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天の川ってなに?

本記事は、ニードスタッフが業務や趣味について思うままに書き綴るアドベントカレンダー企画「nide.inc ライトニングトーク部 Advent Calendar」の第7日目です。
nide.inc ライトニングトーク部 Advent Calendar 2020

こんにちわ、株式会社ニードの齋藤です。
突然ですが、皆さんは宇宙は好きですか?
宇宙のこと、どのくらい知っていますか?

僕は宇宙が大好きで、初めてなりたいと思った職業は宇宙飛行士。小学生の頃は図書室で宇宙関連の本を読むのが好きだったし、夏休みの自由研究(だったかな?)では、太陽系に存在する星について調べたりしていた記憶があります。

そんな生粋の宇宙キッズだった僕も、色々な遊びや趣味を通して好きなものも増え、結果的にはデザイナーという職業を選びましたが、今でも宇宙や最新天文学に関するYouTubeチャンネルの動画を観漁るような宇宙ボーイ...宇宙アンクル...ミスター宇宙かな?に成長しました。

都心に住んでいると、真夜中に空を見上げても星はほとんど見えないので、宇宙をとても遠い存在に感じている方も少なくないと思いますが、宇宙のことを少しでも知ると、実は宇宙は僕らのすぐそばにある、とても身近な存在なんだと知ることが出来ます。
僕の大好きな宇宙のことをもっと知って欲しい、身近に感じで欲しい。
今回はそんなお話。

天の川ってなに?

空を見上げると星が川のように連なって見えるアレ。
皆さんは天の川がなにか知っていますか?
存在自体は知っているけど、なにかって言われると...なんなんだろう???なんて思ったりしていますか?
これについても、宇宙のことを少し知るだけで自ずと答えが見えてくるんです。

天の川は紀元前・古代ローマから研究が始まり、アレは星雲やガスなんだ!とか、アレは星同士の大気がぶつかって燃えてるんだ!とか、様々な仮説が立てられましたが、天文学の発達によって人類がその正体を解明出来たのは、それから約2000年もの歳月が過ぎた後でした。

中国発祥である七夕伝説では、7月7日に1年に1度だけ彦星と織姫が天の川を渡り出会うことが出来る、というなんともロマンチックな神話で語られ、日本では短冊に願い事を書き葉竹に飾る七夕祭りとして親しまれていますね。

全然関係ないですが、僕の下の名前は「達彦」なので、漢字を聞かれた時は「ひこ」は彦星の「彦」と書きます、と説明するようにしてるため、特に彦星に対しては自分と一心同体に感じられるほどに思い入れがあります。

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稚遊五節句之内 「七夕」

それでは、天の川とはなにか?についてお話ししていきますが、まずは僕らの身近な宇宙から見ていきましょう。

天体の種類と関係性

僕らの住む地球は太陽の周りを回っています。
所謂地動説に寄るものですが、これを疑う人はほとんどいませんよね?

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引用:NASA Image and Video Library | NASA

また、地球の周りを月が回っています。

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引用:NASA Seeks New Partners to Help Put All Eyes on Artemis Moon Missions | NASA

天文学上、太陽のように自らが燃えながらエネルギーを発している天体を「恒星」、恒星の周りを回る地球のような天体を「惑星」、また惑星の周りを回る月のような天体を「衛星」と呼びます。
よって、"恒星 > 惑星 > 衛星"という順で天体が天体の周りを回る、このかたちが基本になります。

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まずは太陽と地球、月で例を挙げましたが、太陽の周りを回っている天体は地球だけではありません。
理科の授業では「水金地火木土天海」と覚えさせられますが、太陽から近い順で、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、という8つの惑星が太陽の周りを回っていると定義されています。

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引用:NASA Image and Video Library | NASA

改めて考えると、曜日の「月火水木金土日」って天体の名前から来てるんですかね?
どう考えても星ですよねこれ。

...というのは置いといて、太陽の周りを回る8つの惑星のうち、地球より太陽に近い水星と金星以外は、地球の月と同じように、その周りを回る衛星が存在します。木星の周りには50近い衛星が回っていますし、その第2衛星エウロパには地球と同じような液体の水があるとされ、生物が存在するかも知れないと言われていたりしますね。
また、太陽系惑星は現在8つですが、その他に準惑星、小惑星、彗星などたくさん天体が太陽の周りを回っていて、現在ではその数はなんと約100万個にも上っています。

太陽を中心に広がる太陽系

太陽の周りには惑星や衛星などたくさんの天体が回っていますが、それは太陽の重力によるものです。
実は太陽から最も遠い惑星・海王星のさらに外側には、「オールトの雲」と呼ばれる小さな岩石やガスなどが太陽の重力によってその場に留められているエリアが存在しています。

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引用:NASA Image and Video Library | NASA

このように、太陽の重力が及ぼすエリアを「太陽系」と呼びます。
太陽系という名称も知らない人はあまりいないと思いますが、この太陽の重力が及ぼすエリアは太陽を中心に直径3光年、光年という単位は「光が1年間に進む距離」のことで、その長さは10兆kmのため、太陽系の直径はkmで表すと、30兆kmということになります。

余りにも大きすぎる太陽系ですが、現在地球から最も遠くにある人工物と言われている、1977年に打ち上げられた探査機ボイジャー1号ですら、43年という歳月を掛けてもまだ太陽系の外には出られていません。

太陽系外の世界へ

太陽系の大きさで既に胃もたれしそうですが、これはまだまだ序の口です。
これからは太陽系の外に目を向けていきます。
ちゃんとついて来てくださいね。

太陽系の中心であぐらをかいている太陽ですが、そもそも太陽は静止しているのでしょうか?
答えはNOです。
太陽も実は別の”ある天体”の周りを回っています。
その天体の名は「いて座A*(イテザエースター)」。
名前だけでもう厨二病心をくすぐられますが、この天体はブラックホール、しかも超巨大です。

ブラックホールというと、その名前からホール = 穴と思われがちですが(時空の穴という意味ではもちろん正しいですが)、その正体はれっきとした球状の天体です。
今回は細かい説明は省きますが、太陽のように自らが燃える天体・恒星がその寿命を終えた後に出来る、言わば"恒星の成れの果て"がブラックホールと言われています。
ちなみに太陽は小さいので寿命を終えてもブラックホールにはなれないらしいですね。
太陽が小さい...?と言われてもピンと来ないですが、宇宙規模では小さいらしいんです。

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引用:NASA Image and Video Library | NASA

話を戻しますが、いて座A*について。
先述した通り、いて座A*は超巨大ブラックホールです。
質量は太陽の400万倍。
太陽は、いて座A*の周りを1周約2億年という時間を掛けて回っています。

太陽系の規模とは比べ物にならない大きさですが、それでも天体の関係性は変わりません。
太陽系では、"恒星 > 惑星 > 衛星"という天体の関係性をお話ししましたが、最前列にブラックホールが追加され、"ブラックホール > 恒星 > 惑星 > 衛星"という形が成り立つことになります。

無数の星々を束ねる銀河

さて、前々項では太陽の周りを回っている惑星は地球だけではない、ということから太陽系についてお話ししましたが、本項でも同様です。
つまり"ブラックホールの周りを回っている恒星は太陽だけではない"ということですね。
ブラックホールの周りを回っている恒星は...なんと約2000億個!
これも太陽系とは比べ物になりません。
太陽系の天体は小さいものまで合わせると100万個あると先述しましたが、それが2000億個、計算すると...や、やめておきましょうか...

このように、いて座A*の周りをたくさんの恒星とそれに付随する天体が回っているわけですが、この集合体を「銀河系」と呼びます。

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太陽系が属している銀河系は渦巻銀河と呼ばれ、その核・いて座A*の凄まじい自転速度に引っ張られ、文字通り渦を巻いた円盤状の形をしています。
その直径は約10億5000光年、これはkmで表すと100京kmにもなります。
そして、この銀河系を「天の川銀河」と呼んでいるわけです。

...あれ?アマノガワ?a m a n o g a w a?
大昔のことで忘れていましたが、地球を飛び出しこの宇宙旅行を始めたきっかけはなんでしたっけ?なんの話をしてたんでしたっけ?
そうそう。「天の川ってなに?」ってお話でしたよね。
空を見上げて星が川のように連なって見える「天の川」と、僕らが住む銀河系「天の川銀河」...答えはもう分かりましたよね?

そうです、天の川とは天の川銀河のことだったんですね。
10億5000光年という長い旅の末、やっと答えに辿り着けましたね。

僕らが空を見上げるとき

答えが分かったところでもう少し。
天の川銀河が渦巻き状の円盤型に見えるというのは真上から見たときの形です。
天の川銀河の中にいる僕らは、もちろん天の川銀河を真上から見ることは出来ませんから、それは計算で導き出されたシミュレーション映像ということになります。
円盤は上から見たら円ですが、横から見たら棒状の形に見えます。
つまり天の川は、天の川銀河を横から見た姿ということなんですね。

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円盤状の天の川銀河はTVや映画などで目にすることがあると思いますので、「CGでは見たことあるけど」と思っている方が大半かもしれません。
宇宙はとても遠く広大で、直径10億5000光年という超巨大な天の川銀河も、シミュレーションの中でしか見ることが出来ない、そう思われているかもしれません。
でも、ちょっと都心を離れ街明かりの届かないところで空を見上げるとき、僕らは天の川銀河を目の前で、肉眼で見ているんです。
そう考えると、宇宙って僕らが考えているよりもずっと身近にあると感じませんか?
僕らの天の川銀河は、いつも僕らの目の前に広がっているんです。

最後に

この記事を書いているちょうど2日前、小惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウの砂の入ったカプセルを持ち帰るというニュースが話題になりました。
カプセルの大気圏突入の瞬間はJAXAがYouTubeで生配信を行っていたので、インターネットも湧いていましたね。
はやぶさ2は地球の側を横切り、例のカプセルを落とした後、次のミッションのために再び旅立っていきましたが、はやぶさ2が地球の側を横切る映像、カプセルの大気圏突入時の映像、宇宙ステーションISSが撮影した映像...どれもとても心がワクワクするものばかりでした。

小惑星リュウグウの砂によって、生命の起源の謎が解明される!?とも言われていますが、思えば人類はまだまだこの宇宙に対して分からないことだらけです。
それでも科学技術の進歩、天文学の発展によって、少しずつ着実に、宇宙はこれまで以上に身近な存在になりつつあります。

宇宙をもっと身近に感じてもらいたい、そんなところから始まったこのお話もここまで。
今回お話しした天の川銀河も宇宙から見れば極々小さな存在で、もちろんその外側にはさらに広大な宇宙が広がっています。
宇宙は広大だ!で締めてしまうと、やっぱり宇宙って身近じゃないじゃん!と思われてしまいそうですが、だからこそ人類の知的欲求をどこまでも満たすことのない宇宙、人はそんな宇宙にこれからもずっと惹かれ続けるのでしょう。

少しでも宇宙に興味を持った方は、宇宙についてさらに調べてみるともっともっと面白い話に出会えるはずですので、ぜひトライしてみてください!
それでは。

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