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続・「維新」とは何なのか…安倍と維新

 前回、「維新」はヤンキー的な「反知性主義」を象徴し、「吉本」やTVなど「メディア」とタッグを組むことで人気を得ているが、その本質は徹底的な利権漁りで政治を食い物にする輩の集団に過ぎない、という指摘をした。

 その「維新」がこの新型コロナの騒動の中、安倍政権が支持率を下げるのと反比例するように支持率を伸ばしている現状がある以上、この「維新」と安倍政権、安倍との関係をいま一度、考えるべきなのは言うまでもないだろう。

 そこで先ず「維新」という集団が出来た経緯を辿ってみたい。

 上の図のように、国政レベルでは石原慎太郎と組んだり、みんなの党や、それこそ民主党と合流したりの変遷を繰り返してはいるが、「維新」の基盤はあくまでも「大阪維新の会」という地域政党であり、それは2008年の橋下徹の大阪府知事就任から始まっている。

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 この橋下徹が当選した大阪府知事選なのだが、橋下が不思議な幸運に恵まれた選挙と言っていいだろう。

 大阪で大きな力を持つ財界は関西電力を中心とした組織であり、その関電との関係の深い経産省官僚出身の太田房枝が2期知事を務めていた。
政治的にも反共産で一致する自民・公明・民主が相乗りしていて太田の3選も決まりに思えていたのだが、その太田が事務所費や高額講演料など「政治とカネ」の問題で叩かれ、3選断念に追い込まれる。

 結果、民主党が大阪の財界にもウケがいい、元大阪大学教授の熊谷貞俊の擁立を決定。自民・公明も相乗りする筈だったのだが、その直前、2007年11月の大阪市長選で民主党の推す新人の平松邦夫が自公推薦の現職市長を破るということが起きてしまい、その遺恨が自民・公明に相乗りではなく独自候補擁立の動きを加速させる。

 そもそもその2007年というのは、第一次安倍政権が強引な政権運営と不祥事による辞任ドミノでマスコミや世論の袋叩きにあい、9月に辞任に追い込まれた年。
自公政権の基盤が危うくなって、民主党政権への期待が高まっていった時期だけに、余計に危機感を持った自民・公明が大阪での独自候補擁立に動いたのだろう。

 そこで目をつけたのが、当時、TV番組で急速にその知名度を上げていた弁護士の橋下徹。彼自身も地元の大阪府知事選への意欲はずっと見せていて、堺屋太一などに推されるカチタで出馬を模索していたが、自公からの推薦の確約がとれるまでは『出馬は2万%ない』と否定していた有り様。
それが自公の推薦を得て出馬し、選挙となった訳だが、結果は50%を超える得票率という橋下の圧勝。

 今になって思えば、その時の対決相手が大学教授であり、今にまで続く大学教授やインテリを攻撃した時の大衆の手応え、有権者の反応の良さが「維新」の反知性主義の原点になっているのかもだ。勿論、その時の大阪の有権者にあったのは横山ノックを当選させたような気持ち、有名人好きという軽いのりに過ぎなかったのだろうが。

 で、大阪府知事になった橋下だが、選挙以降も自らの支持基盤である自民・公明が率いる与党政権の凋落が止まらない結果、自公離れを模索していくことになる。
事実、当時の橋下は2009年8月の総選挙後に『国の形が変わる可能性として民主党に軍配が上がった』と民主党にすり寄るような発言をし、自公離れを果たす。そして、2010年4月に自公に代わる自らの与党として地域政党「大阪維新の会」を立ち上げることになったのだ。

 この時、「大阪維新の会」に加わったのが松井一郎など33人の府議。そのほとんどは自民党の府議だった訳だが、これは彼らが当時、政権の座を追われた自民党を見限って大阪での府政与党になる為のクーデターというだけの話だし、その大義名分として「大阪都構想」を打ち出しただけなのだ(そもそも二重行政は前任の大阪府知事や大阪市長も取り上げていた問題であり、「大阪都構想」に至っては太田前知事のアイデア)。

 また、このクーデターで忘れてならないのは、自民党府議団の政調会長の経験があった松井一郎、副幹事長だった浅田均などを除けば下っ端ばかりということ。
当たり前の話だが、大阪の自民党の主流派は中央を見限ることなど出来ないし、関西財界などとの強い絆もあった訳で、選挙にも不安はなかった筈。
逆に「大阪維新の会」に集まった連中は、そういう大きな後ろ楯もなく、政権から脱落した中央の自民党に付き合っていれば、自らの議員の地位さえも危なかったということだろう。

 事実、この頃の橋下や「大阪維新の会」を支えていたのは、企業で言えばサラヤやマルハン、パソナなどといった、ある意味、マイナーな所だけだし、団体で言えば中心になったのは、今も「維新」を支える日本青年会議所(JC)や日本会議などのこちらも大組織とまではとても言えない組織ばかりだったのだ。

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 そもそも橋下自身も飛田新地の顧問弁護士だったり、松井が電気設備や同和などの利権といったように、「維新」の面々は、大阪の自民党が本来、繋がっている大きな利権、大企業や大団体といった所とは無縁。そんな半端者、謂わば半グレ集団による自民党内の下克上やクーデターがこの「大阪維新の会」だったと考えれば判りやすい筈。

 だからこそ彼らが先ず目指したのは、今まで自民党と組んでいた関西の大手企業や財界、大組織を自民党から引き剥がして、自分たち「維新」が手を組んで利権を得ること。   

   例えば、福島原発事故の後、橋下が関西電力に「原発反対」というお題目で喧嘩を売ったのも、すぐにその関電と手打ちをして原発再稼働を認めたのも、その為。それこそ創価学会に対してもそうだったが、散々、喧嘩を打ったり、恫喝したりして、その後で手打ちをする…正にヤクザのようなやり方で半グレ集団に過ぎなかった「維新」は自らの利権と勢力を拡大し、大きくなっていったのだ。


 そんな中で登場するのが、その「維新」の勢力拡大に大きく貢献した安倍晋三その人。

 安倍自身は、2007年9月に総理大臣の職を投げ出し、2009年9月には自民党政権そのものが瓦解して民主党政権になった訳で、「大阪維新の会」が出来た当時は不遇の時代。

 その安倍と「維新」が2012年2月26日に思わぬ邂逅を果たすことになるのだ。その辺りのことは以前、ユーチューブにアップした「森友学園」をめぐる問題について解説した動画でも触れたのだが…

 2012年2月26日に大阪で開かれた日本会議系の団体による教育シンポジウムに安倍と前年の暮れ、橋下に代わって大阪府知事に当選した松井一郎が同席して、二人は意気投合したというのだ。 

 因みに、日本会議に関わる「大阪維新の会」幹部の関係で橋下に接近したのが籠池理事長の森友学園だし、あの小学校設立の話もそもそもは安倍ではなく、橋下や「維新」との関係から始まり、安倍と「維新」の蜜月化、首相返り咲きの中で安倍晋三記念小学校へと変化していったと考えるべきだろう。

 話を戻すが、その安倍晋三が2012年9月12日に自民党総裁選で石破を破って自民党総裁に返り咲く訳だが、地方票で圧勝したように、当時の前評判では石破が圧倒的。安倍自身も首相の座を投げ出した前科があり、もし総裁選で破れれば党内に居場所がなくなる訳で、“安倍は負ければ「維新」に行く”という話が公然と語られていたらしい。
ところが、その総裁選で「派閥力学」と石破の国会議員の中での「不人気」が影響して、安倍勝利という思わぬ事態が出現する。

 それだけではなく、民主党政権の失敗もあって、その安倍晋三が自民党総裁どころか、その年の暮れには総理大臣の座にも返り咲くことになる。この僥倖に最も恵まれたのは安倍本人を除けば、勿論、「維新」。

 そもそも「維新」は自民党の一派に過ぎないし、日本会議などの関係も含めて自民党そのものよりも極右という安倍の考えにより近い。
それは教育勅語や日の丸君が代に見られるような教育問題では如実だし、その他の政策でも、改憲に対するスタンスから始まって、どちらも竹中平蔵を重用するように新自由主義的な政策、官民癒着のレントシーキング的な体質まで安倍と「維新」には齟齬がただの一つもない。

 さらに無役だった自分を招き入れようとさえしてくれたのが「維新」なのだから、安倍が優遇しない筈がない。 その一例が「IRカジノ構想」であり、「2025大阪万博」の招致。その他にも「大阪都構想」や、維新を支える「吉本」への支援など、様々なカタチで安倍政権は「維新」に協力している。

 よく「維新」は自民党の別動隊という言い方をする人がいるが、「維新」は自民党ではなく安倍の別動隊だし、安倍の私党そのものなのだ。

 その安倍が自ら招いたこととはいえ、政権の座を追われかねなくなっている現状で、安倍を支持していた勢力、安倍の周囲で利権を貪っていた輩が自民党の政治家ではなく、「維新」の政治家に注目するのは当然。

 安倍の本当の後継者は石破を見れば判る通り、自民党ではなく、「維新」の中にこそいるし、吉村洋文や橋下徹こそが安倍の後継者である事実を私たちはよく知っておくべきだろう。





※Photo by DIAMOND online 

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