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#10 前十字靭帯損傷の秘密教えます ⑤手術-ハムストリングス腱

こんにちは!理学療法士のKEIです!

はじめに

前回は前十字靭帯損傷における手術療法と適応について記事にしました。

今回は前回の続きでより細かいところに目を向けてみたいと思います。
前十字靭帯再建で用いられるグラフトはいくつか選択肢がありますが、その中でもハムストリングス腱にフォーカスしていきます。

ぜひ最後までご覧ください。
それではいってみましょう!


屈筋腱の特徴

ハムストリングス腱はHTとも呼ばれ、骨付き膝蓋腱(BTB)を用いた場合と比較して採取部の痛みが残りにくいメリットがあります。

スポーツ選手から活動性のそこまで高くない症例にも用いられていますが、BTBと比較すると骨との癒合が劣り、緩みやすいデメリットもあります。

また深屈曲で筋力が低下することも挙げられています。


再建術

どの術式が良いかなどの成績について一定の見解は得られていませんが、一重束・二重束・三重束での再建が行われています。

移植腱の採取

使用されるHTは半腱様筋と薄筋になります。ただし十分な太さ、長さが得られれば半腱様筋のみでも手術は可能です。
理想的な長さは24cmだそうです。短い場合には薄筋も利用します。

移植腱の準備

採取した腱の筋肉を除去し腱の成分だけを残します。
2つ折りか4つおりにし、その太さに合わせて骨孔径を決定します。

長さとしてはAM束6−7cm、PL束5−6cmで作製します。



後療法

手術後のリハビリの進め方についてです。
翌日より1/3荷重を開始し、2週間程度で全荷重へと進めていきます。
可動域については4週までは90度までで制限し、2ヶ月までは120度にとどめます。

筋力が十分回復していれば3ヶ月でジョギングを開始します。
その後徐々に負荷を高めていきながら6ヶ月でスポーツの基本動作開始、完全復帰は9ヶ月頃を目標にします。

BTBを使用したACL再建と比較しHTでは骨ー腱の癒合に時間がかかるので、特に初期のリハビリにおいては愛護的な対応が必要になります。


まとめ

今回はACL再建でHTを使用した場合について簡単にまとめてみました。

★ポイント
HTを用いたACL再建術は侵襲が少なく有効な手術法である
初期対応は特に注意して行う
骨孔拡大など二時的な事象も頭に入れながら対応をする

今回はここまで。

本記事をご覧いただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!

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