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#90 旅するろう者─ベトナム ハノイ編─

こんにちは、理事長の臼井です。
忙しい日々が続いていたので、8月に長めの休暇をとって、ベトナム(ハノイ市)と韓国(ソウル市)に行ってきました。
今回は、ベトナムでの体験についてご紹介します。

1. コミュニケーション方法

ベトナムには、2005年以来、約20年ぶりに訪れました。
ハノイ市ではトヨタやマツダの車が走っており、都市部の発展も見受けられましたが、依然として数多くのバイクが街を行き交い、まだまだバイク文化が根強いように見えました。

現地の方々とのコミュニケーションは、主にジェスチャーGoogle翻訳、そしてYY音声認識アプリを使用しました。Google翻訳の場合、相手にベトナム語を話してもらうことができましたが、翻訳されたベトナム語に誤りが多く、相手が何度も言い直す場面が多かったです。日本語の翻訳も多少不自然でしたが、大まかな意味は理解できたので「大丈夫」と伝えたものの、「いや、もう一度言わせてください」と訂正してもらうことが多くありました。

2. 手話ガイドの体験

東南アジアの多くの地域では、ろう者が手話ガイドとして活躍しています。ハノイ市にも手話ガイドがあり、それを利用しました。

私が利用したのは、【Deaf Travel Vietnam】という団体のガイドで、料金を支払うと私のリクエストに応じて市内を案内してくれました。歴史博物館では、展示物に付属するベトナム語の説明文を、国際手話や日本手話に翻訳してもらいました。ガイドの方の中には日本に留学経験があり、日本手話が堪能な方もいらっしゃいました。

手話での説明は、非常に臨場感があり、歴史や文化に引き込まれる感覚を味わいました。日本国内でも手話ガイドの導入が進められていますが、まだまだ普及には時間がかかりそうです。今回の体験を通じて、手話ガイドの魅力を改めて実感しました。

3. 国際手話とデフリンピック

2025年10月に日本でデフリンピックが開催されます。この大会では、世界中からろう者が集まります。国際手話を使う場面も多くなるため、都内では国際手話講座の申し込みが増えているそうです。

国際手話はデフリンピックや「世界ろう者会議」など、国際的な場で使用される共通手話です。全てのろう者が国際手話を話せるわけではありませんが、それでも、異なる国のろう者同士がコミュニケーションをとるために重要な手段となっています。

参考:日本ASL協会「動画で学ぼう!国際手話」
http://is.npojass.org/

次回は、韓国 ソウル編です。お楽しみに。


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文:臼井千恵


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