令和6年度の主伐再造林地生物多様性評価調査が始まりました。
生物多様性評価調査は、主伐・再造林を行った上田市東御市真田共有財産組合の森林において令和4年度から実施しており、今年度は3回目の調査となります。
その狙いは、主伐・再造林が生物多様性の保全にどのように寄与するかについて、定量的に数値化・見える化することにあります。
今年度は令和6年9月9日に、昆虫調査は筑波大学山岳科学センターの皆さん、植生調査はやまぼうし自然学校の皆さんに参加いただき実施しましたので概要を紹介します。
調査参加者総勢16人による朝の打合せ。筑波大学からは田中准教授ほか学生の皆さん、やまぼうし自然学校からは加々美代表ほかスタッフの皆さん、調査研究チームからは林務課山中さん、上田市森林整備課米田さん、林業振興会の田島が参加しました。
筑波大学チームは昆虫調査、やまぼうし自然学校チームは植生調査を担当し、それぞれの担当部署に就きます。
写真は主伐後カラマツを植えた調査個所の一画です。伐採後に明るくなったカラマツ植栽地の、植生と昆虫がどのように変わっていくかを調べます。
唐辛子粉(写真の赤いもの)を上から播きます。何のためでしょう? クマによる被害を避けるためです。
トラップに落ちた昆虫は1か月後に回収して、種や数などを同定します。
昆虫トラップ設置のあと、植生調査チームが続きます。1m×20m内に現れる維管束植物を隈なく調べます。
隣接する森林(10年~20年後に伐採予定)でも、造林地と同様の調査を行います。
伐採され明るくなった造林地と比べると、植生は比較的単純です。
写真は、調査地の最上部から遠方(菅平ダムの対岸方面)のカラマツ林を見た風景です。この広大かつ成熟したカラマツ林のなかに、明るい造林地が点在するようになったとき、生物多様性にどのような影響を及ぼしていくか、5年後、10年後の調査結果がとても楽しみです。今年度の調査結果は、年度末の報告会で発表のうえ、報告書としても取り纏める予定です。
調査に携わった皆さんご苦労様でした。
(田島 記)