祭りのあとのような静けさのなかで考えること

今年も無事に2週間の教育実習が終わった。終わってしまうとあっという間で、実習生の先生方がいない学校は少し静かになったように感じる。その様子は、祭りのあとのような静けさのようにさえ感じられる。

最後の日。子どもたちとお別れ会を行い、思い出クイズで大いに盛り上がった。

ここ数年のコロナ禍のなかでは、感染症予防ということで子どもたちと実習生の先生方とのふれあいの場面も限られていたが、今年は、それも解禁され中休みや昼休みもグラウンドや体育館から子どもたちと実習生の先生方とも笑い声が聞こえてきた。それはそれは、子どもたちにとっても忘れられない2週間だったように思う。( 今年の学級の子どもたちはコロナ禍以降の入学なので、初めての経験だった。)

そんな様子を見ていて、若いときに、言われて理解ができなかったことで腹落ちしたことがある。
それは
「若いって言うだけで、子どもにとっては魅力的なのよ。」
という一言だった。

十数年前の自分にとって、若いということは魅力とは感じられず、若くて経験の乏しいことがビハインドになっているとさえ感じていた。

確かに授業中の教師としての振る舞いを見ると、伸びしろだらけだと感じることもある。でも、その姿に子どもたちが惹かれていく。
そしてその子どもとのやり取りの中で、子どもを観る目や教師としてのスキルが磨かれていくのだと感じている。

きっと自分も過去の子どもたちに磨かれ今があるのだと思う。その恩を今目の前の子どもたちに返していくことが、中堅の役目であると感じている。

多くの実習生の先生方は、来年度以降、教員採用試験を受験し、教員としてのキャリアをスタートさせる。初めての現場で、いろいろな個性をもった子どもたちや多様な願いをもった保護者、それぞれの持ち味を発揮している職場の先輩に出会うことになる。そのなかで、この教育実習でつかんだ希望を大事に携えて、人生を歩んでいってほしい。関わった一人の大人としてそう願っている。
                             今 伸仁

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