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学生の作ったユニフォームを25,000人が着た話




6月25日、土曜日。

暑すぎる。

東北なのに、まだ6月のはずなのに、梅雨も明けてないのに、紫陽花もそれに輝く軌跡を残すかたつむりも見ていないのに、太陽がいきなり牙を剥きます。刺すような日差し、風吹けば熱風、止まらない汗。

日差しの下を歩いているだけで辛くなってきて、頬を伝うのが汗なのか涙なのか分からなくなり始めた時、それは唐突に眼前に現れました。




イーグルス…ガールデー…
高校のころ英語の成績が「3」だったので問題なく読めました。


なえなのさんも着用

そう、この日は東北楽天ゴールデンイーグルスの公式試合日。
そして学生がデザインしたユニフォームのお披露目の場でもあります。

詳しい経緯はこちらのnoteをご覧ください。


今年の3月に卒業してしまいましたが、当時の在校生がデザインしたもの。
しかもユニフォームは来場者全員にプレゼント。それを着てスタジアムを埋め尽くすファン。絶対に見たい。

あと許されるなら、太陽の下でビールも飲みたい!!!美味しいから!!

ユニフォームの配布はこちらです、と遠くで係員の方の案内が聞こえます。
早く実物のユニフォームを見たい、触りたい!
夏のコンビニの光に誘われる虫のようにふらふらと、声のする方向へ向かいます。

でっか〜い



え、




あの、



並びすぎでは?


トイ・ストーリー・マニアの待機列を彷彿とさせる並び方です。端的にいうとえげつない。

このファンの方々皆さんがユニフォームを求めて並んでいると考えると、改めてすごいな…という気持ちになります。

「アツイ…」しか言えない泥人形のようになりながら待つこと数分、スタッフの方の手際も良く順番はすぐに回ってきました。

やっとの思いで手にしたユニフォーム…



こちらです!






kawaii

当日の写真は撮れませんでしたが、今はニチデ校舎エントランスにて大事に保管されてあります。オープンキャンパスなどでもご覧になれますので、ぜひ見にきてくださいね!


ユニフォームを受け取り、手当たり次第「へへ、これニチデの学生がデザインしたんですよ」「どうです?」と言って回りたい気持ちを抑えながらスタジアムの中へ。



試合は既に始まっており、席に着くと目の前には圧巻の光景が広がっていました。




すご〜!!!!


皆着てる〜!!!!




クラッチーナも着てる〜!!!!かわい〜!!!!


後で調べてみたら、この日の来場者数は約25,000人。
岩手県二戸市や山形県長井市の推定人口とほぼ同じくらいです。

それが、みんな、老若男女問わず、学生のデザインしたユニフォームを、着ている。

その事実が何より嬉しく、しばらく試合そっちのけでスタジアムをぼうっと眺めてしまいました(もちろん応援もしました!)。

どこを見ても素敵なデザインが目に入り、眼福とはまさにこのこと。

暑さを忘れるくらい素晴らしい時間でした。



試合は惜しくも勝利を掴むことはできませんでしたが、緊迫の投手戦で見応えのある内容でした。しかしこれだけファンに愛されるチームです。一つの負けに気を落とすファンではありません。もちろん選手もそう思っているはずでしょう。
日本一を目指して、頑張れ楽天!


また当日はお会いできませんでしたが、デザインした本人もスタジアムで観戦していたとのこと。
自分の手がけたデザインがこれだけ多くの人に求められ、眼前を埋め尽くす…
クリエイター冥利に尽きる経験だったのではないでしょうか。

おこぼれに預かったnote担当もとても嬉しかったです。


今後とも素晴らしいデザインを世に生み出してくださいね!
卒業後も応援していきます!




【2022/9/6:追記】
配布から2ヶ月以上経った今でもこのユニフォームを着て球場に向かう方をお見かけします。試合のない日でもスーパーで着用しているご婦人もいらっしゃいました。

めっっっっっっっっっっちゃ嬉しいですね。


【2023/10/2:追記】
配布から1年以上経つのに、このユニフォームを着たおじ様がファン同士で焼き鳥屋で肩を組んで「ら〜くて〜ん イーグル〜ス♪」と楽しそうにしていました。

めっっっっっっっっっっちゃ嬉しいですね。

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