じわる。
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じわり。
じわりじわり。
流れ出した液体は無色透明。
じわる。
しかし、それが変色するのは時間の問題だった。
液体は急速に漆黒に染まり、心を満たしていく。
ああ、これな。
浄化するにはかなりの時間と労力を有するな。
仕事で新規事業を立ち上げる話。
よくあると言えばよくある話だけど、今後の未来を担うをとなれば、少し別だ。
自分の所属部署は、今後の会社の運営を担う部署。
ただ、それは華々しいものではなく、地味な仕事の積み重ね。
昨年から新規事業の構想があった。
そこには僕とその上司も関わっており、本年から事業化へ進めることとなった。
その中心メンバーにもちろんなるつもりだったし、立候補もしていた。
でも、その想いは届かず、その上司はグループ会社の人とチームを組むことが決まった。
その内容をメールでもらったとき、僕の心が膨らんだ。
言いたいことはわかるけど、理解するかは別の話。
じわじわと流れ出た、どす黒い液体で心が満たされていく。
じわる。
とりあえず、上司に絡みそうな、直近の飲み約束は全てキャンセルした。
自分の心を浄化するには、時間が必要です。
だからせっせと黒くなってしまった液体をバケツに汲んでいるのです。
だから、しばらくは接触を避けたいのです。
だから、悪いところばかり、目についてしまうのです。
だから、反面教師に仕立てるしかないのです。
じわる。
だから、今日のところは、おやすみなさい。
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ゆるゆるゆる。
何となく、何気なく、さりげなく。
子供のころに感じた空気感を、大人になった今では感じることが少なくなってしまった。
今でもふと、お日さまのにおいを感じることがある。
そんなとき、子供の自分に触れた気がして、嬉しくなってしまう。