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土居名誉名人 「将棋必至の研究 歩の使い方」Part.9

土居市太郎「将棋必至の研究 歩の使い方」第18問 3手必至

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再掲問題図

【解答】
▲2三銀(途中図) △同銀 ▲3三銀(解答図)

 △2二玉~△2三玉と逃げられないように攻める必要がある局面。まずは▲2三銀(途中図)と逃げ道に捨てる。

途中図

対して△同金は▲4一と△同玉▲4二金(参考図1)までの詰み。

参考図1

 本譜△同銀には▲3三銀(解答図)と更に捨てて必至となる。

解答図

 解答図以下

①△同金は▲4一と△同玉▲4二金(参考図2

参考図2

②△同桂は▲6一飛成△2二玉▲2一金△1二玉▲1一金△2二玉▲2一龍(参考図3

参考図3

 

なお、代えて問題図で

再掲問題図

①▲4一と△同玉▲2二銀は△5二歩(参考図4)くらいで寄らない。

参考図4

②▲1二金△同香▲1一銀は△3三角(参考図5)が受けの妙手で寄らない。

参考図5

参考図5以下
A▲6一飛成は△5一歩の底歩(参考図6)が利く。

参考図6
以下▲同とには△1一角と銀を外して受けきり。

B▲4二銀は△同金▲同と△同角▲5二飛成△3二玉(参考図7)で、上部に逃げられる。

参考図7

問題図に戻る。

再掲問題図

③▲3三銀△同桂▲2三銀の手順前後は、△2一玉(参考図8)の受けが生じる。

参考図8

 参考図8以下

A▲6一飛成は△3一歩(参考図9

参考図9

B▲3一金は△同金▲4一と△2三銀▲3一と△同玉▲2二金△4一玉▲2三金△5二金(参考図10)でいずれも受けきり。

参考図10

C▲4二とは△2三銀▲3二と△同銀▲2三金△2二金(参考図11)と進む。


参考図11

参考図10以下▲3二金△同金▲2三銀なら△同金▲3二金△1二玉▲3三金△2二香(参考図12)で後手受けきりとなる。

参考図12

また、D▲3二銀成は△同玉(参考図13)で

参考図13

参考図13以下
a▲5三とは△2三玉(参考図14

参考図14

b▲1四金△同歩▲4一とは△2三玉▲2二金△1三玉(参考図15)で逃れ。

参考図15
以下▲3二飛成は詰めろにならない。

今回の問題は失敗手順の中に受けの妙手が隠れている良問でした。必至問題には正解手順や失敗手順に受けの妙手が隠れていることがあり、実際の手数以上の奥深さを秘めています。

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