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令和四年のウクライナ危機

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令和三年末にウクライナ周辺にロシア軍が集まってきてから投稿してきました。ここにまとめます。 もっと前からワーニングは出ていたにもかかわらず防ぐことはできませんでした。
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2022年4月の記事一覧

ウクライナ戦争の裏で

ウクライナ戦争の裏で

2022年2月24日の開戦前にロシアによるウクライナ侵攻についてシミューレートしていたが大きくハズレた。ウクライナが予想外の強い抵抗を示し、ロシアを押し返したのだ。

ウクライナ軍の強力な反撃には次のような要因があると考えている。

次の2つは以前から言われたことであるが非常に効果的だった。

開戦前、米軍がジャベリンなどの西側防御兵器の大量供与(ウクライナがこれらを活用できるように訓練されていた

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21世紀の新ドイツ帝国の台頭

21世紀の新ドイツ帝国の台頭

トッドの『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』を読んでいて、ウクライナ戦争の果てにNATOやEUの解体とこれらを吸収した新ドイツ帝国の台頭があるかもしれないと思えてきた。

トッドはイギリス好きのドイツ嫌いのフランス人人類学者という印象だ。だから、彼の言うドイツ脅威論は偏向しているのではないか?とも思う。しかし、ブレグジットの実現やフランス大統領選挙での争点などから、ヨーロッパの強国がドイツ支配を逃

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ロシア孤立化戦略🇷🇺次の一手

ロシア孤立化戦略🇷🇺次の一手

令和四年四月十二日現在、米国を中心とする西側諸国はロシアの国際的な孤立化によるプーチン政権の打倒およびロシア連邦の解体・簒奪を目的として世界各国に協力を呼びかけている。

国連人権委員会からのロシア除名の投票で見られたように各国首脳の反応は鈍く、覇権国家アメリカの指示に面従腹背の構えだ。

日本は米国の戦略が失敗に終わる可能性を考慮し、国家の存亡をかけた独自の戦略を策定・実行に移したほうが良い。

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ロシアについての意見の相違

ロシアについての意見の相違

ロシアについて反ロシア派とロシア擁護派に分かれているかのように発信する人がいるが、そのようには見えない。

「ロシア擁護派」のレッテルを貼った側の言い分は次のようなものだ

一方、「ロシア擁護派」のレッテルを貼られた側の言い分は次のようなものだ

どちらも日本のことを心配している

レッテルを貼った側も貼られた側も日本の将来を憂えている点は同じだが、何をリスク・危機と考えているかが違う。

どちら

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介入主義者と孤立主義者

介入主義者と孤立主義者

松田学さんとの対談でロバート・エルドリッヂさんがお話されていた「介入主義者」というキーワードは今のアメリカを表すのに適切な言葉と感じた。

横軸を民主党と共和党。縦軸を介入主義と孤立主義にとって、2✕2の四象限を考える。1990年代のクリントン政権以降の大統領を割り当てると下図のようになる。

介入主義は【ネオ】という言葉でも表される。日本語ではさしづめ【革新】といったところだろう。

ネオ・リベ

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