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二十四節気とゆたかな暮らし#03

皆さんは、日々の暮らしの中で四季の移ろいや、日本の豊かな文化に触れる瞬間はありますか?実は、少し意識を向けるだけで、私たちの日常はより豊かに彩ることができます。
例えば、二十四節気という暦を知ると、季節の変化をより繊細に感じ取れるようになり、その季節に合わせた行事や習慣を取り入れることで、心にゆとりが生まれ、生活にも潤いがでてきます。
日本文化の素晴らしさを多くの方と共有したいという思いから、「二十四節気とゆたかな暮らし」でご紹介した内容の一部を、ここでお伝えしていきたいと思います。豊かな日本文化の旅に、皆さんもぜひご一緒しませんか?


今月のこよみ

白露 9月7日(土)

まだまだ暑さの残る日々が多いですが、日によっては朝晩の空気が少し涼しくなってきましたね。

「白露」の由来は、「露が降り、白く輝くように見える頃」という意味を持ち、草花に朝露が白く光る様子から来ています。
もちろん露はこの時期だけのものではありません。気温差の激しい秋は露ができやすく、俳句や短歌の世界では、露は秋の季語となっています。

虫の声もこの間まで賑やかだったセミから、心地よい秋の虫の声が聞こえてくる頃です。

白露の頃は、夏の疲れが出やすい時期でもあります。体調管理に気をつけながら、秋の訪れを楽しんでくださいね。

秋分 9月22日(日)

春分と同様、昼と夜の長さが等しくなる日です。この日を境に、秋が本格化します。少しずつ日が短くなり、夜が長くなっていく季節の変わり目でもあります。

秋分を迎える頃には、朝夕の涼しさが増し、秋の気配が強まります。涼しい空気に包まれながらリフレッシュできるのも、この季節ならではの楽しみです。外を散歩してみると、草木が色づき始め、虫の音が響く中、秋の深まりを感じることができます。

秋分の日を中心とした前後3日間(計7日間)は、秋のお彼岸として知られています。この期間は先祖を敬い、感謝の気持ちを表す大切な時間です。多くの人がお墓参りをしたり、おはぎを作ったりして、家族や先祖とのつながりを大切にする機会となっています。

春のお彼岸は「ぼたもち」、秋のお彼岸は「おはぎ」

また「収穫の秋」を象徴する時期でもあります。田んぼでは稲刈りが行われ、畑ではさまざまな作物が実りを迎えます。旬の食材、例えば栗やさつまいも、きのこ類などを使って、秋ならではの料理を楽しむのも素敵ですね。

今月の行事

五節句:重陽の節句

9月9日は、五節句のひとつ「重陽の節句」です。
しかし、ほかの節句に比べると知らないという人も多いようですので、あらためて「五節句」と「菊の節句」とも呼ばれる「重陽の節句」とはいったいどのようなものなのかご紹介します。

まずは「節句」と聞いて、5月5日の端午の節句や、3月3日の桃の節句を思い出した方も多いのではないでしょうか。日本の伝統的な暦には、特別な意味を持つ五つの節句があります。奇数の日を重視する中国の陰陽思想の影響を受けており、1月7日を除いて同じ奇数が重なる日です。1月については元旦と重なっているため、別格とされ1月7日が節句として取り入れられています。

 1月7日:人日の節句 (七草の節句)
 3月3日:上巳の節句 (桃の節句)
 5月5日:端午の節句 (菖蒲の節句)
 7月7日:七夕の節句 (笹竹の節句)
 9月9日:重陽の節句 (菊の節句)

中国では奇数は陽の数とされていて、縁起の良い数字が重なることで逆に不吉な日とされ、もともとは厄払いする日として捉えられていたそうです。その習わしが変化し、無病息災や子どもの成長などを願って祝い事をする日になりました。これらの節句は、それぞれの季節の変わり目に当たり、邪気を払い、健康と幸福を祈る日とされてきました。

今回特に注目したいのが「重陽の節句」です。
最も大きな陽数である、9が重なる9月9日を「陽が重なる」と書いて重陽の節句と定めました。その一方、陽数が重なると災いが起こりやすく不吉だとも考えられており、よくないことが起きないようにと、9月9日には不老長寿や繁栄を願うとともに、邪気を払う風習が根づいたともいわれています。

菊の花が咲く時期と重なることから、菊を使った様々な風習があります。
例えば…

▶菊酒を飲む:菊の花びらを浮かべた酒を飲み、無病息災を願います。
▶菊枕:菊の葉を枕の下に敷いて眠り、長寿を願います。
▶着せ綿:菊に綿を被せておき、そこに溜まった夜露で肌を拭うと若さを保つことができる。

私が一番好きな菊~アナスタシア~
花言葉は「高貴」「高潔」「目覚」「復活」

秋深まるこの季節、重陽の節句に思いを馳せながら、菊の花を愛でたり、菊酒をいただいたりして過ごすのも、新しい秋の楽しみ方になるかもしれませんね。

旬のもの

今年は豊漁!秋の旬の代表格 秋刀魚

秋刀魚の旬は9月から11月、一年のうちで最も脂がのっていてたいへん美味しい時期です。秋の味覚の代表として挙げられる秋刀魚ですが、近年は不漁が続き、ちょっと手が出ないお値段でした。
ですが、今シーズンのサンマの初水揚げは、各地で豊漁が報告されており、「不漁だった昨年同期の半値程度」だそうです。

旬の秋刀魚には健康や美容のために積極的に摂りたい栄養がたっぷり。
秋刀魚は代表的な青魚で、EPAやDHAをたくさん含んでいます。
EPAは血液をサラサラにし、血管をやわらかくして動脈硬化や血栓の予防、悪玉コレステロールを低下させる働きがあります。
DHAは、脳細胞の活性化に効果を発揮することから、記憶力の向上や脳の老化防止に効果があると言われています。

先日近くのスーパーで190円で販売されているのを発見し、早速購入。定番は塩焼きですが、今回は「秋刀魚ごはん」をいただきました。
炊き込みご飯を作る要領で、一番上に焼いた秋刀魚をのせて炊き上げ、炊きあがった後、秋刀魚を取り出しほぐした身を炊飯器に戻して混ぜ合わせていただきます。おかわりまでして、写真を撮っておくのを忘れました…

定番の塩焼きも、大根おろしといただくのがおすすめです。美味しいからというだけでなく、大根おろしには殺菌効果、脂質を分解して消化を促進する効果があります。特に”脂っこい焼き魚”と一緒に食べることで消化吸収を補助してくれる効果がありますので「ほんのひと手間」を惜しまず、ぜひ一緒に食べてくださいね。

おわりに

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。季節の移ろいを感じながら、秋を満喫するヒントが見つかれば嬉しいです。
この時期は気温が不安定になることもあり、日中は暑さを感じても朝夕は肌寒くなることもあります。体調管理に気をつけながら、ゆっくりと過ごす時間を大切にしてくださいね。

来月もどうぞよろしくお願いいたします。

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