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フォークロア12 つづき②

《レオ視点》


・・
・・・

それから僕は、生まれて5か月ほどで
歩けるようになった。

周りは歩けるようになった事に
驚いてた。
だけど僕は早く大人になりたかったんだ。
ママを助けたいから。

アイリ『すごーい!レオ偉いね。ほら、
こっちまでおいで!がんばれ!』

ママが両手を広げて僕を待ってる。
まだ長い時間歩くのは辛いけど
頑張ってママの胸に飛び込むんだ。
そうすればママは喜んでくれる。
抱きしめてくれる。

アイリ『もうちょっと、もうちょっとだよ。』

もうちょっと・・

アイリ『レオー!よくできたねー。偉いぞ。』

ママが抱きしめて、頭を撫でてくれた。
僕は、嬉しくてママを見て笑った。
ママも笑ってた。

ママは僕に、いっぱい話してくれる。
僕はまだ言葉は話せないけど
ママの目を見て話しを聞くのが
とっても楽しいんだ。
寝る時は必ず、お腹の中で聞いてた唄を
歌ってくれる。
それを聞くと、安心して眠れるんだ。

大きな部屋に広がる優しい空気。

だけど、そこにパパはいない。

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僕は2歳になった。

不器用にも喋れるようになった。

レオ『ママー、お外行っていい?』

アイリ『お外に行きたいの?わかったわ。
ちょっと待っててね。』

レオ『はーい。』

ママはドアを開けて部屋の外に出て行った。
いつも、外に行く時は、ママは部屋の外に
出て行く。

【ガヂャ】

アイリ『さぁ、レオ。散歩に行きましょう。』

レオ『うん!』

散歩に行く時は、帽子を被る。ママが作って
くれた大切な帽子。

ママと手を繋いで、部屋を出た。
廊下を歩いてると、使用人っていわれてる
女の人とすれ違った。
ママには頭を下げるけど
僕とは目を合わせてくれないんだ。

玄関を出たら、大きな庭がある。
そこでママと毎日散歩するんだ。

レオ『ねぇ、ママ。』

アイリ『どうしたのレオ?』

レオ『なんで、毎日同じ
部屋にいないといけないの?』

アイリ『それはね、かくれんぼをしてるの。』

レオ『かくれんぼ?』

アイリ『そうよ。今、怖ーい鬼さんが私達を
探しに来てるのよ。だから
部屋に隠れて見つからないように、
あの部屋にいるの。
ママが部屋におまじないをかけてるから
鬼さんも、私達を見つけるの大変だろうな。』

レオ『かくれんぼかぁ。でも、
今部屋の外にいるよ?』

アイリ『お外に行く時は、ママが先に外に出て
鬼さんが、いないか確かめてるの。
だからレオは安心して、ママといっぱい
遊びましょう。』

ママの手は、いつも暖かい。
手の温もりとは、違う温もりも感じるんだ。

レオ『僕は、ママと一緒だったら
どこに居ても、寂しくなんかないよ!
早く大人になって、ママを守るんだ!』

アイリ『ありがとうレオ。
ママはいつも、レオと一緒よ。』

大きな庭で、ママと駆けっこしたり
木に吊るされたブランコで遊んだ。

でも、そこにもパパはいなかった。

つづく。

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