
1000円を取り戻すのに、1000円以上のコストをかける人たち
とある手続で利用した金融機関での出来事です。手続を済ませて、手数料を支払い、あとは書面を待つだけとなりました。
数日後、私のもとに連絡があり、なにやら手違いがあったようで手数料を返金すると申し出をされました。その返金の手続のために、再度店舗を訪問し、書類を記入し、証明書類を再提出することを求められます。お店を訪問しますと、慣れない手つきでどこかに電話で問い合わせをしながら私に案内しようとするのですが、待たされたままいつまでたっても始まりません。
「1000円いらないので、帰ります。」
このように告げて帰ろうとすると、蜂の巣をつついたような大騒ぎが始まります。私からすると、たかだか1000円の手数料を取り戻すのに、店を往復し、書類を持参し、さらに店で待たされるという苦役に耐えなければなりません。このようにしている間、私とあなたのコストを合わせると、1万円くらいになっていると思います。
実は、私そんなに暇ではありません。
社内の形式的な書類をととのえるのは、社内の仕事であって、そのために外部の人を巻き込んではいけません。まことに、金融機関の謎ルールには日頃から付き合わないと気をつけているのですが、思わずといったところです。
私なら、自分に落ち度があって、そのリカバリーのために相手になにかを求めるときは、こちらから出向くことが第一であります。それができなくても、郵送で処理するか、あるいはこちらへお越しいただくならば、お待たせすることのないように入念に準備して出迎えます。
驚くことに、そのどちらもありません。お客さんを動かすことに、なんらのコストも感じていなさそうです。紙と電話で、昭和の働き方をしていてもつぶれないのは、ある意味うらやましいことですね。
「その1000円をあなたにあげるから、昼飯でも食べて。」
と伝えて帰ってきましたけど、ほんとに勘弁してほしいです。