すぎて日常生活で意識することはまず無いだろう。

今、海の対岸にある香港で100万人以上の人々が民主化を求めてデモを行なっている。表面的には、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対するものだ。しかし、民主的な普通選挙制度を求めて2014年に起きた「雨傘運動」の失敗を前提として見ると、この条例が可決されれば香港の民主化はまず不可能になることがわかる。民主化を望む香港住民にとって越えられない一線と言える。

すでに香港警察は無抵抗のデモ隊に対してゴム弾等を用いて鎮圧を行う姿勢を見せている(顔面に命中し重傷を負った若者のショッキングな映像を見た人もいるかもしれない)。それに立ち向かう香港の若者たちは勇敢で特殊な人たちなのだろうか。私たち日本人はそういう努力なしに今の民主主義をつくりあげたのだろうか。

戦後の民主化だけを見れば自分たちで勝ち得たという実感に乏しく、自分ごととして捉えることは難しいかもしれないし、今さら、歴史の教科書を持ち出して調べ直すほど暇では無いだろう。

ただ、もし、この記事を読むだけの興味を持ったのであれば、あと10分ほど画面に向き合って、次の単語を検索してみてほしい。

自由民権運動」「選挙干渉」「普選運動」などだ。

手間を省くためWikipediaのリンクを張っておいたので(選挙干渉についてはわかりやすいよう第2回衆議院議員総選挙のページをリンクしている)、もし良ければ目を通してもらいたい。

民選議会開設を求めた自由民権運動では全国各地で激化事件が起き多数の死傷者や処罰者を出し、帝国議会開設後の衆議院選挙でも選挙干渉により全国で25名の死者と300名を越える負傷者を出し、普選運動でも大規模なデモが起きた(興味がある人は国会図書館のページなどを参照し、史料をあたってみても良いだろう)。

治安維持法下での言論活動や戦中・戦後の歴史も含め、多くの先人たちの血の滲むような努力の上に今の民主主義体制があることを思い出した時、21世紀の今、対岸で起きている若者たちの行動が他人事だと思えるだろうか。

さらに言えば、これからの時代は、日本のような民主主義国であってもデジタル権威主義にどう向き合うかを考えていかなければならない。香港の若者たちは私たちよりも先にその境界の存在を感じ取っているのかもしれない。


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ありがとうございます!デジタル時代の自由民権運動が一歩前進しました!
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「未来世代」と「現在世代」の架け橋になりたい。未来志向の人たちのインターフェースになる政治を創りたい。やっている事はユースデモクラシー推進機構代表理事・デジタルハリウッド大学院メディアサイエンス研究所研究員・早稲田大学公共政策研究所招聘研究員・NPO法人全世代理事など。