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タイトルのつけ方〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。

今回は「タイトルのつけ方」です。


中身よりタイトルが大事

まずはタイトルの重要性についてはっきりとわかっておきましょう。

読者は「中身が面白いから」読むわけではありません。

中身を読むに読むかどうか決めるのですから、当然ですね。

では、何を見て決めているかといえば、それはタイトルです。

タイトルを見て「面白そうだな」と思うから読むのです。

もちろん中身が良いに越したことはないのですが、タイトルが悪ければそもそも読んでもらえないので、中身がどうだろうと関係ありません。

最初の関門はタイトルです。

中身ではありません。

このことを心の底から分かっておいた方がいいです。


基本の考え方

ジャンルによって異なるでしょうが、おおまかな考え方はこうです。

「タイトルとは新しい面白さや視点の提案である」


ごくおおざっぱにいえば、新しさのあるものしか読まれません(売れません)。

新しさとはエンタメ小説で言えば「新しい面白さ」であり、一般的に言えば「新しい視点」です。

もっとふわっと言えば、「新しい価値」と言ってもいいでしょう。

新しさとはアイデアのことです。

そのアイデアを端的に表現したものがタイトルだと考えればいいです。


もちろん新しさのないタイトルの本が売れる場合もあります。

ですが、そういう場合は外的な要因があったりします。

たとえば、

・そもそも有名な作家である
・なにかの受賞作である
・宣伝や広告が成功した
・なにかで紹介された

などですね。


他にもいろいろな要因があるでしょうが、そういった例外的な状況はほとんど起こりません。

タイトルをつけるときは、自分を、誰にも知られていないただの素人だと思いましょう。

誰もあなたのことを知りませんし、気にもしていません。

ですから、市場に出る(あるいはネット小説に投稿する)あなたの武器はタイトルしかありません。

中身を何度も吟味するより、タイトルという武器を研ぐことに全力を注いだ方がいいです。


パワーワードを入れる

タイトルには新しいアイデアを入れることが望ましいですが、そのアイデアを一言で表現できるともっといいです。

アイデアをわかりやすくワードにして伝える、ということですね。

ワード作りが上手くいくと、そのワードだけで読者を動かすことができます。

そういった力のあるワードのことをパワーワードと言います。

ワードだけでなく、もう少し長いパワーフレーズもあります。

最も効果の高いパワーワードは、

誰もが薄々思っていたけれど言葉になっていなかった感覚を言語化したもの

です。

これが上手くいくと、1つのジャンルが出来るほどの力があります。

たとえばタイトルではないですが、パワーワードの好例に「加齢臭」があります。

加齢臭は誰もが感じていたけれど、名前がなかったので話題にできなかった感覚です。

ワードが出来ると関連商品がたくさん出て、一大ビジネスになりました。

このように上手いワードを作り出すと、その商品が売れるだけでなく、周囲にまで経済効果が及ぶのです。

小説も同じことです。

タイトルにパワーワードを入れましょう。

「誰もがなんとなく感じていたけど、まだ名前のついていない面白さ」をワードに出来たら最高です。

少し前のラブコメ界隈における「両片思い」や「ウザかわ」などがそれに当たるでしょう。

いままで漫然とタイトルをつけてきたなら、「この作品の新しさはどこにあるか」「その新しさを一言で表現したらどうなるか」と考えるだけでまったく違ってきます。

あるいは作品の「ウリ」をワードにしてみようと考えてもいいですね。

他の作品とは違う独自性はどこにあるのか?

その独自性をワードにするとどうなるのか?

そうして出たワードをタイトルに入れるのです。


タイトル付けで迷うとき

新作を書く場合、タイトルの重要性からいえば、最初にタイトルが決まっていることが望ましいです。

ですが、書き終えた後でタイトルを付ける場合も多いでしょう。


タイトルを付けるとき、いろいろと迷って進まない場合がありますよね。

タイトル付けで迷うなら、多分、そもそも新規性がありません。

迷うのは、タイトルに入れられるアイデアがないからです。

そういう場合、売れる(読まれる)のは難しいと考えましょう。

新規性がない作品が売れることはほぼありません。

売れるためには、ちょっとしたことでもいいので、何か新しさが必要なのです。


良いタイトルへの反応

良いタイトルを見たときの読者の内心の反応はこうです。

「確かにこれはなかった」

他の作家の反応はこうなります。

「ああ、これか!」
「なるほど!」

この反応が出る作品はほぼ上手くいきます。

特に作家が「なるほど」と納得して「ああ、これだったか」と悔しがる作品はだいたい売れます。

みんな同じようなアイデアを探しているからです。


エンタメに寄れば寄るほどタイトルの重要性が増し、一般小説に寄るほど、タイトルがそこまで関与しない傾向はあると思います。

とはいえ、良いタイトルをつけるに越したことはありません。

まとめると、良いタイトルのつけ方は

0a.可能なら「誰もが感じているが言葉になっていない面白さ」をメインにした作品を書く
0b.あるいは何らかの新しさやウリがある作品を書く
1.作品の新規性(やウリ)を認識する
2.その新規性を一言で表現したり、フレーズにしてみる
3.2で出たワードやフレーズをタイトルに入れる

です。

そもそも新規性がなければ、タイトルをいくら考えても仕方がないとも言えます。

そういうことなら、タイトルを考える前に、作品づくりの意識を変える必要があるかもしれません。


今回のまとめ

小説のちょっとしたコツ「タイトルのつけ方」でした。

1.中身ではなくタイトルこそが重要
2.タイトル=新しい面白さや新しい視点の提案
3.誰もが感じていたけど名前がついてない感覚をワードにできれば最高
4.新規性を一言で表現してタイトルに入れる
5.タイトル付けで迷うなら、そもそも新規性がない
6.良いタイトルは「確かになかった」「ああ、これか」という反応を引き起こす

ある程度、作業が進んだあとで「あ、タイトルに入れられる新規性がない……」と気づくときほどゾッとすることはないですね。

それではまたくまー。


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