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Bellydancer Safinah's EYE. 011〜アラブのリズム前編

こんにちは、サフィナです。8月のお盆休みを受けて、皆さまリフレッシュできましたでしょうか。まだまだ暑さが続きますが、皆さまもどうぞご自愛くださいね。さて第11回は、アラブのリズム前編(無料)をお送りいたします。
 
ベリーダンスで使うのはアラブ音楽と呼ばれる、アラブ諸国で使われている音楽リズムです。最大の特徴は、200にまで数えられる拍子の種類の多さです。西洋音楽では一般的に2、3、4、6、8、16拍子くらいまでが一般的かと思いますが、アラブの音楽が吟遊詩人の文化に支えられ詩にリズムを合わせて作られるからこそのものなんですね。
 
アラブで良く耳にする主要なリズムだけでも23種類。そのうちベリーダンスでは15種類くらいをメインに使っています。21拍子といった数えられないようなリズムの曲も、珍しくありません。200拍子まである中での15種類ですから、ベリーダンスの音楽は限られたものでさえあるとも言えるんですね。驚きますよね。
 
自由を愛するアラブ諸国の方々は、元々多くある民族それぞれの地方で特有の文化を尊重する気質があります。日本人のように厳密に型を決めずに、その地方地方で好き好きに奏でたリズムをそのまま今に伝えている現れなんですね。よく言えば大らか。曖昧で、多種多様なリズムが生きている。ついでに言えば、嘘つきも多いほどいい加減で愛すべき人たちです。
 
超が付く有名なリズムは「マスムーディー」ですね。4拍子のリズムで、小さいという意味のサギールが後ろについて「マスムーディーサギール」と呼ばれます。一方、大きいという意味の言葉カビールが付いた「マスムーディーカビール」と呼ばれる8拍子のリズムもあります。「バラディーのリズム」と言われる「エジプト風の」という意味のリズムは、前者のマスムーディーサギールのことを指します。
 
ベリーダンスの振り付けで良く使う「ドロップキック」の腰でリズムを取って足を斜め前に蹴り出す動きは、このバラディーのリズムに合わせて踊ること多いです。「ベリーダンスと言えばこれ!」というリズムです。さらに言えば、リズムによって動きの種類が決まっているんですね。
 
最近のポップスは別として、特に古典のアラブ音楽には和音もコードもありません。旋律(メロディー/節)があるだけです。詩に合わせてメロディーが作られ「マカーム」と呼ばれる旋法(旋律の方法)が確立されていて、30~100~300といったように、旋律の型に習って音が奏でられていきます。
 
コーランは歌のように聞こえますが、厳格なアラブ諸国では歌は禁じられています。
 
あくまでも詩に合わせて音楽が奏でられている。そういった文化なんですね。後編では具体的なリズムの解説を、図を交えてご紹介しますね。
 
第11回はここでおしまいです。第11回は、アラブのリズム後編(無料)についてご紹介させていただきます。
 

心を震わせるアラブのリズム。吟遊詩人の文化がその源に流れているんですね。


 

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