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「偶然と想像」

はじめはタイトルに惹かれて。

脚本・監督が濱口竜介さんだと知って、ドライブマイカーは全編観る自信ないけど、これなら観れるかもと期待をしつつ、映画で短編集ってどんな感じだろう、3作品に繋がりはないらしいし…とレビューの中身は見ず、星は高いから大丈夫。という謎の言い訳を自分の中に用意して観に行った。

有りそうで無さそうで有りそうな奇妙な121分。

これが濱口監督の特徴なのか、棒読みセリフというか感情が入ってない言い回し。でも、会話にはテンポが感じられて、俳優さんの演技やカメラワークというのか切り取りが光るような映像だった。ふだんナチュラルな俳優さんの印象だからこそ、逆説的に監督の強い意図を感じる。

1作目と2作目は、有りそうだけど有ってほしくないな。と思った。淡々と繰り広げられる会話は、少しでも道を誤ると危ない方向に進んでしまいそうな掛け合いで、唯一の細い道を駆けている緊張感あった。

個人的に好きなのは3作目の「もう一度」。それまでの緊張感とは少し違って、なんだか少しの希望を感じられたから。

クラス会で20年ぶりに再会した友達とのまさかの展開。これには少し笑った。会話劇のなかで即興劇が始まったようで、不思議な空間だった。

観終わって自分なりに咀嚼して「偶然と想像」のタイトルに納得。ふむふむ。

なんだか、このシナリオブックがほしい。改めて文字で見てみたい。

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