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#56 理事長からのお便り

こんにちは。NPO法人にいまーるの吉井です。
先日、理事長交代のお知らせをいたしました。

新理事長の臼井から、にいまーるスタッフ向けに週1回、『理事長からのおたより』と称してメールマガジンが配信されています。

現在のにいまーるは創立当初よりスタッフも大幅に増加し、それに伴い一人一人との密なコミュニケーションを取ることが難しくなり、経営理念や知識・ノウハウを共有する場が減ってきていることに問題意識が芽生えました。

もちろん一般的に組織とはそういうものですが、このメールマガジンは今一度にいまーるの目指す場所を共有し、それを失わないために始め、今もなお継続しています。

今回はその『理事長からのおたより』より、1つ内容を公開いたします。
にいまーるの想い、理事長の想いを感じていただければ幸いです。


先週土曜日は手話サロンひるかめ、日曜日は手話技能検定試験が行われました。
両日とも無事終了できたのは運営に関わったスタッフたちのおかげです。ありがとうございます。
 
今週は、特別支援学校から一人、高校生の実習生が手楽来家に来ます。
来年4月から手楽来家の利用を検討されています。
そして、グループホームの新しい利用者候補の方も火曜日〜木曜日まで来所されます。他に、8月から続いている学生ボランティアも数名いらっしゃいます。
 
他の施設やNPO団体の経営者からは
「なぜボランティアがこんなに集まるのか」
「一体どうやって集めているのか」

と不思議がられるくらい、にいまーるを立ち上げた当初から、
特に新潟大学の学生さんたちには途切れることなく代々、手楽来家とかめこや、そして手話サロンひるかめに関わってくれています。
 
その度に、一人ずつ「ろう難聴者の現実」や手話について話をしてきましたが、数年前から規模が大きくなるにつれて私自身が丁寧に関わることが難しくなってきました。
 
それでも聴者の職員が通訳したりフォローしていたおかげで
学生スタッフとして特にグループホームかめこやでは貴重な戦力になっています。
学生スタッフからは、パートも含めた職員たちが年上なので社会勉強になる、と言っています。 
大学での机上の理論だけでは学べない現場で、利用者さんや職員との関わりを通して「社会とは何なのか」を肌で感じ取ってもらい、学びを深めてもらっています。
 
手楽来家とかめこや、ひるかめ、
それぞれの空間に本人の感性が「合う」「合わない」はあります。
 
「手話の世界って何だろう」「ろう難聴者とうまく話せるのかな」と色々な感情が交差しながら、にいまーるの扉を叩いてくれたこと、
わざわざ自分の時間を投資(交通費を自己負担で)してもらったという事実に向き合い、利用者さんたちと繋がるきっかけを提供するのが職員(学生スタッフも含めて)の役割なのかもしれません。
 
もちろん、お互いが人間なので相性はあります。
私が現場にいた当時、いつも意識していたことは「(特に初回や慣れていない人が)一人ぼっちになっていないか」「帰る前に、また次も来てもらえるよう声をかけよう」。
 
その度に利用者さんに繋げたりもしました。
利用者さんにとっては「せっかくの休息なのに、聴者と頑張ってコミュニケーションを取れっていうのかよ」と思っていたかもしれませんが、
結果的には聴者と関わりが持てる機会になり、自ら率先して色々教えるようになったろう者ももいました。
手楽来家とかめこや、ひるかめはホームであり、まだアウェイ感を持っている人に寄り添うことこそが、人としての最大限の配慮なのかもしれません。
 
この配慮が一つの種まき活動であり、いずれ社会に出ていく人たちがどこかで、ろう難聴者に会った時に「にいまーるでの経験」を活かしてもらえたらと思っています。
もしかしたら、その小さな出会いが社会を大きく変えるきっかけになるかもしれません。 
 
特に手楽来家では、職員の皆さんにとって利用者の支援だけで精一杯かもしれませんが、ボランティアをお客様扱いにしすぎず、コミュニティの一員として上手に巻き込んで対応してもらえたらと思います。
 
今週もよろしくお願いします。

(にいまーる理事長からのお便りvol.3より一部再編集)


今後も公表できる内容は少しずつ公開していければと思っています。

また、このお便りに関する想いを臼井本人も個人のnoteにしたためているので、そちらも併せてご覧いただければと思います。

今後ともにいまーるの応援よろしくお願いします。


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文:吉井大基
Twitter:@dyoshy_


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