涙するくらいかっこいい姿

あなたにはずっと応援したいチーム、選手がいますか?

私は小学生の時からずっとバスケをやってきた。やってる年数に比例して上手く・・・なるはずだった。高校3年生になっても下手のまま。まぁ、周りからすれば経験者なだけあって体育では普通よりはできることにはできるのだが、部活になると話は別だ。長いのはやってる年数だけ。本当は高校に上がるときにやめようと思ったのだが、何故かだれよりも先に顧問に入部届けを出していた。

もう少し迷ってもよかったのに。

高校1年生の時、私たちのチームがTO(テーブルオフィシャル)をすることになった。その試合はどうやら男子の強いチームの試合らしいということは知っていたので、勉強がてら見ていた。 

試合が終わった後の私はきっと周りから見たら気持ち悪いと思うくらいニヤついていただろう。凄かったのだ、そのチームが。具体的に言えばチーム全員本気だった。私の取り組み方は本当甘かったことを気づかせてくれた。私はその日から変わった。毎日一番に朝練に来てシュートを打って、少しでもあの人たちに追いつきたくて必死だった。

それから近くでそのチームの試合があると必ず見に行った。人にパワーを与えられる試合をみせてもらった。

それから月日は経ち、高校3年生の総体。それはあっけなく1回戦負け、私が出場したのはほんの数分だっただろう。別に出してくれなかったことには何も文句はない。自分の実力が足りなかっただけのことだ。ただ、泣けなかった。不完全燃焼。この言葉がその時の私を言い表すにふさわしい。

気持ちが晴れないままの学校生活。でも、次の週には私の大好きなチームが試合だった。そのために学校に行っているようなものだった。

試合当日に私は目を見開いた。大好きなチームが全員五輪狩りだった。その日の相手は市民大会決勝で戦って負けたチームだった。空気感が違った。

その試合は見事勝利し、ベスト8にはいった。

総体も終わり私は進路を決定しなければならなかった。きっと1年前の自分なら選ばない体育会系に進みたいと思った。そのきっかけはもちろん大好きなチームのおかげだ。そのチームを支えたいと思ったし、一番近くで見たいとおもったからだ。

強豪のチームはウィンターカップ予選まで3年生が残るのが普通なので、私はセンターが直前まで迫ってきている11月に試合を見に行った。

その試合は準決勝。対戦相手は県で一番強いインターハイにもいった高校だ。サイズでも選手層でも負けている。しかし、彼らは点差が離されて、足をつって、倒れても最後まで諦めなかった。私はその姿を見て涙を流していた。

その試合の結果は敗北という結果になった。最後の礼をした後いつも応援席に頭を下げにくるのを私は笑顔で拍手をするのだが、その日は涙が止まらなかった。こんなかっこいい姿を見たのは生まれて初めてだった。

そんなことがあってからもう半年が経つ。今私はあの試合を見に行った後勇気をもらって第一志望の大学に入学することができた。今はこんな状況だから試合も見れないけど、いつかまた勇気をくれる試合が見たい。

彼らより強いチームの試合や、プロの試合をみてもやっぱり私はあのチームが一番だと思っている。私が高校に入った時にバスケをやめなかったのは正解だと彼らに出会いわかった。

私に夢を与えて人生を変えてくれた彼らが私の中の唯一無二のチームだ。

私は大学でスポーツを学び、いつか彼らのいたチームに恩返しをしようと思う。

「私の人生を変えてくれてありがとう」という気持ちを込めて全力でサポートすると決めたのだ。





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