majiな人に出会うと良くない、という話(加藤よしき)

※これは東京のイベントで配布した、怪しい茶封筒に入っていた手紙の一つを再現したものです。

『禍話』の相槌役の加藤よしきです。この度はご参加いただき、ありがとうございました。せっかくの機会ですので、私の体験談を書きたいと思います。私は『禍話』の放送で、町中で出会った変な人/変な瞬間の話をします。どうも私は「奇人変人との遭遇率が高い」のですが、これは町に限った話ではありません。職場でも、そういう人を引く確率が高いのです。

私はゲームの仕事をしています。変わり者が多い世界ですが、時にはシャレにならない人間もいるのです。

これは、とあるゲームを作っている時のことでした。

シナリオ担当の方が、シナリオを書いてくれませんでした。正確に言うと、シーンとシーンが繋がっていないシナリオを書くのです。たとえばこんなふうに。①主人公と仲間が怪物に襲われる→②仲間が殺された→③主人公は復讐を誓う、という話で②がない。つまり、怪物に襲われるも、②がないから、仲間も生きている。けれど主人公は「おのれ怪物め!」と怒る。繋がってないわけですね。で、「ここシーンが欠けていますけど……」と聞くと、その方は「私は書きたいシーンしか書きたくない」と答えました。それだけ聞くとラッパーみたいでカッコいいなと思うのですが、窓口役だった僕と同僚はマジで堪忍です。「書いてください」と頼むと、その方は「こっちの心を汲み取って、そっちで書いてください」と言い出しました。で、僕らが書くわけですが、先方は「こんなシーン、私の心にはありません」と却下される。僕らはサイキックの試験を受けているのかな? と悩んでいたのですが……。ある時、その人からのダメ出しに、こんな文章がありました。劇中の設定を説明する注釈です。「これは私たちが生きる現実で言うところの、宇宙からのβエネルギーが吸収され、人体が活性化するようなものです」それを読んで同僚一同、全力で脱力しました。「こりゃダメだ。βエネルギー宇宙から得ているマジな人だ。関わった時点で終わってた」そのゲームがどうなったかは……まぁ、説明不要でしょう。

シャレにならないほど変な人はいて、時に最悪の形で関わってきます。そういう人とは、きっと町ですれ違うくらいが一番イイ距離感なのです。もし間合いに入ってしまったら、速攻で距離を取ってください。取り返しがつかないことが起きる前に。

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