れな

創作小説、または仕事での日常を書こうと思っています!

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最近の記事

千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅦ

一泊した後、俺達は次の街へと向かった。 「「「「「で?」」」」」 「へ?」 プロクスを出発したはいいが……何故かついて来るリザ。 皆で振り返って問い掛ければ、リザ本人は硬直する。 「お前、何時までついて来んだよ」 「べ、別について行ってる訳じゃない!アンタ達がアタシの行く先に居るだけさ」 「……あっそ」 まぁ、気にしないでおくか。 「それで、次は何処に向かうの?」 「かつて、街そのものが巨大庭園とも言われた街……『ボーデン』」 「『ボーデン』……」 「巨大庭園……

    • 千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅤⅠ

      翌日には俺達は出発した。 次に目指すのは鍛冶の街と言われた『プロクス』。 恐らく其処に居るのは火に特化した……元家族。 「…………」 「……ックロ!」 「!どうした、シロ。大声なんか出しやがって」 「あ、えっと……次は何処に向かってるの?」 「ああ……『プロクス』つー街だ」 「『プロクス』?聞いた事があるのだ」 「へぇ」 「確か……かつて鍛冶の街として有名だったが、何かが原因で滅んだと……」 プロクスも滅んだのか……。 俺が眠る前は、重要な街でもあり職人の街として賑

      • 千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅤ

        アレから俺達は予定通りに王都を出発した。 何度か魔獣とも戦い…… 「見えたな」 「アレが……水上都市ヒュドール」 湖の上にひっそりと存在する廃墟と化した都市。 「……どうやって渡るの?」 「あ?普通に渡る」 「えぇ……」 空中浮遊した時と同じ様に、魔術を使って湖の上を歩く。 「「…………」」 「あ、出来た」 「私も!」 ポカンとする男性陣の一方、女性陣は俺と同じ様に湖の上に立った。 「……ははは、なんつー顔してんだよ」 「「確かに」」 「「いやいやいや!」」

        • 千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅠⅤ

          一人奥の部屋を調べる。 「クロ、ちょっといい?」 「……おう」 そんな俺の所に来たのは、シロだった。 「クロが何をしようとしてるのかは分かったよ……あの村を襲ったのは……」 「あの糞野郎は、眠る前に殺り損ねた」 「凄い嫌いだね」 「……彼奴は強くねぇ。けど、魔物……今は魔獣化させる侵食に長けてやがった。俺の時代でも、彼奴は先生を手に掛けやがった」 「先生?それって、孤児院の……」 「……優しい人だった。だからこそ、あの糞野郎は許さねぇし、此れ以上好きにさせねぇ」 「そっ

        千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅦ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅢ

          俺はテキトーな所に座り、俺の周りにシロ達が座る。 「何から話したもんかな……先ず、厄災ってのをお前等は何れくらい知ってる」 「伝説くらい?」 「俺の時代でも、厄災は魔物を率いて汚染する奴だと言われていた。ただ一つ違うのは……厄災は人の中に潜むという情報」 「!!」 「人の中に……」 「しかも、姫巫女か勇者に近い所に居る」 俺の時は両方だったけどな。 「其れって、親しい人が厄災だった?」 「ああ……だから、俺は厄災に問い質した」 「「「「問い質した?」」」」 歴代の勇者

          千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅢ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅡ

          「本当に居る……!」 「何をしておるのだ、姉上」「何してるんですか、姉上」 ガクッと俺達の前で膝をつく姉を弟達が訝しげに見る。 「この様な所に勇者様を……」 「俺は城より此方の方が好みだけどな。つーか、勇者様は止めろ」 「うっ」 「……あ、そう言えば紹介してなかったのだ。姉のボタンなのだ」 「はっ、失礼致しました!騎士団長代理のボタンと言います!」 言われてみりゃ名前知らなかったな。 「代理?つー事は」 「団長は……今はいませんから」 「ああ、お帰りなさいませ。お嬢様

          千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅡ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅠ

          翌日。 俺は牢から出され、何処かに向かわされる。 まぁ、予想はつくが。 「厄災を連れて参りました。勇者―クロードよ」 「ええ、ありがとうございます」 此奴、ちゃっかり俺の名前使いやがって。 俺が連れて来られたのは、謁見の間の様だ。 玉座に座る国王らしき男とその側に立つ青年。 「その者が、件の厄災か」 王は憎しみを込めた目で俺を見て来た。 「其方の所為で我が息子は……」 ……王子は魔獣にでも殺されたか。 其れで元凶と思い込んでいる俺を恨んでいる、と。 「

          千年寝た勇者と千年後の旅物語ⅩⅠ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅹ

          「凄いな……」 「楽しそうだね、クロ」 翌日。 俺達はモノレールに乗った。 つい、俺は身を乗り出して流れる景色を見る。 「ああ、こんなに凄いんだな」 「…………クロ」 千年も経てば……こんなに凄いものが出来るんだな。 「……なぁ、ツバキ」 「……ん?」 「お前から見た王都はどんな感じだ」 「……何故俺に?」 「……いや、気にすんな」 シロトを出てからずっと考えていた。 俺はこの世界を…… 「あ、アレが王都だよね!」 「うむ」 「!」 シロ達の言葉に視線を上

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅹ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅸ

          無事に森を抜けると…… 「「「わぁ……」」」 海に出た。 シロやニール、アリスは初めて見るのか、目を輝かせている。 「海、か」 「クロ、少し休憩せぬか?」 「そうだな。ちょっと休憩するか」 「「「わーい!」」」 三人は靴を脱いで海に突っ込んだ。 俺やツバキも歩いて近付いた……その時  バシャッ 「っと」 「うわっ!」 海水が飛んでくる。 俺は避けたが、ツバキは頭から掛かった。 視線を向ければ、悪戯っ子な笑みを浮かべるシロとニール。 「……やりおったな!

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅸ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅷ

          休息を終えた俺達は次の街へ向かう。 「アレがカイロ川です」 「綺麗な川だね」 カイロ川は森を別つ様に出来た川だった。 んー……何か見覚えあんな。 「この先の大きな橋を渡れば、次の街に着くのだ」 ツバキの案内で進むと、大きな橋に差し掛かる。 「彼処からバスに乗れば……」 《来るぞ》 「!何処だ?」 「え?だから、彼処……」 《川だ》 「クロ?」 橋の下を覗いた。 すると、川の中から蛙の様な魔獣が何匹か出てきた。 何処からなら他の奴等に気付かれずに済む? そん

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅷ

          『テイルズ オブ ヴェスペリア 〜The First Strike〜』

          私はアニメやゲームが好きだ。 だから、映画もそこから選んだ。 私が好きなゲームシリーズ、その中のテイルズオブヴェスペリアのアニメ映画『テイルズ オブ ヴェスペリア 〜The First Strike〜』。 自由奔放なユーリと幼馴染みで真面目なフレン。 そんな二人が新米騎士としてシゾンタニアに派遣された所から始まる。 目の前に居る人を助ける為に規則を無視して突っ込むユーリ。 亡くした父の事もあり、あくまで規則に従うべきだと考えるフレン。 正反対な二人で対立も多いが

          『テイルズ オブ ヴェスペリア 〜The First Strike〜』

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅶ

          地下通路を抜け、上へと出る。 「ココは?」 「どこかの廃村、かな」 出た先は朽ちた……村、という街跡だった。 この街の構造…… 「何百年も前に滅んだとされる街『メモリア』です」 やっぱり『メモリア』だったのか。 俺が眠る前は、世界一と言われた知識の街だったが……滅んだのか。 「取り敢えず案内ありがとな、ツバキ」 「いえ」 地下通路は迷路になってたから、案内人が居たのは助かったな。 「本当にありがとう」 「ありがとうございました」 「いえ」 やけに丁寧だが…

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅶ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅵ

          花祭最終日。 今までも華やかだったが、今日は一層豪華になっていた。 俺達も外に出れば、花輪を渡されて俺は腕に、シロは頭に、ニールは帽子に着けている。 「あ、皆!」 「アリス?」 っと、花輪の首飾りを着けたアリスが駆け寄って来る。 「花輪も似合ってて可愛いね」 「はわっ」 「……流れる様に口説いといて」 「実は口説いてないとか、ね」 思わずニールと顔を見合わせて苦笑した。 「……お祭り、一緒に回ってもいい?」 「俺はいいよ?」 「俺も構わねぇ」 「同じく」 「じゃ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅵ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅴ

          二人に言われた通りに端末を買い、そのまま連絡先を交換。 其れから部屋に戻り、魔力操作を教える。 「先ずは自分の魔力の色を知る所から始めねぇとな」 「「魔力の色?」」 首を傾げる二人の前で、自分の手に白の魔力を纏わせた。 「なんか、白いのが見える」 「此れが魔力」 「あれ?あの時、なんか黒いのもなかった?」 「アレは別物。兎に角お前等は自分の魔力の色を自覚しろ」 俺の言葉に二人は顔を見合わせる。 「取り敢えず目閉じな。俺が誘導するから」 「「うん」」 素直に目を閉

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅴ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅳ

          「よっと」 アレから俺は一先ずシロたちが通う学校がある隣街に行き、其処から乗り合いバスで大きな街へとやって来た。 やっぱり村や田舎の街と違って、大きな街は賑わっている。 人にぶつからない様に進みながら、案内所と書かれた建物に入った。 「ようこそ、パーチへ。ご用件は?」 「ついさっきこの街に着きまして。泊まれる所はありませんか?」 「少々お待ち下さい……ご希望はありますか?」 「なるべく安い所で」 「それでは……酒場『ハートランプ』はどうでしょうか?酒場で賑やかですが、

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅳ

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅲ

          魔獣の襲撃から数日後。 何度か魔獣が現れたが、俺の魔法程度でも一発でも倒せていた。 「クロ、何を作ってるの?」 「ちょっとした準備」 「準備?」 魔法で作った石に魔法陣を刻んでいく。 やっと必要な分の準備が出来た。 物を作んのは好きだけど、魔法が関わってくると面倒だな。 「クロ!シロ!」 「「ん?」」 「良かった、まだ見付かってないね」 やけに焦った様子のニールがやって来る。 「どうした?」 「何か、変な恰好した男が金目の奴を探してるって。今、広場で村長が相手

          千年寝た勇者と千年後の旅物語Ⅲ