日本の英語を考える会

私達の生活の中には、たくさんの英語が溢れています。街中の看板。行政のウェブサイト。公共…

日本の英語を考える会

私達の生活の中には、たくさんの英語が溢れています。街中の看板。行政のウェブサイト。公共施設の案内版。でも、その中にはちょっと変じゃない?これで伝わるかな?といった英語もたくさん。せっかくですもの、伝わる英語で正確に伝えたい。そんな思いの仲間達が意見交換、情報発信するグループです。

マガジン

  • 日本の英語オブザイヤー

    弊会が毎年末に選考・発表している「日本の英語オブザイヤー」関連記事です。

  • 自治体の英語HPを考える

    弊会のブログより自治体の英語HPに関係する投稿を纏めております。

  • 和製英語、カタカナ英語を考える

    弊会ブログより和製英語、カタカナ英語に関する投稿を纏めています。

最近の記事

リケジョを英訳すると!? ~ 生成AIとアンコンシャスバイアス

楠田倫子 さる3月8日は「国際女性デー」でしたね。私の勤務する会社では社会貢献活動として女性科学者の活躍支援を長年行っており、「国際女性デー」にちなんで、科学領域におけるジェンダー格差について外部講師を迎えて社内イベントを行いました。 その折、講師から興味深いことを教えていただきました。 「理数系の女性」を意味する「リケジョ」をAI翻訳のDeepLにかけるとどう英訳されるのか?  結果はこちらです。 和訳すると「恋愛や女性的な興味などを犠牲にしてキャリアを追求する、と

    • ネイティブチェックをしないのは昭和の昔から。。。?! ~ 70年大阪万博の英語サイン

      楠田倫子 先日、関西方面に旅行をする機会があり、大阪の万博記念公園へ立ち寄りました。園内の「EXPO'70パビリオン」には1970年万博開催時のさまざまな映像や資料が展示されており、そのひとつひとつから「国家の威信をかけて!」という当時の気迫が立ち上ってくるようで大いに感動しました。 なのですが。。。そのパビリオンの最後、出口付近でこんな展示物を発見↓ う~ん。。。英語表記、なんだかヘンですよね??? THEAM → 正しくは THEME (テーマ) MINITS → 正

      • 新宿とシンズク

        鶴田知佳子 1月23日、文化庁の有識者会議が、複数の表記法が混在するローマ字表記の「統一」に向けて、内閣告示の改正を目指す方針を示した(読売新聞1月24日)。何のことかと言うと、実はローマ字には私達がよく目にする「ヘボン式」と、1954年に日本政府(内閣)が告示したいわゆる「訓令式」の二通りがあるのだが、これについて有識者たちが、「もうそろそろいい加減、ヘボン式に統一しませんか」と提言した、というニュースだ。驚くべきことに、地名などではいまだにヘボン式と訓令式が混在している

        • 「生成AIと翻訳~地方自治体の事例を中心に~」勉強会

          2024年3月10日 鶴田知佳子 日本の英語を考える会では、オンラインで「生成AIと翻訳~地方自治体の事例を中心に~」というタイトルで、明治学院大学の櫻井成一朗先生にお話を伺いました。30分ほど、ご講演をいただいたあと、参加者からの質疑応答に時間をとっていただきました。 まず、生成AIとは「プロンプトから生成物をつくるAI」ということで2022年11月にChatGPTが登場して以来第三次AIブームの中生成AIブームとなったこと、最新の熾烈な競争ではマイクロソフトが1.58

        リケジョを英訳すると!? ~ 生成AIとアンコンシャスバイアス

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          【英語看板のお手本】第8回「自転車は降りて通行」

          By 鶴田知佳子   【よく見かける場所】   ・公園・遊歩道の歩行者優先の場所 ・ショッピングセンター・遊園地等の施設内   【英語表現】 Walk your bike 自転車は降りて通行 (じてんしゃ おりて つうこう)   Do not ride a bicycle 自転車からおりて歩いてください   Walk your bike 自転車を降りてください   【解説】 世間で自転車に頼る人は、特にコロナ渦を通じて増えたと思われます。また、外国人が日本で生活するにあたって

          【英語看板のお手本】第8回「自転車は降りて通行」

          AI翻訳の現在地

          鶴田知佳子 2023年も押しせまった12月4日、「日本の英語を考える会」は、AI翻訳をめぐる最新の知見に接する機会を得た。隅田英一郎先生と言えば、『AI翻訳革命 あなたの仕事に英語学習はもういらない』というなんとも意味深(英語教育者にとって)な著書で名高いAI翻訳の専門家である。正式には国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のフェロー、またアジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)の会長でもあられる。この隅田先生の日本橋オフィスに会のメンバー5名が伺い、機械翻訳についてお話

          【2023Word】I'm wearing (pants)…!

          楠田倫子 今年印象に残った英語表現を振り返るシリーズ。今回は「Don't worry, I'm wearing (pants)…!」をお届けします。 お笑い芸人のとにかく明るい安村さんが持ちネタの「安心してください、履いてますよ!」をイギリスの人気オーディション番組「Britain's Got Talent」で披露したところ大ウケ。日本国内でも大きな話題になり、今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」Top 10 にランクインしました。  「安心してください、履いてますよ!

          【2023Word】I'm wearing (pants)…!

          【2023Word】インキャだからモブキャ

          加藤 麻子 先日スクールで小6年女子の英語の授業をしていて、お決まりの What's New? を尋ねたところ、学芸会の練習をしていると言う。「何の役をするの?」と訊いたところ「風船売りの役。私ってインキャだからモブキャなんです。」と答えたので、「モブなんて難しい英語知ってるのね。すごい!」と褒めると、「えっ?モブって英語なんですか〜?」と言うので、「そうよ、群衆のこと」と説明すると、「へ〜、日本語だと思ってた。」「その単語、いつから知ってるの?」「えっ、生まれた時からだと

          【2023Word】インキャだからモブキャ

          【2023Word】ウィズ・フェイク 〜 フェイクと共に生きる

          加藤 麻子 2021年のNNE Word of the Year に選ばれた「ウィズ・コロナ」があまり聞かれなくなった今年、個人的に気になった言葉は「ウィズフェイク」だ。 日本人は "Let's"と同じくらい "with" が好きなようで、NHKでも「….ウィズフェイク時代をどう生きるか。。。」といったニュースを流している。 「フェイク」というカタカナ語は、アメリカのトランプ元大統領の「フェイクニュース」(虚偽報道)を連想させるが、"Fake News" という言葉 は1

          【2023Word】ウィズ・フェイク 〜 フェイクと共に生きる

          【2023Word】「ダブル合体」カタカナ英語でイメージアップ

          2023年12月18日 鶴田知佳子 英語を換骨奪胎して、自分たちの知識と発想で、元の言葉と似て非なる、あるいは元の言葉ではこんな使われ方はない、といういわゆる「カタカナ英語」にする天才が日本人である。実によく実態が表されていてわかりやすい表現のカタカナ英語に感心することが時折ある。 先日、あるイギリス人とお昼を食べる場所を探しているときに目にはいったのがキッチンカーの文字。このイギリス人が「今日の定食」を表に出した和食の店に惹かれて入ることにしたので、キッチンカーのお世話に

          【2023Word】「ダブル合体」カタカナ英語でイメージアップ

          【2023Word】ウェルビーイング

          2023年12月15日 鶴田知佳子 「日本の英語を考える会」のメンバーは、カタカナ英語を絶対悪とみなしているわけではない。「英語学習の妨げになる場合もあるかもしれないが、どうしたって適切かつ分かりやすい日本語訳が見当たらなければ、カタカナ英語の使用はやぶさかではない」と皆思っている。そんな思いをあらためて強くさせた言葉が最近日本で市民権を得つつある。その語こそ、今回のタイトル「ウェルビーイング」である。   ウェルビーイングと「ハピネス」の違いは何だろう、とあれこれ検索して

          【2023Word】ウェルビーイング

          【2023Word】NNEワードオブザイヤー今年の方針変更

          2023年12月13日 鶴田知佳子 いままで、「日本の英語を考える会」では、NNE今年のワードオブザイヤーとして、和製英語部門および公共の場における英語部門を選んできました。今年については、メンバー各自がそれぞれ気になるワードについて、このブログに書くことに変更します。 ちょうど、折しも今年の新語・流行語大賞が選ばれて、それについてもさまざまに記事が出ているところです。 私が個人的に面白い都思った記事はこれ、12月13日付け産経新聞17面の記事「阪神スローガン、来季も

          【2023Word】NNEワードオブザイヤー今年の方針変更

          【英語看板のお手本】第7回「エスカレーターでの注意:身を乗り出さない」

          2023年11月12日 By 鶴田知佳子 【よく見かける場所】 ・電車、地下鉄、汽車等の駅のエスカレーター ・空港・ショッピングセンター・遊園地等の施設内のエスカレーター 【英語表現】 身を乗り出さない Do not lean over handrail 手すりに乗らないでください Do not lean or climb on the handrails 危険ですので身を乗り出さないでください Do not lean over the handrails. Do

          【英語看板のお手本】第7回「エスカレーターでの注意:身を乗り出さない」

          ハラハラするロジハラ

          2023年11月12日 鶴田知佳子 「日本の英語を考える会」にブログの読者から問い合わせがあった。ある新聞のクロスワードパズルの回答として、「ロジハラ」と答えさせる出題があって、はたしてこれは新聞のクロスワードパズル問題でとりあげられるほどに広まっていることばなのか、というものだ。ロジハラとは、他人に正論を突きつけて攻撃し、混乱させたり、自信を奪ったりする嫌がらせのことである。この人は「ロジハラ」が和製英語ではないか、果たして市民権を得ているほど広まっていることばなのか、疑

          ハラハラするロジハラ

          【英語の看板のお手本】第6回「授乳室」

          見かける場所: 商業施設内、公共施設内、会社内  大学などの教育機関(建物内で外から見られないような個室など) 英語の表現:   Nursing Room                          Mother's Room/Mothers Room                          Nursing Mother's Room/Nursing Mothers                          Lactation Room 解説:「授

          【英語の看板のお手本】第6回「授乳室」

          【英語看板のお手本】第5回「緊急避難場所」

          【見かける場所】 ·       道路標識 ·       公共の建物 ·       緊急避難指定場所 【英語表現】 EVACUATION SITE /   Evacuation Site 避難場所 EVACUATION CENTER  /  Evacuation Center 避難所 (Siteに比べてCenterの方が長期間滞留できる施設のニュアンス) EMERGENCY EVACUATION CENTER  /  Emergency Evacuation C

          【英語看板のお手本】第5回「緊急避難場所」