ミズトレイ

内閣府所管(一財)生涯学習開発財団認定マスターアートワークセラピスト Canadian…

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内閣府所管(一財)生涯学習開発財団認定マスターアートワークセラピスト Canadian International Institute of Art Therapy Clinical Art Therapy Diploma 取得見込 京都芸術大学 日本画コース卒業

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最近の記事

<産後うつ>出産したらベランダから飛び降りそうになった。

いつもは日本画とアートセラピーの重なりについて書いているこのnoteですが、今日はちょっと毛色の違う記事です。 何でかというと、ライフイベントのトップ5に入る妊娠中だからです。不妊期間が長かった私にとって、新たな命を授かり、この世に生み出す、という奇跡を自分の人生で味わえることは夢のように幸せな経験です。 と、同時にひっそりと心の中で「怖い…」と思っている自分もいます。 出産目前の私が恐れていること、それは「私、ベランダから飛び降りたくなるんじゃないか」ってことです。

    • 日本文化が「古くて・新しい」のはなぜか?<極私的考察>

      文化って言葉からは、歴史の重みや由緒正しき伝統のような、重くて堅苦しいイメージが同時に浮かんできます。 しかし実際、私が日本画を通して触れた日本文化って、そうじゃないんですよね。 斬新で新鮮で本質的な印象があるし、ぱっと視界が開ける感じがある。 これはどこから来るのかな?って思っていたのです。 目次 1. 「Reframe」というきっかけ 2. 日本文化の感性は、多角的で多面的 3. 体験があるから、成長・変化を促す 4. 日本文化が「古くて・新しい」秘密 1. 「R

      • 公教育のレールに乗るのがしんどくなってしまった子&若者たちのための「居場所」<クラファンスタート>

        この春、社会に馴染みづらい子ども&若者たちの「居場所づくり」をスタートさせました。 発達障害、不登校、HPC、性的・民族的マイノリティなどがあり、公教育のレールに乗るのがしんどくなってしまった子&若者たちのための、「安心できる居場所・再出発のためのセーフティスペース」を作ります。 家でも、学校でも、居場所がない。 これからどうしていいかわからない、自分の価値が見出せない、自分は誰にも理解されない…そう感じてしまったまま、社会からドロップアウトというケースは非常に多いです。

        • 精神病院をなくした町【イタリア】

          「精神病院をなくした町がある」と初めて聞いた時、私は衝撃をうけました 「え?どうやって??」 …想像もつきませんでした。 <目次> 1. 「自由こそ医療」 2. 「物体」扱いされていた人々を「人間」として復権させる 3. Dr.バザーリアの取り組みの課題 4. 日本の取り組み 1. 「自由こそ医療」精神病院をなくした町は、イタリア北部のトリエステ市にあります。 ブーツを履いた足でいえば、膝裏の辺りです。 改革派の医師、Dr.フランコ・バザーリアが行った地域に開かれた精

        <産後うつ>出産したらベランダから飛び降りそうになった。

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        • これも日本画
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        記事

          「お茶飲もう」を、茶道へ高めてしまう”日本的心性”、その正体とは。【極私的考察】

          最初に書いておきますが、わたくし茶道に関しては全くのトンチンカンでございます。すみません。 このnoteの主題である「日本画とアートセラピーの重なり合う領域」の研究を進めるうちに、私が「はて?」となった瞬間があったんです。 いわゆる「〜道」と呼ばれる芸道文化や、精神修養の意味合いを持つ伝統芸能って「今、全然メンタルヘルスケアとして活用されてなくない?!」と。 <目次> 1. 日本文化に即したメンタルヘルスケアは、どこへいっちゃったんだ? 2. 今の心理学は、西欧からの輸

          「お茶飲もう」を、茶道へ高めてしまう”日本的心性”、その正体とは。【極私的考察】

          「意味のないこと、いいかもね…」鬱状態の友人が言ったから、フランスの「”何もしない”をするアトリエ」を私は思い出した。

          1. 鬱状態でも何かを「したい」最近、友人が心身の調子を崩したんです。いわゆる鬱状態とのこと。 エネルギーダウンしている時に、現状打破しようとして動くと、ガソリンが少なくなっている状況にますます拍車をかけて、本格的にエンストになってしまう。 だから、ゆっくりメンテナンスして、ガソリンも入れて、動けるようになってから動くのもいい。 色々話した中で、友人が一番興味を持ったのが、この話題。 私「最近、本当に誰が見るんだ?というニーズのないYoutube始めたよ」 友人「え

          「意味のないこと、いいかもね…」鬱状態の友人が言ったから、フランスの「”何もしない”をするアトリエ」を私は思い出した。

          こころの基礎体力を育てる小学校【カナダのアートセラピー4】

          道を歩けば「ご自由にどうぞ」と椅子が並び、 冬にはキャンペーンバスの窓から、ブランケットが飛んできて、 ビーガンクリームチーズの試供品が、もはや試供品ではなく本製品2パック手渡される…。 カナダではなぜか、私が歩けば、「タダ」のものがやってくる。 バンクーバーの友達に「なんであなたはそんなにラッキーなの!?私は数年住んでるけどそんなのに出会ったことないよ!」と言わしめた。えへん。生活に困ったらカナダへ戻ろうかしら、なんて。 さて、カナダの武者修行シリーズ、第四弾。 私

          こころの基礎体力を育てる小学校【カナダのアートセラピー4】

          「私は、美しい。」という自己肯定【極私的考察】

          今日も、生きています(これは昨日の続き)。 私は、「美しいかどうか」に、めちゃめちゃ左右される人間です。 仕事柄、アートセラピーを取り入れた一般参加のワークショップもやるのですが、十年ほど前のこと。チームで企画したワークショップ名が、既に決まっていて、「その名前はっ!美しくないっ…ううゔ!!!」と半泣きで抗議したことがあるメンドくささを持っています。(その節はすみませんでした、若気の至り。) 一般的な美醜の評価でもなく、ルッキズムに迎合しているわけでもなく、 物事に対し

          「私は、美しい。」という自己肯定【極私的考察】

          人間の寿命は38年。

          明日、私は人間の寿命を超えます。ただし、生きていれば。ですが。 自然のままなら、人間の寿命は約38年──DNAの解析でさまざまな種の寿命を推測する新手法で導き出された数字だ。 DNAメチル化と呼ばれる、DNAの特殊な変化を使って動物の年齢を特定することが出来るらしい。それによると、人間の寿命は約38年。 本当に上手くできすぎた話だと思われるかもしれないが、 ちょうど明日は、私が誕生してから39年目に突入する日である。 そうか、肉体としては「これにて終了。」という時だっ

          人間の寿命は38年。

          虫かごのセミを見て思い出した、私は生きている儚さが怖い。<読書感想文「わすれられない おくりもの」>

          カサ、カサ…。カサ……。部屋に響く不定期で乾いた音。 午前中、ばあばが 息子にと持ってきてくれたセミが、虫かごの中で動く。 このセミは、もう命が短い。 虫かごの中で羽ばたくこともせず、 時折、枝から滑り落ちそうになって、カサッと羽音を立てるだけ。 私は、そういう命が絶えそうな生き物を見るのが、すごく苦手だ。 枯らしてしまうのが嫌で、植物も育てたくなかったし、 自分の采配ひとつで生死を決めてしまうペットも飼いたくなかった。 人は、いつか死んでしまう。 人は、いつか

          虫かごのセミを見て思い出した、私は生きている儚さが怖い。<読書感想文「わすれられない おくりもの」>

          医学の"治療"、セラピーの"ケア"【カナダのアートセラピー3】

          以前、私がアートセラピー武者修行で、単身バンクーバーへ飛んだ時のおはなしシリーズその3です。(その1、2はコチラ) _____________________________________カナダのアートセラピー協会BCATA理事であるミシェルさんが、 職場へ案内してくれました。 バンクーバー市内、バーナビーにある精神保健センター。 余談ですが… ”市内”といっても非常に広く、 ダウンタウンから電車とバスを乗り継ぎ、 1時間かかる場所にありました。 さらに市街地から

          医学の"治療"、セラピーの"ケア"【カナダのアートセラピー3】

          和紙を使ったらアート表現が明らかに変化したので、どうしても考察したくなった話。(和紙編)【極私的考察】

          今回は、タイトル通り、ある事例から発想した仮説を検証していきます。 あるクライエントさんと日本画を共に行った時のことです。 その方は、用意された日本画材の中で、 和紙だけを使い、 そのほかは、普段使い慣れた画材を用いてアートされました。 いつもと違った点は、 和紙、そして私というセラピストがいた2点のみ。 見た目には、今まで使っていた白い画用紙と、白い和紙と、 そう大きな違いはないのですよ。 しかし、しかし。 和紙に描かれたその方の表現は、 第三者の参与観察からも、

          和紙を使ったらアート表現が明らかに変化したので、どうしても考察したくなった話。(和紙編)【極私的考察】

          セラピストがアーティスト【カナダのアートセラピー2】

          以前、私がアートセラピー武者修行で、単身バンクーバーへ飛んだ時のおはなしシリーズその2です。(その1はコチラ) _____________________________________ カナダには、幾つかのアートセラピー協会が存在します。 その中の一つ、 BCATA(British Columbia Art Therapy Association)の35周年パーティへ、招かれました。 協会ロゴは、カナダの先住民美術を思わせるデザイン。 https://bcartthe

          セラピストがアーティスト【カナダのアートセラピー2】

          無を超えていく、無限。人はそれを「余白」と呼ぶのだ。【極私的考察】

          今回は、知っているようで知らない余白のお話。 歴史ある紙屋 中庄株式会社さんのシビれる一文に出会い。 もう、この一文を読んで、余白について書くしかない!と思い立ったのです。 「紙の最大の価値とは余白ではないかと思う。」 日本画といえば、「余白」が多いのも特徴ですね。 私は、なーんにも分からない小さな子どもだった時は、祖母が描いた日本画を見て「背景多いな」って思っていました。おい。 余白という字面だと、なんだか「余っている白いところ」という印象もあって、 余分な部分、と

          無を超えていく、無限。人はそれを「余白」と呼ぶのだ。【極私的考察】

          ガンと共に生きる【カナダのアートセラピー1】

          以前、アートセラピー武者修行で、カナダに単身飛んでしまったことがあります。 夏の終わりに決めて、ハロウィンにはカナダに居ました。 周りからは意外と驚かれなかったのが、逆に意外でしたが、トントンと決まる時ってそういうもんですね。 私が目で見て身体で体験した、カナダのアートセラピーシーン。 インターネットや本では知り得なかった、のびのびと開かれた空気がありました。 ___________________________ がん患者と家族の為の施設「Callanish Soci

          ガンと共に生きる【カナダのアートセラピー1】

          都会でもお家でも、自然の中へトリップ(画材編)【極私的考察】

          10年ほど前、山の中を歩きながら瞑想するワークショップに参加したことがある。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー熊が出ると聞いたので、はじめはドキドキしていた。しばらく歩くと木の一本一本に目を向けて、「この木は何年ここに立っているんだろう」と思ったり、ふかふかで瑞々しい緑色の苔に手のひらを当ててみたりした。 しかし、瞑想と聞いてイメージしたような覚醒する感覚はなく、「まあ山を歩いて気持ちいいな、くらいだったな」と、残念な気持ちで山を降り

          都会でもお家でも、自然の中へトリップ(画材編)【極私的考察】