見出し画像

陰謀論とオウム真理教、あるいはフリーメーソンとか

毎度のことながら、この文章を書いているということは、完全に煮詰まっている。前回書いた、除霊の話が意外にもウケが良買った。
そこで、いわゆる“あっち系”の話題を、もう一つ投稿することにした。今日はフリーメイスンについて書こう。

と、ここまで書いて仕事に戻ろうと思ったが、全く身に入らない。
だらだらとYoutubeで作業BGMを流していたら、急に「朝まで生テレビ」がリコメンドされてきた(※お前、普段から動画で何見てんだよという話である)。

youtubeの自動再生はセンスがイマイチなので、「おいおい、困るよ」と早速、飛ばそうとした。しかし、下記の動画に映し出された田原総一郎の若さに驚き、思わず見入ってしまった。

https://www.youtube.com/watch?v=LSyW8M33s30

動画は「朝まで生テレビ 激論!若者と宗教」、1991年9月28日放送のものだという。しかし諸君、このメンツはすごくないか?

オウム真理教に幸福の科学、真理統一教会、神命愛心会など登場するのは、新興宗教のアベンジャーズである。動画の内容は、田原総一郎氏を中心に、「オウム真理教vs幸福の科学」で討論を行っている。さながら映画「キャプテン・アメリカ/シビルウォー」だ。

しかも、この討論に参加している人たちもエッジが立っている。
メンバーの一部は、20年以内に焼死(影山民生)・自殺(西部邁)・刺殺(村井國夫)・死刑(麻原彰晃)と、かのDCユニバースもビックリの非業の死を遂げているではないか。

極めつけは番組後半、講談社関係者を名乗る男性が電話出演するところだろう。映画「アベンジャーズ インフィニティウォー」のラスト、キャプテン・マーベル(登場人物に刊行元の名前つけるってスゴいですよね)登場と既視感を感じさせる演出もニクい。

これはかなりバイブス高めだと思い、さっそく作業用BGMにした。

さて、上記の番組で私が気になったことがある。新興宗教に入信した若者に対して、リポーターが「なぜ、あなたは入信したのですか?」と問うシーンだ。リポーターの問いに対して、信者たちは、教団の教義や活動内容で応じる人が多く、あまり答えになっていない。

視聴者である我々は、彼らの発言に現実認識の歪みを感じる。そして、彼らの熱弁を聞いて、冷静に“気の毒な人”という印象を持つのであった。

で、ここまで書いてきて、「フリーメイスン」について話を戻そう。この“結社”は、件の麻原彰晃氏も目の敵にしてきた存在である。曰く、秘密結社フリーメイスンは世界を裏で支配しているそうだ。

で、そのフリーメイスンが、少し前にTwitterで秘密の暗号を発信したという。日本有数のクオリティペーパー「TOCANA」もこのニュースを報じ、

http://tocana.jp/2018/06/post_17327_entry.html

youtuberの方々も熱心に暗号解読に挑んでいたようだ(※いつの時代も大学生って暇ですね)。

https://www.youtube.com/watch?v=WQ9R2PyP6RA

https://www.youtube.com/watch?v=PmxuMxY5P_0

私も気になったので、フリーメイスンの現役メンバーにこの話題を振ってみた。すると、「あのさ。そもそも、あのTwitterアカウントって本当に公式だと思う?」と言われて、一瞬で会話終了した。その人が語るところでは、「そもそも、“メーソン”ではなく、“メイスン”だし」ということだ。確かに、検索してみると“メイスン財団”である。

間違った情報の上に、いくら解釈を加えても出てくるのは間違った結論だけで、要するに、しょぼい話になってしまった。

しかし、私は陰謀論に走る人の気持ちが分かる。「自分が本来、享受すべきだった利益を、他の誰かが既得権益として享受しているに違いない」という感覚は誰にでもあるのではないだろうか。

去年の夏くらいに週刊「ダイヤモンド」が「学閥の王者 三田会」特集を組んでバカ売れしていたが、「陰謀論なんて馬鹿馬鹿しい」と思う社会人のメンタリティにも、密かにそういう“影の存在”を求めるようなものがあるのではないか。

さて、そんなこんなで、ご紹介するのは『フリーメイソン もうひとつの近代史(講談社選書メチエ)』(著:竹下節子)だ。フリーメイスンについて一般的な知識を得るには、上記の本と『フリーメイソン 秘密結社の社会学(小学館新書)』(著:橋爪大三郎)をお勧めする。

この2冊は「検証可能性」「客観性」という点においても優れていて、要は「分からないことは書かない」というスタンスだ。解説する内容も「アイツら、何やってんの?」という我々の疑問に、ある程度答えてくれる。

イルミナティやゾルタクスゼイアン、レプティリアンが好きな人たちには少々物足りないかもしれない。しかし、“偏見に凝り固まったテーマを、マトモに情報処理する”方法として、特に竹下氏の本は参考になる。

末筆だが、ある関係者は「フリーメイスンが何をやっているのかは、youtubeをみれば分かるよ」と言っていた。これだけ書籍や動画で活動内容がモロバレしている時代において、“なぜ秘密を守り続けるのか”。それに仮に、あなたがフリーメイスンの会員だったとして、そのことを家族に言うだろうか。もし、そこまで一歩踏み入ったドキュメンタリーがあれば、私は観てみたい。

では、また

本コンテンツはフリーです。共産圏出身なので、”良いものはみんなで分け合う”のが基本です。だいたい、こんな文章にお金を払う人はどうかしてる、お金の使い途を家族と一度ちゃんと話し合いましょう。そのお金でまともな本を書店で買ってください。なお、書店店頭で写メする人は全員粛清です。