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チンパンジー⑳(循環)

植物は霊長類に種子(植物の子供)を遠くまで運んでもらうために果実をおいしく、栄養素は高くなるように進化しました。霊長類がその果実を食べて、移動し、種子を排泄などでばらまき、そこで新しい若い植物が育ちます。森林の循環です。

植物を見ると葉は光合成器官ですので食べられてほしくありません。そこで植物は霊長類に食べられないように苦み、渋みを進化させました。アルカロイドが苦くて、タンニンは渋いです。こういった進化の過程を見ると良く出来ているなと思います。

霊長類が絶滅してしまったら森林はどうなってしまうのか見てみます。種子を運んでくれるものがいなくなってしまいますので、(霊長類だけではありませんが)森林の循環、つまり世代交代がなくなってしまいます。(霊長類が絶滅した森林は、若い木々の密集度が低くなります)結果、森林が死滅してしまいます。森林が死滅してしまいますと、木々を利用しているヒトの生活に影響が出ます。また、森林は土壌の保水力を高めますので、洪水の防止になります。火山などでできた不毛な大地を復活させてくれるのは、植物やそこにいる微生物です。森林の死滅は間接的にヒトの生活に影響を及ぼします。

生態系を維持するために「ヒトを排除する」ことは賢明な考えなのでしょうか。過去の生物の絶滅原因を調べますとそうでないことがわかります。例えば恐竜絶滅の原因の1つが隕石の衝突です(哺乳類説もありますが)。別の例ですが、恐竜が絶滅した約6500万年前を遡ること今から約2億5千万年前のことです。海洋生物の約96%、陸上生物の約70%が絶滅しました。これは火山噴火の過程でメタンガスが大量発生し、大気の構成が変わったと考えられています。どちらも自然災害で、ヒトは関与していません。ヒトの誕生は約700万年前です。

チンパンジーの勉強をしていますとこういった自然との絡みが出てきますので、非常に面白いです。

バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。