千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅠⅤ
一人奥の部屋を調べる。
「クロ、ちょっといい?」
「……おう」
そんな俺の所に来たのは、シロだった。
「クロが何をしようとしてるのかは分かったよ……あの村を襲ったのは……」
「あの糞野郎は、眠る前に殺り損ねた」
「凄い嫌いだね」
「……彼奴は強くねぇ。けど、魔物……今は魔獣化させる侵食に長けてやがった。俺の時代でも、彼奴は先生を手に掛けやがった」
「先生?それって、孤児院の……」
「……優しい人だった。だからこそ、あの糞野郎は許さねぇし、此れ以上好きにさせねぇ」
「そっ