見出し画像

カラフル

この世界を真っ黒に
塗りつぶすことが出来たとして
その世界の何処を
愛せばいいのか分からない
ただ傷付かずに済むだけ
今の世界よりも幾分かましだろうか


意味を教えて
傷の意味を
動けなくなるくらいの痛みのわけを
知ったところで納得なんて
到底出来やしないけれど
心が凍る
手足が強張る
この胸の塊を誰か解きほぐして
そう叫んでもその声は
届く前に掻き消えて


この世界を真っ黒に
塗りつぶすことが出来たとして
その世界の何処を
愛せばいいのか分からない
ただ傷付かずに済むだけ
今の世界よりも幾分かましだろうか


怒り悲しみ
憎しみ虚しさ
全てがないまぜになって心を苛んで 
恐れに身体を支配されて
声が喉の奥で潰れて
助けてください
見つけてください
その叫びもやはり消えてしまうのならば
私はこうするしかない
私はこうするしかない


空は青い
時々燃えるように赤い
草木は緑
花はそれぞれ
ああこの世界は
色に満ち溢れている
目に突き刺さるほどの
輝きをもちながら


そんなこの世界を真っ黒に
塗りつぶすことが出来たとして
その世界の何処を
愛せばいいのか分からない
ただ傷付かずに済むだけ
今の世界よりも幾分かましだろうか


ああこの世界を真っ黒に
塗りつぶすことなどしたくはない    
今ある世界を    
精一杯愛していたい
でも傷付くのはもう怖い
臆病な私をどうか誰か止めて下さい




あとがき
こんにちは。新山栞です。
前作とは一変しまして、暗いテイストの詩を書いてみました。ある日なんとなく窓から見える夕焼けを眺めていたときにふっと降りてきた言葉を元にしたものです。
作っている間はずっと、何かに絶望してしまった女の子のイメージが頭の中に張り付いていました。
傷付いて傷付いて、もう立てない。いっそ世界が淡々と流れる無機質なものになってしまえばいいのに。でもその世界で果たして生きる意味なんて見つけられるのだろうか。
そういう悶々とした気持ち、葛藤を込めてみたつもりです。

感想、アドバイスお待ちしております!励みになりますのでお気軽にどうぞ(*´∀`*)
ではまた来週!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?