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ウクライナ侵攻、泥沼化に懸念


笠井潔さんという作家の小説「哲学者の密室」の冒頭に

第二次世界大戦中のロシアとドイツについて、敵でありながら自国のためにと

どちらも「大量虐殺」を行ったことへの共通概念が書かれています。


ロシアに侵攻されているウクライナのゼレンスキー大統領が、

昭和天皇とヒトラーを並べたり、同国の支援への感謝を伝えるアカウントに

「JAPAN」が無かったり、日本で報道されていてちょっとざわついたところがありましたけど、同情や支援で戦争が終わるのなら、とっくに終わっています。


戦争は正義対正義です。ウクライナが良い悪い、ロシアがどうこう、の問題ではありません。日本のあり方をゼレンスキー大統領が批難するかのような言動をとっていることですが、私も、少なくともプーチン大統領が実際に侵攻を行うまで、ロシアの側に立った考え方をしていました。今はプーチン大統領は、東部の新ロシア派を守るという大義名分を自分でつぶしているので何とも言えません。

けれど、侵攻を始めた途端、核拡散の疑惑やロシア語話者は公務員になれないなどの政策実施、NATOもウクライナに水を向けながら、手のひらを返して、まるでロシアを煽るようなことをしていたり、もちろんそれで実際・侵攻するのが悪くないとは言えないけど、そういった事実の積み重ねや、日本自体の国益を深く考えず


「ロシアが悪いからじゃあロシアを責めましょう」


という日本の態度には一貫性がなく、浅はかとも思っています。


この問題について、日本人がたったひとつ言える確かな事は、国際問題でどっちかに肩入れして怒るべきではない、ということです。この問題のフェーズは泥沼期に移行しつつあります。解決の日の目を見るまで、決して怒るべきじゃありません。

全世界が怒っています。大体がロシアのプーチン大統領に対して。プーチン大統領は、別のものに対して。今、彼がどこの何にいちばんキレているのかは分かりません。当たり散らされているのは、ウクライナの国土と市民で間違いないです。


みんなが怒っているうちは、絶対に戦争は終わらないと思います。

誰が悪いか認めさせて責任を取らせることが、最優先になっている限り終わりません。

必要なのは、話しあいです。怒りで話し合いを終わらせることが、市民の犠牲をひたすら増やす最大の愚行です。



私は社会経済のことに明るくないですけど、経済って、緩やかに物価上昇していくのが良いんですよね?貨幣価値を下げて、不動産等の資産価値を上げて。

また、私が生まれてきてから今までに、消費税は3%から10%までに引き上げられ、その間、バブルが弾けたりリーマンショックが起こっていたり、「失われた20年」と評されたり、アベノミクスが一定の効果を上げたり、キャッシュレス決裁に移行しつつあったり、四半世紀超でもこれだけの変化があります。


何が言いたいかというと、変動相場制なんだから、庶民の「金銭感覚」も絶えず緩やかに変化していくもんじゃないの?っていう。

知人のいうような、一般的な金銭感覚で今がオカシイみたいなことって、

今が「一時的である」というよほどの根拠が無い限り、言えないんじゃないの?っていう。


願わくば早くウクライナ侵攻が終わって、ポスト・コロナに向けての経済政策や、SDGsを進めてほしいですけど、たとえ戦争が終わっても一部の輸入食品やサービスは値上げを続けると思いますね。

むしろ、いままで、値段据え置きで薄利でも頑張る日本の企業努力がスゴかったんです。

ただ、まあ知人のように「それが当たり前」だと誰もが思ってしまうと、日本企業の良さが広く認知されてないということなので、哀しいことです。





ウクライナへの同情とは切り離して、ことを考えるべきと思います。

もっと言えば、報道に煽られ下手な正義感や同情でかんがえて、国民同士で言い争って喧嘩を激化させるより、情報収集自体をやめるか(国際問題なので)損得勘定で考えた方が良いです。


ゼレンスキー大統領の、マリウポリで兵隊が全滅するまで戦う。

けれどそんなことになったらロシアとの停戦交渉は打ち切る。

侵攻当初からゼレンスキー大統領の愛国精神に胸打たれ、肩入れしてしまっている人がいるでしょう。彼は、国のトップとしては正しい態度なのかもしれないけど、他国から傭兵を募ったり、NATOを動かそうとしたり、やっていることが、

「自国だけ傷つくのは癪だから、第三次世界大戦にしてやろう」

そこまでのことは考えていなくても、「そういうこと」なんです。


だから、ウクライナの市民に同情は禁じえなくても、日本で彼の演説をもてはやすのは、絶対違うと思いますね。最後の一人まで戦う!って、ウクライナ国民全員が思っているわけないじゃないですか。自分の子どもを失ってしまって…自分が失ったから他国の子どもも失わないと、割に合わない、なんて、考える親がたくさんいるわけ、ないじゃないですか。


ロシアのプーチン大統領についても、彼の考えをキチンと精査するべきです。

キューバ危機と今回のケースの違い…アメリカはソ連の同胞ではないから、ソ連は鉾を収めました。主人と話すと、各国でメルケル元首相やトランプ元大統領、プーチン大統領と馬が合うトップがすげ代わり、国力低下を予見し彼の危機感が高まったのではないかということです。


だからプーチン大統領を許せというわけではありません。

彼を理解して、停戦交渉を続けることが、世界で今最も必要な事です。

報道を聞く限り、なんだかバカみたいな事が多いんですけど、

外交に携わる方は大丈夫でしょうか。それは日本のメディアがゲスなだけで、

世界がそうというわけでは、ないですよね?心配です。


 兵隊同士が戦うのは仕方ないとして、強すぎる軍事力で傷ついているのは兵隊より市民なんだから、そうなった時点で何においても市民を犠牲を増やさない、停戦を目的に動かないのは、オカシイんです。


今、世界全体がおおむね間違っています。

大衆の愚昧をリアルタイムで見ています。

ロシアが悪いのなんのとか、誰がやった・やらない、どっちが悪い悪くないのと、批難の応酬。


市民が爆弾で死ぬ、今後も続く、それ以上に最悪なことなんて、ないでしょ?

じゃあもうやめよう、どっちが悪いとかは後から考えれば良いことだから。

これが「普通」です。

最優先事項は停戦であって、ロシアへの仕返しではありません。

目的と手段がひっくり返り、今まさに泥沼化しているのです。

第二次世界大戦で、人類全体が学習したはずではなかったですか?


中国の方が日本より、まだ自国のため、そして、世界での自国の立ち位置を考えて

しかるべき態度を取っています。

侵攻時、やたらロシアを批難することはなく、むしろ日本の「中国はロシアを批難しなかった」という見出しの記事を出したことに「あほなのか?」と思いました。

「中国人はここぞとばかりにウクライナ人と結婚しようとする」


バカなのか?


と、思いました。


自由報道や民主化は、自分の頭で考える人たちの社会だからこそ意味があります。国際問題は国民感情で解決しないにせよ、なんの意図があるか、さっぱり分からない、ただ国民感情をあおるだけの報道は害しかないのでむしろ規制されていいと思います。


ロシアは1998年にデフォルトを経験していて、経済制裁に強いという評があります。

ロシアの態度が軟化しないうちから、経済制裁を強めたところで、長丁場になるだろうという暗澹たる予測は立ちやすく、また、日本は最近でいえばロシアとの漁業交渉が危ぶまれました。

日本は、なぜたかだか二か月先、自国の利益を見据えて、「とりあえず態度を曖昧にし、事実を振り返る、情報を整理する」程度の事をしなかったんですか?アメリカに同調しないことが、怖かった??


煽られやすさにドン引きです。叩かれてはいますが、鈴木宗男さんのような人が、日本に一人もいなかったら、日本は滅んでいたと思います。


と、まぁ思わずクソボロに書いてしまいましたが、日本が好きだから心配なんです。戦争に巻き込まれるのは嫌ですし。



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