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『トイレにいっといれ』の裏話

昨日はPVSF2020Spにて新作アニメPVである『トイレにいっといれ - Lid of toilet - 』が公開しました!

今回は制作秘話は解説したいと思います。

キッカケ

 今回、キッカケとなったのは、とある映像作品を元に作りたかったからです。その作品は西廻り航路さんの『Lid of toilet』というFLASHアニメです。『Lid of toilet』は16年前の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のFLASH・動画板で開催されたオンライン映像イベントで出展されたアニメ作品です。内容はトイレのフタが人に動きで開閉して、結局はトイレのフタが音楽となり、人が踊り出す作品でした。現在はその作品は見ることが不可能ですが、印象に残っていて、私もこんな感じの作品を作りたいと思い、制作しました。
また、自分の作風には一つの物をテーマにした作品(最近だとけん玉、おにぎり、バッグ・グロージャー)を多く、他の作品にはない表現の一つなので今回もその作風で挑戦したいと思って作りました。『クオリティ高い、カッコイイ=凄い』ではない事を見せたかったキッカケの一つです。

絵コンテ・選曲

 絵コンテはこのような形で描いていました。

スケッチで描いている絵コンテ
パート毎での流れを描いた絵コンテ

トイレを軸に強調して、飽きさせない流れにしました。

楽曲はDOVAーSYNDROMEさんの『トイレにいっといれ』です。

普段は映像を終えてから、選曲作業となります。
しかし、今回は映像とのイメージにピッタリな楽曲が見つけたので、何度も聴いてパート毎に振り分けて音同期でのズレが少なくなりました。

また、曲と映像との雰囲気に合う映像演出として稲葉曇さんの『ラグトレイン』を参考にして作りました。

 シンプルで分かりやすく中毒性のある演出にピッタリな映像演出でした。配色が多すぎるとトイレのインパクトが薄くなるので、3色のみでハッキリしました。

トイレのアニメシーンについて

 トイレのフタが開閉するアニメシーンに解説します。まず、素材はAmazonで購入したトイレのプラモデルで使用しました。

Amazonで購入したトイレのプラモデル

私1人でスマホ撮影していましたが、フタの開閉されるにはフタに糸をつけて、開閉されるよう動かしていました。
撮影した映像はフレーム毎に画像へ変換して、Photoshopで作画しました。ワンシーン(開閉するけど動作のみ)で17枚作画しました。今回は右方向、左方向、上方向の3パターンで計51枚作画しました。

編集作業について

  • 3パターンのアニメーション素材はAfterEffectsで編集しました。作画した51枚の画像も編集作業として活用しました。

  • 配色設定はエフェクトの『塗り』『色被り補正』を使いました。Photoshopで作画する際は配色は白(FFFFFF)、黒(000000)と決めておくことで、色被り補正する際に好きな配色へ変えることができます。なので楽曲のパートでの切り替え時に変更しやすくなります。

  • 今回、4列に並んでマスゲームしているシーンではエフェクトの『エコー』を使って残像っぽさを表現しました。

  • 後半の無数に並ぶトイレの背景はパート毎にプリコンポーズにしたレイヤー素材をエフェクトの『モーションタイル』で複数に増やしました。

  • 最後は楽曲との雰囲気に合わせるよう、調節レイヤーからエフェクトの『輝度&コントラスト』と『トーンカーブ』で色調調節し、『ノイズ』で質感をわざと粗くしました。

AfterEffectsで編集した際の仮シーン


最後に(おまけ?もあり)

 以上で解説を終わります。
中毒性がある』『ラグトレインだ』など思惑通りのコメントがあって嬉しいです。久々の長めの映像作品であり、制作期間は約2ヶ月と普段より長めの映像制作となりました。それでも作ったかいがあって本当に良かったです。最後まで見てくださりありがとうございます!

ここから余談としてのおまけですが、実は公開後に別の方がタイトルや内容が異なっているけど、使用した楽曲が同じという出来事がおきました。
その作品はPVSF2022Spで参加されたtama-styleさんの『金糞岳~Mt.Golden Shit~』の予告動画でした。

まさかの楽曲に被りするとは予想外でした。でも、映像制作して作品公開するとき曲が被ることが多々あります。それに作品毎に内容や演出が異なるのでそれも楽しみの一つです。実際に見て『おお!』となりました。

改めまして、ここまで解説記事を見てくださりありがとうございました!


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