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小説のアイデアの出し方 〜既存の作品から考えるかんたんな方法

崖っぷち作家のニジマルカです。

作家志望の方だけに限らず、小説を書いている人は「次はどんな作品を書こうか…」と日々悩んでいると思います。

アイデア出しの方法はさまざまですが、今回はごく簡単な「既存の作品を真似する方法」をご紹介します。


既存作から考える

「自分で1から作らなければ!」と頑なに考えている人も多いと思いますが、「もっとたくさん読まれたい」「受賞したい」「もっと売れたい」と思うなら、既存の作品から考えた方が早いです。

一度偏見を捨てて、既存作を真似することに挑戦してみてください。

読まれない、売れない、受賞しないのは、だいたいはアイデアが悪いからです。

いままであてずっぽうにアイデアを出していた人は、この機会にちょっと試してみるといいと思います。

やり方はこんな感じです。↓

1.作品を選ぶ
2.あらすじを短くまとめる
3.2のあらすじを抽象化する
4.3のあらすじをさらに抽象化する=読者の好きなパターンが出る
5.書きたい作品のジャンルを決め、3で出した要素をジャンルに合うように変形する

では進めていきましょう。


1.作品を選ぶ

まず真似する作品を選びます。

どの作品でもいいですが、できれば売れた作品を選ぶといいです。

なぜなら売れた作品には「読者が好むパターン」が組み込まれているからです。

ですので、ウケる作品や読まれる作品を書きたいなら、参照元としては売れた作品が適しています。

また、可能なら、ここ2,3年で売れた作品を選ぶといいでしょう。

ジャンルごとに流行のサイクルは違うのですが、おおよそ2,3年以内に売れた作品なら今後も売れる(ウケる)可能性があるからです。

売れることやウケることにそれほどこだわりがないなら、自分の好きな作品でも構いません。

では実際に作品を選んでみましょう。


今回の作品例

アマゾンでパッと目についたので、参照元は以下にしてみます。

日向夏先生の『薬屋のひとりごと』です。

マンガも出ている人気作ですから、ご存じの方も多いと思います。


2.あらすじを短くまとめる

アマゾンであらすじを読めますので、そのあらすじを短くまとめてみましょう。

アイデア出しのためなので、細かいあらすじはいりません。

大きめの構造を出すと考えればいいです。

たとえばこんな感じですね。↓

【あらすじ】
中国王朝時代、下女として後宮に売られてしまった主人公が、後宮で起こる事件を持ち前の薬の知識で解決し、美形の宦官や后たちに頼られ、認められていく。

5W1Hで整理しておきましょう。

【5W1H】
誰が      :
下女として売られた主人公が
どこで     :中国、後宮で
いつ      :王朝時代(?)に
なぜ      :偶然知識があることを知られてしまい
どのように   :持ち前の薬の知識で
何をしてどうなる:事件を解決して認められていく


「何をする」だけでなく「それでどうなるか」まで考えるのがコツです。

「どうなるか」という結果のところに、「読者の好きなこと」が隠れていることが多いからです。

できたら次に進みましょう。


3.あらすじを抽象化する

2で出たあらすじを抽象化します。

抽象化とは、簡単に言うと「目を細める」ことです。

目を細めるとディテールは見えなくなり、外形しかわからなくなりますよね。

おおざっぱに骨組みを捉える、と考えてもいいです。

5W1Hを抽象化し、それらをつなげて抽象化されたあらすじを作ってみましょう。

するとこんな感じになります。↓

【抽象化した5W1H】
誰が      :下位の者が
どこで     :閉鎖的な場所で
いつ      :ある時代に
なぜ      :知識があることがバレてしまい
どのように   :持ち前の知識で
何をしてどうなる:活躍して上位の者に認められていく

【抽象化したあらすじ】
ある時代、ある閉鎖的な場所に行った下位の者が、持ち前の知識で活躍し、上位の者に認められていく。

どの辺りまで抽象化するかは難しいですが、あまりに抽象化すると一般的になりすぎるので、ある程度、固有のワードを残すくらいで考えるといいでしょう。


4.さらに抽象化する

この行程はしなくてもいいですが、やってみると、結局読者が何が好きなのかがわかります。

【さらにあらすじを抽象化すると】
下の者が独自の何かで活躍し、上の者に認められていく。

ここまで抽象化すると、読者の好きなパターンがむき出しになります。

要するに読者は「成り上がっていく主人公(この場合は意図せず認められていく)」が好きなのですね。

おそらく多くの人が好きだと思います。

このように、売れる作品には人が好むパターンが組み込まれているのです。

では、いよいよアイデアを出していきましょう。


5.書きたい作品のジャンルを決め、合うように変形する

まずジャンルを決めます。

たとえば学園ラブコメにしたとしましょう。

一回抽象化した5W1Hおよびあらすじはこうでしたね。↓

【抽象化した5W1H】
誰が      :下位の者が
どこで     :閉鎖的な場所で
いつ      :ある時代に
なぜ      :知識があることがバレてしまい
どのように   :持ち前の知識で
何をしてどうなる:活躍して上位の者に認められていく

【抽象化したあらすじ】
ある時代、ある閉鎖的な場所に行った下位の者が、持ち前の知識で活躍し、上位の者に認められていく。

アイデアを出すには、5W1Hを学園ラブコメに合うように変形すればいいです。

たとえば、

誰が      :ド庶民のミステリオタク女子が
どこで     :無理やり入れられてしまった上流階級の学校で
いつ      :現代に
なぜ      :ちょっとした事件を解決してしまって能力がバレ
どのように   :持ち前の推理能力で
何をしてどうなる:学校の事件を解決してイケメン生徒会長などに気に入られてしまう

【あらすじ】
無理やり上流階級の学校に入れられてしまったド庶民のミステリオタク女子が、持ち前の推理能力で学校で起こる事件を解決し、イケメン生徒会長や学校の権力者たちに認められていく。

といった感じです。


この場合のポイントになる部分は「持ち前の知識」ですが、これをもっと変わったものにしていくと、さらに差別化できます。

このように、ヒット作の構造を一度抽象化してから、ジャンルに合わせて変形すると、そこそこ上手くいきそうなアイデアを出すことができるのです。


図でまとめると

図でまとめるとわかりやすいと思います。

こういう感じですね。↓
(クリックすると大きくなります)

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ヒット作を上へ抽象化し、ジャンルに合うように右にスライドさせ、下方向に具体化していく、という流れです。

具体化していくときは、今回判明した読者の好きなパターンである「下の者が何かで活躍し、意図せず上の者に認められていく」からズレないように注意してください。

ここを外すと、読者に受け入れられない作品になってしまいます。

抽象化にコツは必要ですが、慣れればさまざまなヒット作から上手くいきそうなアイデアを抽出することができるでしょう。


今回のまとめ

アイデアの出し方「既存の作品を真似する方法」でした。

1.既存作を真似すると上手くいきそうなアイデアを出せる
2.真似するにはあらすじを作り、抽象化していく
3.2回ほど抽象化すると、読者の(人の)好きなパターンになる
4.抽象化した5W1Hを、書きたい作品ジャンルに合うように変形する
5.あらすじをさらに具体的にして、ストーリーを考えていく

同じジャンルだとどうしても似てしまうので、ジャンルが離れていれば離れているほど使える方法です。

それではまたくまー。


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