お勉強200:放射線治療も施設間格差ありますよ。

https://acsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/cncr.33777

割と昔(というか、2D時代)は放射線治療は
(いい意味でも悪い意味でも)技術がまともな医師なら
一定化しており、あまり「成績の差」
というのはあまり出ないといわれていた
(と僕が最初に習った先生はおっしゃってた)

だが、時代は3D→IMRT→IGRT時代となり
放射線腫瘍医の腕、
治療技師の腕(ここ見逃されがちだが、一番大事だったりする)
治療計画の質、が問われる事態になってきた。

で、実際に調べてみたよ、という論文
253,422 人の患者が 1289 施設で治療された。
6231が術前
147,980が術後
99,211が根治(手術なし)

施設は low, intermediate, high or very high volume,に分類

優位差はほとんどlow vs. very highだが、
規模ごとにだんだん良くなるそう

結果としては術前の直腸がんで
(HR, 0.75; 95% CI, 0.6-0.94; P = .01)

乳がん、子宮頸がんで術後照射が差
(HR, 0.83; 95% CI, 0.77-0.90; P < .001 and
HR, 0.77, 95% CI, 0.62-0.97; P = .03, )

根治では
前立腺、NSCLC、膵臓、頭頚部が差あり

という結果。
治療件数が多いところはいい患者が
集まっているかもしれない、というバイアスの
可能性はありとの事。

日本だと規模以前の問題として機器更新できずいろいろできない、
とかIMRTがそもそもできない、
地域の患者の特色性(より良い遠くの施設まで行ってくれない)
とかいろいろ別の事情も絡んでもっと差はありそうな気もします。

とりあえず日本ではIMRTをしていて、「放射線治療医」が3人ぐらいいたら
かなり安心と思います。非常勤だけは結構危ない??

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