見出し画像

ママチャリ(にほんご どうぞ#1)

「ママチャリ」という言葉を聞いたことがありますか。
ママは「お母さん」、チャリは「チャリンコ」つまり「自転車」の俗語です。カジュアルな会話では自転車のことを時々チャリンコと呼ぶことが多いです。

 では、「お母さんの自転車」という意味でしょうか。はい、お母さんたちが使いやすく、乗りやすいタイプの自転車を一般的に「ママチャリ」と言います。

 ママチャリの大きな特徴はまず荷物を入れるための大きなバスケットがついている点、それから6歳ぐらいまでの子供が座れるようなシートがついている点です。
 子供が大きくなったら子供用のシートは外しますが、大きなバスケットはそのまま残すことが多いです。スポーツ用の自転車やマウンテンバイクとちがって、ママチャリにはちょっと「ダサい自転車」という意味もあるようです。私の育った大阪では60代、70代の女性でも元気にママチャリに乗って外出する姿がよく見られます。


 もちろん、老若男女問わず多くの大阪市民にとって自転車は愛着のある乗り物だと言えるでしょう。

 生まれてから30代まで大阪市内に住んでいた私にとっても自転車は大切な移動手段の一つでした。
 3-4歳の頃から三輪車のような、後ろに小さい補助輪がついている自転車に乗り始めましたが、幼稚園には母のママチャリの後ろのシートに乗せてもらって通っていました。

 6歳ごろ、大人と同じタイプの補助輪がない自転車に乗ろうとしたときには、父親と一緒に毎日練習をしました。何度も転んで泣きながら練習したものでした。が、ある日突然、すすすーっと気持ちよく自転車をこぐことができるようになり、それ以来、私の「自転車でのひとりだち」が始まりました。自転車で行ける所ならどこへでも行くことが生活の一部となりました。  

 冬は寒くて少し大変でしたが、通勤ラッシュの満員電車に乗るより、渋滞してノロノロ進むバスに乗るよりは快適でした。そして、春には大阪城公園の満開の桜の木のそばを自転車で走り抜けるのが大好きでした。

 今、私は香港に住んでいます。香港では残念ながら自転車に乗る機会はめったにありません。休みの日にレジャーとして川沿いの公園でレンタル自転車に乗ったことはありますが、移動手段として使うことはありません。すこしさびしく、大阪での自転車の思い出を懐かしく思っています。こんど、一時帰国したら妹のママチャリを借りて大阪市内をうろうろしたいなと考えています。

電動ママチャリ1

#日本語の勉強 #多読 #学習材 #JLPT N2