見出し画像

kintoneの導入(設備管理編)

今回は、設備を管理するアプリについて。
 アプリの作りはシンプルですが、初めて現場から要望を受けた業務改善だった。

設備の点検を忘れてしまう。

 クレーム管理アプリの記事でも書いたが、当社はISO9001を取得しており定期的に外部審査を受ける。
 その中で、設備管理台帳に対し「前回の設備点検の記録が残っていない」との指摘があった。

設備管理台帳 2

 あまり使わない設備の年1回の点検の実施を忘れていた。実際には使用する機会がなかったものの、医療機器製造に必要な設備の点検を怠ると出荷が出来なくなるので危ない状況だった。

 「どうにかできないか」

 点検実施者から相談があり、なんとかkintoneを製造部門にも広げていきたいと考えていた私は、その日のうちにアプリを作って提出した。
 点検実施者はこれまでkintoneに触れたことが無く、複雑な構造にすると結局使われない可能性もあるため、簡単な作りにする必要があった。そのため今回は、「設備マスター」アプリと「点検記録」アプリという2つのアプリにするのではなく、「設備台帳」アプリに設備マスター情報と、サブテーブルを用いて点検記録を入力する仕組みを選択した。

設備管理アプリ

①計算式プラグインで、サブテーブルの最新更新日を算出+選択肢に応じて次の校正日を設定する。

 サブテーブルで点検記録を残すだけではエクセルと変わらない。課題である点検忘れを解消するには、エクセルのようにこちらから情報を獲得しにいかないといけない消極的管理ではなく、期限が近付けば通知をしてくれる能動的管理に変える必要がある。
 そのため、サブテーブルで点検記録を入力すると、次の点検日を自動で入力できる仕組みを計算式プラグイン(rex0220さん)で構築した。
 概要は下記に記載するが、計算式などはこちらをご参照したほうが分かりやすい。

 まず、サブテーブルに点検日(日付フィールド)を作る。
 サブテーブル外に最新点検日(フィールド)を設け、ここに最も日付が新しい(Max or Lasta)の点検日が入力される計算式をプラグインで設定する。

設備管理台帳 3


 次に、「点検周期」(選択肢フィールド)と「次回点検日」(日付フィールド)を設定し、点検周期(1年,2年,3年)の条件によってIF関数で次回点検日を計算する。※DATE_FORMATは慣れないと混乱する。

設備管理台帳 4


②リマインダーの条件通知

 次に、リマインダーを設定する。アプリ設定画面の「リマインダーの条件通知」から、
 次回点検日の30日前に通知が届くように設定する。

設備管理台帳 5


③リストにビジュアルを

 中小企業のkintoneユーザーにとっての神、TISさんの「新条件書式プラグイン」で、次回更新日の30日前になると黄色くなるように設定することで、見逃しも無くした。

設備管理台帳 6


まとめ

 上記3点の工夫により、点検忘れ・入力漏れがなくなり、点検実施者から「これ、ええなぁ」と感嘆されたことは、「kintoneやって良かった」と思った。
 また、これまで「自分から能動的に」データを見に行かないと抜け漏れがあったものが、「データから能動的に」知らせてくれるようになったことが、このアプリ、kintoneの導入成果の一つだ。

 わぁわぁ言うとります。お時間です。さようなら。

大阪市在住の89年生まれ 父親経営の中小メーカーに在職。 グロービス経営大学大学院卒業 事業承継や、組織の変革、文系から見た社内システムの構築について掲載予定 好きなもの:サッカー(ガンバ大阪ファン)、漫画(オールジャンル)