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私にとって、アンラーニングとは〇〇

本日3/12(水)夜に、このイベントに登壇するにあたり、話すネタをnote書き起こしてから、イベントに臨むスタイルでやってみます。


まず、アンラーニングとは。

いったん学んだ知識や既存の価値観を批判的思考によって意識的に棄て去り、新たに学び直すこと

立教大学の中原淳先生の過去ブログでは、

「ルーティン化された行動・慣習、そして信念に関する変化」
「染み付いちゃったものを、痛みをともないながら、変えること」

ずばりの一言で、さ、さすがです。

私にとって、アンラーニングとは?を一言で言い表せるよう、ネットで調べながら、noteを書きながら、深めてみます。


2030年に必要なスキル

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この表を見たことある方はいらっしゃいますでしょうか? オックスフォード大学のマイケル・オズボーン先生が、2030年に必要とされるスキルに関する論文「スキルの未来」を発表し、120種類のスキルをランク付けしました。

いま、2020年時点で必要とされるスキル(高度な問題解決力、サービス志向、コミュニケーション、意思決定力)もあれば、2030年で入れ替わっているもの(心理学、独創性、発想の豊かさ、心理療法・カウンセリングなどが多く)もあります。

すでに巷で言われていることですが、必要とされるスキルはAIで代替できないこと、EI(Emotional Intelligence)に関連するものです。

その中でも、注目したいは、このあたり。

1位:戦略的学習力
4位:社会的洞察力
10位:アクティブラーニング

つまり、2030年で必要とされているスキルは、少し先を俯瞰してみて、いまの状況を鑑みて、学び続けること。


私のアンラーニングな3つの出来事

アンラーニングした経験や出来事を思い返すと、3つほど思い浮かびます。

1. 国立大学志望から、SFC受験へ
神奈川県立の高校進学時から、世間体や親からの期待もあり、何となく国立大学に行くんだろうなという既定路線レールが敷かれているようでした。国立大学=東京大学であり、全科目受験対策まっしぐらです。

ある日のこと、高校3年生の冬休み、本屋さんで目のあたりにしてしまった、慶應義塾大学 環境情報学部の赤本、湘南藤沢キャンパスの存在。

私の中で、一瞬にして、SFCに魅了され、「なぜかこのキャンパスに行きたい!」と胸が躍ってしまいました。今まで必死に勉強していた全科目をあっさりと手放し、一浪した上で、数学、英語、小論文に絞った受験対策し、SFC合格。24時間365日キャンパスライフを満喫していました。


2.  サービス企画から、人材開発へ
SFC入学時からインターネットが大好きで、今も大好きですが、2005年にヤフーの会社に入社してからYahoo!動画(現GYAO!)、Yahoo!ニュースやYahoo!スポーツ(現sportsnavi)などサービス企画、運営に携わってきました。

当時は、mixiやGREE、mobageなどソーシャルゲーム全盛期であり、メディアサービス(PCサイト)をプロデュース、ディレクションするにあたり、スキルや仕事観の行き詰まりを感じていました。

そんな中、2012年にヤフーの爆速経営体制刷新し、ひょんなことから人事へキャリアチェンジしました。サービス企画から人事部門(人材開発チーム)へのキャリアパスが珍しく、ゼロリセットの気分で、本屋さんで手にとったのが、「Googleの研修はこれだ」という帯文言でジャケ買いした、マインドフルネス本でした。


3. 会社の仕事から、社会の仕事へ
イベントでは、オフレコでぶっちゃけて言おうと思いますが、社会に対して、とある提言レポートのドラフトを書いたことです。

諸事情により、いきなりボールが飛んできましたが、視座が一気に上がり、社会へ貢献する意識が高まって、いまの自分に至ります。


3つのエピソードを並べてみると、私にとってアンラーニングは、人生のターニングポイントになっていることばかりです。

しかも、そのターニングポイントで共通しているのは、

・明確な行き詰まり感、もうおなかいっぱい感
・こだわりや執着なく、手放せちゃう(痛みありなし関わらず)
・一気にジャンプアップしてしまう感覚

という3つの要素でした。

つまり、今までのやり方ではもう限界…、でも、違うフィールドへシフトできること。


アンラーニングすればするほど、内なるテクノロジーは発達する(はず)

理論を体系的に知り、実践を継続的に動くすることで、ドライブがかかりやすくなりますが、まず、私自身が注目している4つの理論にふれてみます。

・計画的偶発性理論

私のアンラーニングな出来事は、ほとんどこれに当てはまります。

当時は理論も何も知らないので、無計画のままでしたが、計画されたというのがポイントです。 何となく見えてしまっているような延長線上のキャリアではなく、非連続なキャリアはつくることができるとうことです。

計画された偶発性理論(英語: Planned Happenstance Theory)とは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授らが提案したキャリア論に関する考え方。個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。その計画された偶発性は以下の行動特性を持っている人に起こりやすいと考えられる。

1.好奇心[Curiosity]
2.持続性[Persistence]
3.柔軟性[Flexibility]
4.楽観性[Optimism]
5.冒険心[Risk Taking]

・U理論

Un-learningは、U-learningじゃないかと思うほど、U理論はパワフルです。
Uの谷をくぐるというプロセスを体験するかどうか、メンタルモデル(怖れや痛みの源)に向き合えるか、どうかです。

MITのオットー・シャーマー氏によって世界の様々な領域に渡る最も著名なリーダーへのインタビューやイノベーターたちとの仕事を通じた経験を元に生み出されたもので、集団や組織が新たな未来を創造するためのリーダーシップ能力をどのように開発できるか、その能力をもとにどんなプロセスで新たな現実を生み出すことができるのかを説いています。

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・成人発達理論

数年前にはピンと来ていなかった(おそらく環境順応型に留まっていたから)のですが、、次のステージ、次の次のステージがあることが見通せるフレームワークとして、とても腹落ちしました。

『なぜ人と組織は変われないのか』の著者であるロバート・キーガン教授が提唱する「成人発達理論」は、成人における知性の発達ステージがあり、深く自分自身を内省すると同時に、自分を取り巻く世界を深く理解する能力を指し、大きく3段階で表現されています。


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・インテグラル理論

組織開発で話題になった『ティール組織』のベースには、ケン・ウィルバーのインテグラル理論があります。

私自身が一番刺さったのは、外側のテクノロジーの進化・発展が早すぎて、内側のテクノロジーが追い付いていないギャップが生じている。内なるテクノロジーを開発する必要があります。というくだりです。

人間・組織・社会・世界を理解するための包括的な地図であると言い換えることができます。こうした地図を習得することにより、様々な課題や主題にとりくむ際、特定の限定的な専門的・理論的な立場にとらわれることなく、包括的な視野から対応することが可能となります。

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このように並べてみると、すべてがつながっているようにも見えてきます。


私にとって、アンラーニングとは「運命」

2030年に必要なスキル(背景)、私の出来事(体験)、内なるテクノロジー(理論)とふれてきて、ようやく、私にとって、アンラーニングとは?の核心に迫ります。

じつは、この数日間、せっかくのイベントなので気の利いたワードを投げ込みたいとか、世代的にドラゴンボールで例えられると分かりやすいかもとか、ずっともやもやしてましたが、ついに降臨しました。

アンラーニング→un-learning→ウン→運
運ラーニング→よりよい人生を生きるため、学びつづけること
「 心 」が変われば 「態度」が変わる
「態度」が変われば 「行動」が変わる
「行動」が変われば 「習慣」が変わる
「習慣」が変われば 「人格」が変わる
「人格」が変われば 「運命」が変わる
「運命」が変われば 「人生」が変わる

ここにきて、ダジャレ的なオチですが、わりとしっくりきています。

運命とは、文字通り、命を運ぶことであり、
運ラーニングとは、よりよい人生を生きるために、学びつづること
という着地となりました。

変化が激しい時代の必須スキルとして、「アンラーニング」をテーマに考えましたが、VUCAワールドを乗り越えられるかどうかは、振り回される運命なのか、振り回そうとする運命かによります。

運命を変えるためにも、アンラーニングし、内なるテクノロジーを磨きをかけていきたいと、初心をあらたにした、今この瞬間です。



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